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キューバに行くならホテルよりカーサで民泊が楽しいよ

¿Qué bolá?(調子はどう?) DEKAEです。

社会主義体制を残す数少ない国キューバ。実際に訪れてみると、観光客の多さに驚きます。

そして今、キューバに行こうとしてホテルの取りづらさに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

実はキューバでは、ホテルよりも普通のお宅に泊まる方が一般的かつ楽しいのです。

Casa Particular(カーサ・パルティクラール)

キューバの観光政策

キューバは1959年の革命政権誕生以来アメリカから嫌われ続けたために、その他多くの国とも大っぴらに通商することができずにきました。

よって資源の開発や産業の発達が遅れ、未だに貧しい状態が続いているという負のスパイラル。

そんな中でキューバ政府は外貨獲得の促進のため、観光政策にはとりわけ力を入れています。

カーサ・パルティクラールとは?

キューバでは、そんな観光政策の一環として国で民泊を認めています。それがCasa Particular(カーサ・パルティクラール)。「個人の家」という意味です。

なにしろこの国、年間400万人前後の訪問者数に対してホテルの数が圧倒的に少ない。

首都ハバナやリゾート地バラデロにはいくつかあるものの、ほとんどが高級ホテルです。

それなりのサービスは提供されているのだと思いますが、ハード面でも不便なことだらけなので…正直、この値段でこのクオリティ?という感じ。

そこで個人旅行者に圧倒的におすすめなのがカーサでの民泊なのです。

いわゆるホームステイのような感じで、玄関とリビングルームは住人と共通。

ただしカーサには個室と専用バスルームを完備することが義務付けられているため、プライバシーが確保されています。

私が訪れた2015年末は1泊あたり25~40CUCが相場でした(1CUC≒1USD)。この記事の作成にあたり久しぶりに調べてみたら、暴騰!今は100CUCとかザラなのですね…

食事代は別のことが多いです。私がお世話になったところは朝食3CUC、夕食5CUCが多かったですね。

キューバは食事もイマイチな国なので、意外とカーサの家庭料理の方が満足度が高かったり。

食事を頼むかどうかは宿泊者の自由ですが、カーサの経営者には毎年高額の税金がかかります。

たとえ一日あたり10CUCに満たない収入であっても あるのとないのじゃ大違い。

そんなことを考えて、私は全てお願いしました。

カーサ・パルティクラールの探し方

政府が認めたカーサ・パルティクラールは、玄関に青いイカリマークを掲げています。

昔は観光客がそこまで多くなく、イカリマークを目安に適当に探せば見つかったといいますが…今は初日の宿だけでも押さえていった方が絶対にいいでしょう。

当時私が利用したエアカナダ便はハバナ到着が夜遅くだったこともあり、事前に予約していくことに。

「casa particular cuba」とかで適当に検索すると予約サイトが出てきますが、こちらが使いやすかったです。

Havana Casa Particular - Cuba Private Houses Rentals by Owner. Book Rooms, Apartments, Villas

人気の宿はメジャーな予約サイトにも掲載されていますが、多くのカーサは客室が一部屋だけだったりしてなかなか予約が取れません。

そしてキューバはインターネットのインフラが整備されておらず、サイトに掲載されていない どローカルなカーサもたくさんあります。

時間・体力さえ許せば自分の足で探すのも楽しいと思います。

私は結局、Facebookで見つけた『Casa Particular Geldys y Michel』というハバナのカーサに直接連絡を取りました。

2泊お願いしたところ、2日目は空いてるけど初日は友達のカーサに泊まってね、とのことでした。

※キューバにはカーサネットワークがあり、ある宿が満室でも知り合いの宿を紹介してもらえることが多いです。

カーサに泊まる

ハバナ旧市街のカーサ1

23時過ぎにハバナ国際空港に着くと、私の名前を書いた紙を持った兄ちゃんが近づいてきました。カーサからのお迎えです。

結局この人はただの運転手だったらしく、送り届けてくれてから去っていきました。

遅い時間にもかかわらず、カーサの前に宿主のおじさん&連絡を取っていたGeldys(ヘルディ)が出てくれていて、一通り挨拶。

おじさんのカーサはハバナ旧市街の北東部、マレコン通りのすぐ近くに位置していました。部屋は質素ながら広く、シジョン(揺り椅子)も置いてあります。

もう深夜を回っていたので、早々にシャワーを浴びて休むことに。

シャワ…シャワー?

動揺のあまり写真がブレています。

お湯の出し方もよく分からず、ペットボトルの口からちょろちょろと出てくる冷水を浴びました。ハバナは12月でも暑いので大丈夫です(?)

翌朝、奥様が朝食を用意してくださってました。英語は話さないものの、穏やかで安心感のあるおばさまです。

この!ボトルにたっぷり入ったパパイヤジュースが!げきうま!!

ハバナ旧市街のカーサ2

朝食を頂いたらGeldys(ヘルディ)とMichel(ミシェル)のカーサへ移動します。

でっかくキューバ国旗をぶら下げたマンション(?)の5階。

いざお邪魔します。

この部屋の最大の魅力は何と言っても…

オーシャンビュー!

部屋にいながら対岸のモロ要塞を眺められるという最高のロケーション。

こちらのカーサでは旦那さんのミシェルが料理を作ってくれます。

キューバのソウルフード的なパスタ入りスープ。

さつまいもがよく食べられるそうです。

ランゴスタ(ロブスター)!

朝食。一泊しかできなかったのが悲しい…

ヘルディもミシェルも英語OKです。

ちなみに日本を発つ前、ヘルディから連絡が来ていました。

「私たちは教会に寄付をしているので、もし不要になった物があったら持ってきてくれると嬉しい。もちろん強制ではないし、カバンにスペースが残ってたらでいいからね」と。

行ってみて痛感しますが、とにかくキューバにはモノがない。商店に行ってもタバコやお酒は沢山あるのに、日用品の類を全然見かけないのです。

というわけで着なくなった服や百均で買った文房具などいくつか持っていきました。

そして後日、その服を着た見知らぬ少年を街角で見かけたのです!あれはすごく不思議な気分でした。

Geldys-Michel Casa-Particular (Facebook)

ビニャーレスのカーサ

ハバナに2泊した後はビアスールというバスに乗り、渓谷の田舎町ビニャーレスへ。

ヘルディに「ビニャーレスに知り合いのカーサはありませんか?」と聞いていたのですが、年末シーズンはどこもいっぱい!何とか1軒だけ見つかったわよ、とのこと…

で、ビニャーレスのバス停までお兄さんが迎えに来てくれて、とあるカーサに連れて行かれたものの…どうやらこのカーサは私が泊まる場所ではないと言われている…?

ですが、とりあえず夕飯が出されました。

右のはしょっぱい黒豆スープで、ご飯にかけて頂きます。

サラダには何の味もついていなくて、好きなのを使いなさいと調味料セットをドカンと置かれました。

とりわけタイのスイートチリソースをしきりに勧められましたが、それはちょっと合わないんじゃ…

夕飯を頂いたら本当のカーサまで送ってくれました。なぜそうなったのかは謎のまま。

手前のオレンジの家が泊まったカーサです。全体的にカラフルで楽しい。

朝食。パパイヤの下に苦手なバナナが…。バナナだけ残したら翌日の朝食から消え去っていました…気遣いw

ここでもランゴスタ!周りに海ないと思うんですが…どうやって仕入れるんでしょう。

ビニャーレスでは乗馬に出かけた他はカーサの軒先の揺り椅子でひたすらダラダラしただけ。

家族なのかご近所さんなのか、色々な人が入れ替わり立ち代わり家に入っては出て行き…という感じで楽しかったです。

あ、ビニャーレスの人々には基本英語は通じません。

ハバナ新市街のカーサ

再びビアスールバスでハバナのバスターミナルに戻ります。次のカーサの方が車で迎えにきてくれました。

このカーサもヘルディに手配してもらったもの。本当何から何まですみません…

くる…車?

こちら後部座席の模様です。乗ってる間ずっとガタピシしていました。

キューバではアメ車のクラシックカーが有名ですが、これこそが本物のクラシックです。

ヘルディいわく、旧市街はどこも満室だから、ちょっと遠いけど新市街の友達の家に泊まってとのこと。観光地の中心からは車で15分ぐらいだったかな。

やっぱりテラス。

珍しく豚肉です。主食はやっぱりコメで、こうしてみるとキューバってけっこう米食なんですかねぇ。

この人形は恐すぎですが、こんな感じで肌が超きれいな黒人ファミリーのお宅。

わりと若い夫婦ながら 身綺麗だし立ち居振る舞いに品があって、ちょっとキンチョー。

運転手さんは奥さんのお父様でした。そして小学校低学年くらいの子供たちも はにかみながら挨拶してくれて可愛かった!

おわりに

キューバ…色々面倒な国ですが、せっかく行くのであればぜひ個人手配にしてカーサに泊まっていただきたい!ツアーだとどうしてもホテル泊になってしまいますからね~。

旧市街にはコロニアル調の素敵なホテルが多かったですが、新市街方面に行くといかにも社会主義な灰色の高層ホテルばかりで、ちょっと味気ない…

まぁそれも一興ですが。笑

アメリカ合衆国との国交正常化も一進一退ですが、もはや関係が後退することはないでしょう。

すでに名立たる外資企業がキューバ市場参入に手を挙げ、ホテルやリゾートの開発が始まっているやに聞きます。

変わりゆくキューバ。今後どのような道を歩んだとしても、この国で出会った人たちの幸せを願うばかりです。

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おしまい