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新日本フィルの生オケ・シネマでチャップリンの『黄金狂時代』を観た

こんにちは、DEKAEです。

少し前にチャップリンの『黄金狂時代』を、オーケストラによる生演奏付きで観てきました。

 

生オケ・シネマ

近年、オーケストラの生演奏をバックに映画が上映される機会が増えてきて、非常に喜ばしいことです。

以前にラ・ラ・ランド in コンサートという、生オケに合わせて上映されるラ・ラ・ランドも観に行きました。

半分音楽が主役みたいな映画でしたので、臨場感が増し増しで素晴らしかったです。

まぁ、ミュージカル映画ゆえにテンポの揺らぎや即興演奏を完璧に再現しなければならないので、演奏する側としてはかなりの不自由を強いられている感がありましたが。笑

指揮者はイヤモニを付けて振ってましたが、どこかからタイミングやテンポの指令が飛んでくるんでしょうね。

他にも007 in コンサート、ラブ・アクチュアリー inコンサートなんてのがありましたが、ちょっとどうなってるのか想像つかない。

 

チャールズ・チャップリン

ところで私、チャールズ・チャップリンのファンでしてね。

彼が残した言葉で、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇である」というものがあります。

私、まさに全く同じことを考えていたのです。

よく友人の話を聞いて「何でそんな面白いことが起きるの?」と言ってゲラゲラ笑っていますが、当人にとってはたまったもんじゃない、なんてことは往々にしてあるわけで。

チャップリン映画の登場人物たちはチャーリーを始め おまぬけな人やずる賢い人ばかり。

そんな彼らがサイレント映画特有のドタバタコメディを繰り広げ、観るものは抱腹絶倒の大爆笑なわけですが。

しかしふと、ドタバタしている本人たちはきわめて大真面目で、彼らにとって我々が見ている状況は全然笑いごとではなかったりする、ということに思い至ります。

その状況が深刻であればあるほど、彼らが真面目であればあるほど皮肉なことにおかしさが増すというピリっと辛いのが現実。

それに気付いたときにどうしようもなく悲しくて、胸が締め付けられるような感覚。これこそがチャップリン喜劇の神髄なのだと思います。

幼少期から極貧生活を送り、辛酸をなめながらも母と兄を愛し、ユーモアを忘れなかったチャップリン。

だからこそ彼の映画のラストシーンには、ほろ苦いながらも希望の光が差すものが多いのかもしれません。

 

チャップリンの『黄金狂時代』

そんなチャップリンですが、映画館で観る機会って意外と少ないんですよね。

私も短編集のDVDボックスなんてものを持ってますが、長編を大画面で観たことはなかったのです。

そんな折、2018年5月26日にすみだトリフォニーホールにて、新日本フィルハーモニー交響楽団の生演奏による『黄金狂時代』を鑑賞する機会に恵まれました。

新日本フィルはこれまでにも『モダン・タイムス』『街の灯』を上映してたんですね!モダン・タイムスなんて観てみたいわぁ~…

話は戻って黄金狂時代。

時はゴールド・ラッシュ、アラスカの金鉱が舞台。雪山を歩く人々の過酷な情景から映画は始まります。

そして大きなスクリーンにチャップリンがぴょこぴょこと現れた瞬間、あれっ?というくらい目から汗が出てきてしまいましたよ。

いきなり熊が出てきて笑えるし、序盤から心乱されまくり。あの熊はやけにリアルでしたが、まさか本物…じゃないよね?

会場はもう、気持ちいいくらい爆笑の渦です。なかなか映画を観て、同じところで一斉に笑うことって少ないと思うんですけど、チャップリン喜劇には人類共通のツボがあるのでしょうかね。

大晦日ディナーのシーンでは鼻をすする声がちらほらと。笑わせて泣かせるって、罪な男ですよチャップリンは。

そして何といっても劇伴音楽ですよね。そうそう、もともとサイレント映画は上映しながらオケがBGM演奏するのが本来の姿だったはず。

オリジナルに極めて近い形で上映されているということですよね。本当に貴重なことです。

また生演奏で音楽に立体感が生まれることで、彼がいかに優れたトラックメーカーであったかを実感できます。

映像と音をきちっと合わせるというのは今の映画では当たり前のことですが、当時としては画期的だったことでしょう。

合っているのはタイミングだけではなく、描写にも優れています。切ないシーン、バイオリンが高音で奏でる甘美な旋律。目からの発汗作用が増長されちゃう…。

何といっても最も驚くべき点は、チャップリンが撮影以外の作業を全て自分でこなしてしまう点ですよね。

天才としか言いようがないのですが、そんな陳腐な言葉で括ってしまってよいものか、ちょっと悩ましい。

 

おわりに

なかなか映画館で観ることがかなわない古い映画こそどんどんこういう機会を設けてほしいところ。

個人的に観たいのは『雨に唄えば』です。前にやったらしいですが、ぜひ再演していただきたいっ

 

 

おしまい