Buen día(こんにちは)、DEKAEです。
人口の大半がヨーロッパ移民の血を受け継いでいるアルゼンチン。
その首都ブエノスアイレスには、ヨーロッパを思わせる古風で美しいカフェが多数残っています。
※以下、すべて2024年5月時点の情報。
Café Notableとは
19世紀から20世紀初頭にかけ、ブエノスアイレスの港に大量のヨーロッパ移民、とりわけイタリア人が押し寄せました。
彼らが当時の様式で多くのカフェを建設し、それが現在も「Café Notable」「Bar Notable」等と呼ばれて残っています。
notableとは「注目すべき」といった意味で、地元民にとって特別な場所であることを表したかったのでしょう。
こちらの記事では、市内を横切る五月大通りの北側、セントロと呼ばれるエリアにあるカフェテリアをご紹介します。
1. Confitería Ideal
オベリスコからすぐ近くにある高級菓子店。「理想的なコンフェクショナリー」を名乗ります。
おとぎの国のお菓子屋に紛れ込んだかと錯覚するほどの世界観は、美の暴力と言っても過言ではない…
入口すぐはケーキなどのショーケースになっており、扉の向こうがカフェスペース。その豪華さといったらもう、圧巻です。
店内はほぼ満席。予約していない旨を告げるとウェイティングスペースに案内されました。
「ブザーが鳴ったら順番ね!」と言われブザーを持たされましたが、これほどの気品が漂う中なぜそこだけフードコートスタイルw
10分と経たないうちにブザーが鳴り響き(笑)2人掛けの席に通されました。
重厚なタンゴが大量のスピーカーから降り注ぎますが、店内のざわめきでほぼ聞こえない…
アルゼンチン人の喋り声の大きさを痛感します。アルゼンチン人だけじゃないでしょうけど
食事を注文するとクロスに乗ったカトラリー、数種類のパンが運ばれてきました。
飲み物はウエイター手ずから注いでくれたし、単なるお菓子屋を越えてレストランですね。
ウエボス・レブエルトス(スクランブルエッグ)。
付け合わせがhoja(葉)とあったので野菜かと思いきや、ベーコンの薄切りでしたwww
お味は意外なほど薄めで、卓上の塩胡椒で味付けしてちょうど良い感じです。
ケチャップくださいとは言いづらい雰囲気…
ロクロ。白いトウモロコシが入っているのが特徴で、肉や豆、野菜とともにコトコト煮込んだシチューです。
腸詰から出るだしが味に奥行きを加えています。
アルゼンチン北部の郷土料理ですが、5月1日(労働者の日)の祝日に全国で食べるのが習慣に。
訪れたのがちょうど5月1日だったので、数量限定の特別メニューで提供されていました。
量が本当にもう労働者向けという感じで…
皆さんコーヒーとサンドイッチやケーキを上品に楽しんでいらっしゃる中、一人フードファイター状態で浮いていました。
炭酸水に料理2品で23,000ペソ(4,000円程度)で、アルゼンチンの経済状況を考えるとかなりの高価格帯といえるでしょう。
それでも店内は大盛況で、不景気なんて嘘みたいと思ってしまいましたが…
上部のステージでおちゃらけたおじさんによるピアノ演奏も始まりました。カメラを向けるとサービスくれます。
それでいて、選曲はタイタニックのメインテーマなどしっとり系。笑
誕生日祝いのテーブルでは、おじさんの歌に合わせてウエイターたちがケーキをサーブします。
仕事を終えて着替えたスタッフまでお祝いに加わっており、暖かい雰囲気でした。
Confitería Ideal
〔住所〕Suipacha 384, C1008AAF Cdad. Autónoma de Buenos Aires
〔営業時間〕7:00~0:00(金・土は1:00まで)
2. El Gato Negro
Subte(地下鉄)のB線、Uruguay駅とCallao駅の中間あたりに位置するこちら。
黒猫という名のお茶屋さんです。
スパイス屋でもあり、店内はアラビアのスパイスマーケットのような魅惑の香りに満たされています。
(アラビアのスパイスマーケットに行ったことはないけど)
コリエンテスという比較的大きな通りに面したお店ですが、中は時が止まったかのような落ち着いた雰囲気。
こちらで紅茶と朝食をいただきます。
アールグレイの茶葉、南部鉄器にたっぷりのお湯が供されました。う~ん優雅…
目の前に座っていた、お世辞にも紅茶などたしなまそうなおじさんが(失礼)まずは小さな器に入った茶葉の香りを楽しんでいます。
思わず私も真似してしまいました←
普段は朝からコーヒーばかり飲んでいますが、本当は紅茶の香りで目覚めたい私です。
食事はここでもスクランブルエッグw
薄切りベーコンは定番なんですね。付け合わせのパンに乗せ、オープンサンドのようにいただきました。
トレードマークの黒猫を配した缶が魅力的で、無駄に茶葉を買って帰ってしまいました。
さすがに可愛すぎんか?
一番小さい缶は25グラム入り。茶葉はビニール袋に包装してから缶に詰めてくれるため、お土産にも最適です。
El Gato Negro
〔住所〕Av. Corrientes 1669, C1042AAC Cdad. Autónoma de Buenos Aires
〔営業時間〕月~木 9:00~21:00、金・土 9:00~1:00、日 11:00~22:00
3. Le Caravelle
Cappuccino "alla italiana"(イタリア風カプチーノ)で有名なお店。
カプチーノってそもそもイタリアのもんなんじゃないの、とも思いますが…
ここで出てくるカプチーノ、単なるそれではないのです。
!?
こんもり立ち上がる不思議なフォームミルク!これこそがLe Caravelleの名物。
イタリアのカプチーノを検索してもこんな写真は出てこないので、今となってはここでしか出会えないものかもしれません。
この状態で提供されるのかと思いきや、バリスタが目の前で熱々を注いでくれます。
慌てて動画を撮ろうとすると「準備はいい?」と待ってくれる懐の深さ。注ぎ終わるとウインクまでくれましたw
ちなみにこちらにはカウンターしかなく、カフェというよりまさにイタリアのバールです。
というわけで、さくっと立ち寄りきゅっとコーヒーを飲んで去る地元民が大半。カプチーノを注文している人は誰もいませんでした(笑)
カプチーノの価格は他のコーヒーの2倍ですが、それでも1,600ペソ(約300円)と非常に良心的です。
Le Caravelle
〔住所〕Lavalle 726, C1047 AAP, Cdad. Autónoma de Buenos Aires
〔営業時間〕平日 7:30~19:00、土 7:30~19:30、日曜定休)
4. Café Tortoni
もはや有名すぎてニッチでもなんでもないトルトーニです。
しかしブエノスのカフェ紹介記事でここを外すわけにはいきません…
創業1858年、ブエノスアイレスの歴史そのものともいえる場所です。
ステンドグラス調の天井、こだわりの照明、大理石のテーブル。
ヨーロッパのクラシカルなカフェに求める要素すべてが詰め込まれています。
かなりの大箱ですが、午後には行列ができるため8時の開店直後が狙い目。
開店前には並び始めますが、平日なら満席になるほどではないようです。
カフェ・コン・レチェ(カフェラテ)とメディアルナ(クロワッサン)。
ブエノス滞在中、私の朝食の定番となりました。
重ねた歴史が紡ぐ唯一無二の空間ですが、ウェイターたちは全然やる気がありませんw
ブエノスに数あるカフェの中でなぜここだけいつも行列なのか謎ですが、観光名所とはそういうものですよね。
ま、この適当さこそポルテーニョ(ブエノスアイレスっぽい)ということで。笑
そうはいってもやっぱりテンション上がってカップ&ソーサーを買っちゃいました。
グッズ売り場がきちんと設けられているのも観光地っぽい。まぁ私観光客だからいいんですけどw
なお、こちらの食器はTSUJIというアルゼンチンの高級磁器メーカーのものなのですが…
名前のとおり、昔日本から海を渡った辻さんという方が興したブランドでした。何とも不思議なご縁があるものです。
Café Tortoni
〔住所〕Av. de Mayo 825, C1084 Cdad. Autónoma de Buenos Aires
〔営業時間〕8:00~22:00
おわりに
早朝から深夜まで、歴史を感じる空間でコーヒーや食事を楽しめるブエノスアイレスのカフェ。
もちろんアルコールも提供していますので、いつ誰と訪れても充実のひと時を過ごせる場です。
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おしまい