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クラシック入門におすすめしたい『交響詩』というジャンル(&推薦盤)

こんにちは、DEKAEです。

クラシックに興味があるけど何から聴いていいか分からないというアナタに、とっつきやすい『交響詩』というジャンルをご紹介いたします。

交響詩

絶対音楽と標題音楽

クラシック音楽の大分類のお話から入りましょう。

クラシックの器楽曲(※)には大きく「絶対音楽」「標題音楽」という二つの分類があります。

※歌が入らず楽器だけで演奏される楽曲のこと。

まずは説明が簡単な「標題音楽」から。これは音によって風景、絵画、物語、心情などを表現しようとする音楽です。

絶対音楽」はその反対にあるもので、ざっくり言うと標題音楽にあたらないものが絶対音楽。無理やり定義づけるとするなら、音楽によって音楽そのものを表現しようとする音楽…とでも言えるでしょうか。

絶対音楽の代表として挙げられるのがバッハの音楽。『パッヘルベルのカノン』なんかもそうですね。

まぁこの分類はわりとぼんやりしているので、曲を聴くにあたってあまり意識する必要はありません。

交響詩とは

交響詩とは、標題音楽の中で特に物語を音楽によって表現するもの。これは作曲家によって明確に「交響詩〇〇」と名付けられますので分かりやすいです。

物語というだけあって曲にもストーリーがありますので、クラシックを初めて聴く方に断然おすすめなジャンルが交響詩なのですよ。

かくいう私も交響詩を聴いたのがクラシック沼にハマる第一歩でした。というわけで、皆様の第一歩になりそうな楽曲たちをご紹介いたします。

ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら(約15分)

ドイツ出身の作曲家リヒャルト・シュトラウスは数多くの交響詩を残していますが、最もなじみやすいのがこの曲。題名からしてクラシックのお堅いイメージからは少々外れています。

北ドイツに実在したとされる伝説の奇人、ティル・オイレンシュピーゲルの悪行と末路が昔話仕立てで描かれます。

これがですね、楽器のことが何も分からなくても聴けば目の前に光景が浮かぶ物凄い曲なのですよ。

ストーリーのガイドラインだけ記しておきますね。

曲は「昔々あるところに…」から始まります。村のおじいさんが子どもたちに昔話を語り聞かせる様子でしょうか。

縦横無尽に駆け回るティルの様子で物語が始まると、続いて甲高い笑い声が。この二つのフレーズは最後まで随所に登場します。

そしてティルが次々と引き起こす騒動が描かれます。小休止があったり大事になったりをドタバタと繰り返しながらクライマックスへ。

いたずら大成功~!かと思いきや、突然捕えられるティル。裁判にかけられ、最初は皮肉っぽく笑っていたティルも事態の重さを認識。命乞いも虚しく処刑されてしまいます。

ゆっくりとティルの息の根が止まると、場面は再び おじいさんと子どもたちの座る"現代"へ。「おしまい」と言って一同解散しますが…最後にサプライズが!

ティルの伝説は今でもこの地に息づいていることが示され、華やかに幕を閉じます。

あ、この曲は『のだめカンタービレ』のドラマ版で使用されていたとのことなので、その線からご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。 

やはりドイツ人の曲を演奏するにはドイツ人のメンタリティが一番ということで、ドイツの指揮者カラヤンとベルリンフィルによる録音でどうぞ。

同じCDに収録の『サロメ』も激しくおすすめ。

ローマの松(約20分)

イタリアのオットリーノ・レスピーギは特に『ローマ三部作』という3つの交響詩で知られています。

ローマの松』もその三部作の一つ。ローマ市内の4本の松を入口として、古代ローマ帝国の威容を壮大に描きます。

ⅠからⅣまでの4つの曲がつながって演奏される形式。音源では曲ごとに再生できるのでお手軽です。

Ⅰ ボルゲーゼ荘の松:最初から目もくらむようなキラッキラな音に驚きます。この曲を再生するときは音量にご注意くださいw

子どもたちの遊ぶ声がこだまする現代の場面で曲が始まりますが、はたとその声が止んでⅡへと進みます。

Ⅱ カタコンベ付近の松:前半の山場です。

カタコンベは古代キリスト教徒の地下埋葬地。遠くから地響きのようにグレゴリオ聖歌風のメロディが近づいてくるのですが、最後は巨大な幕が迫ってくるような錯覚を覚えます。

レスピーギはイタリアの古い音楽を今風に解釈して自分の曲に使う…というセンスに定評があったのですが、これはその真骨頂。

Ⅲ ジャニコロの松:夢を見ているような音楽。後半から鳥がさえずり始めて現実に引き戻され、古代と現代の境目が曖昧になります。

Ⅳ アッピア街道の松:中東風の旋律が聞こえてくる奥で古代ローマ軍の行進が近づいてきます。後半からは銅鑼もガンガンに鳴らされちょっとした恍惚状態。

これ、生演奏では右から左からラッパの音が降り注いできて もうほんと圧巻です。

この曲がOKでしたら、同じローマ三部作の『ローマの祭り』にもチャレンジしてみください。あまりにも訳が分からな過ぎて最初ちょっと度肝を抜かれるかもしれませんが…『Ⅳ 主顕祭』だけ聴いてみてもいいかも。

レスピーギはけっこう右寄りだったそうで、古代ローマ帝国の威光に思いを馳せ、国民の士気高揚のため このような派手な曲を作ったのでは?とも言われています。

おすすめは東京フィルと、その首席指揮者である若きイタリア人指揮者バッティストーニによるもの。ごく最近の録音なので音質が非常にクリアです。三部作全部入り。

交響組曲 シェエラザード(約45分)

クラシックを聴くうえで避けて通れないのが『交響曲』というやつです。

恐らくこれが最も「クラシック音楽」のイメージ通りの音楽かもしれません。何が何だかよく分からない音楽が40分から1時間くらい続くという状況です。

ただ やはりクラシック好きをこじらせるとね、こういう長くてよく分からない音楽が聴きたくなるものなのです。

その前哨戦としておすすめなのが交響組曲。特にロシア人作曲家リムスキー・コルサコフによる『シェエラザード』は千夜一夜物語(アラビアンナイト)を題材にしているため、親しみやすい名曲です。

千夜一夜物語は、人間不信の王にシェエラザードという娘が嫁ぎ、毎晩王に興味深い物語を聞かせて信頼を得ていくお話。

そこから四つの題材を取って、四楽章の交響曲としています。ロシア的な華やかさ、中東の妖艶な響きが混ざり合い、映画音楽のように耳あたりのよい仕上がり。

第一楽章<海とシンドバッドの船>:シンドバッドが航海に出る様子を描きます。

バイオリンの流れるような美しい旋律はシェエラザードの語りを表します。王のテーマはそのまま海の荒波を表現。この後この二人のテーマはたびたび登場します。

第二楽章<カランダール王子の物語>:まさにアラビアの王子のイメージにぴったりの旋律が登場。優雅な三拍子で、DEKAEはこの楽章が一番好き。

第三楽章<若い王子と王女>:若い二人のロマンス。王妃の語りに続いて現れるアラビアの踊り風メロディが王女のテーマですが、これがまた胸キュンなのです…。

第四楽章<バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。終曲>:サブタイトルが長いですが、これまでの三楽章を走馬灯のように振り返った挙句ラストは難破しますw

静まり返ったあとシェエラザードの語りが再び始まり、やがて王と王妃の幸福な結末を予感するように静かに幕を閉じます。

シャルル・デュトワの指揮が好き。色々あって現在干されていますが、この人が振るロシア音楽は艶っぽくて良いです。

おわりに

私が愛してやまない交響詩のご紹介でした。

かくいう私も好みがかなり偏っていて、まだまだクラシック通には程遠い存在です。

しかし若い聴衆の取り込みがクラシック界では喫緊の課題ですので、ぜひ共にクラシックヲタク活動に勤しみましょう。

 

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おしまい