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ある山奥の狂宴…コスキン・エン・ハポンへ行く【Cosquín en Japón 2018/福島県川俣町】

こんにちは、DEKAEです。

日本最大のフォルクローレの祭典、コスキン・エン・ハポンに行ってきました。

 

コスキン・フェスティバルとは

正確に言うと、何をとち狂ったのか「出演」してしまったのですが、まぁそれはさて置いてですね…

Cosquín Festival(コスキン・フェスティバル)とは、アルゼンチンで毎年行われるフォルクローレの祭典。

アルゼンチン中北部のコルドバ州の中心街から50km程のところにあるCosquín(コスキン)という小さな町で、毎年1月に開催されます。

日本でいうところの紅白歌合戦といったところでしょうか。そりゃもう、アルゼンチン人であれば興味がなくても誰でも知っています。

アルゼンチンの音楽というとタンゴを連想する方が多いと思いますが、実はタンゴはブエノスアイレスのごく一部で演奏されるもの。「都会の音楽」なわけです。

広~い国土を有するアルゼンチン、それ以外にも民俗音楽(フォルクローレ)の類が数多く存在しています。

代表的なものにはZamba(サンバ…ブラジルのSambaとは異なる)、Chacarera(チャカレーラ)など。

全国からこういった音楽を奏でる者たちが集い、9日間にわたって熱演を繰り広げます。

フォルクローレで食っていこうとする若者にとっては、コスキンへの参加は登竜門の一つになっているようです。

実際に行った方の話を聞くと、そこら中で好き勝手に音楽を奏でたりセッションが始まったり、こんな騒ぎが真夜中まで続くのだとか。

楽器遊びをする者にとっては夢のような世界ですねぇ。

ちなみにCosquín Rockというロック版コスキンも同時に開催されるそうです。

aquicosquin.org

 

コスキン・エン・ハポン

さて、なぜかここ日本でもコスキン・フェスティバルが毎年行われています。

アルゼンチンのフォルクローレを愛する一人の日本人が1975年に初めて川俣でコスキン・エン・ハポンを開催、定着させました。

2018年が第44回。未知なるアルゼンチン民俗音楽イベントを日本に持ってきて開催にこぎつけ、あまつさえそれを定着させた。

相当な苦労が伴ったと推察されます。その熱量には舌を巻くばかり。

今では我が国最大のフォルクローレイベントとなり、その筋で知らない者はいないほどの一大音楽祭に育っています。

実は本場コスキンには、一枠だけ日本代表の演奏時間が設けられています。

コスキン・エン・ハポンではこの代表審査会も開催しており、代表に選ばれたチームが本場コスキンへの出演という名誉にあずかるのです。

また現在の川俣は「フォルクローレの町」を全面に押し出しており、小学校の音楽の授業ではリコーダーに代わりケーナを学ぶそうですよ。

川俣コスキンは連休3日かけて朝から晩まで開催されるわけですが、町中の人が手伝いに駆けつけます。

まさに「一丸となって」という言葉がぴったり。ここまで行政と町民が一体となり、利害関係抜きに継続させているイベントを他に知りません。

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畏れながら私こちらでバンドネオンを弾いてきました。バンドネオンで民俗音楽を演奏することもなくはないですが、今回やったのはタンゴ。まぁかなり異色であったことは否めません。

 

コスキン会場の様子

会場である川俣町中央公民館に到着すると、こんな感じです。

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青空の下 出演者たちが好き勝手にリハーサル中。

ケーナを吹きまくり、太鼓を打ち鳴らし、踊り狂う人々。近所に民家もありますが、今さらクレームにもならないのでしょうかね。笑

会場で時折聞こえてくる会話に耳を傾けてみると、少々浮世離れしている人たちが多いような…え、人のこと言えない?

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会場では南米フードも売られていますよ~。アルゼンチン料理のエンパナーダやチョリソー。ペルー料理も多かったです。

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川俣フードの数々。今回試すことができませんでしたが、次回はこの辺りを攻めてみたいところ…

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チチャモラーダ(健康ジュース?)うまし。

 

特別ゲスト:Raúl Olarte(ラウル・オラルテ)

毎年本国からも特別ゲストを呼んでいるようです。

今年のゲストはケーナの名手Raúl Olarte(ラウル・オラルテ)。

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圧巻。ケーナって非常に素朴な縦笛のはずですが、その笛一本でアンデスの雄大な風景と描いてみせます。

アンコールではおなじみの『コンドルは飛んでいく』を吹いていましたが、内側からたぎるようなビートを感じました。

原始的な楽器だからこそ、身体に直接語りかけてくるのかもしれません。

 

開催要領

以下、コスキン・エン・ハポンの簡単なTIPです。

・開催は毎年10月の3連休、通しで行われます(2020年は東京オリンピック・パラリンピックの関係で9月の3連休に移動)。

・入場無料!

・会場となる川俣町中央公民館へはJR福島駅から車で30分程。

バスも1時間に1本程度出ており、コスキン開催中はバスターミナルに看板が出るので迷うことなく乗れます。

また近隣の道の駅等にもサブステージが出ています。

 

おわりに

今まで見たことのないタイプの音楽イベントで圧倒されました。あまりにも非現実的すぎて、あれは蜃気楼だったのではないかと思うほど。

もっと全国に知られてほしいような、このまま秘境のままであってほしいような…

なお、福島駅から会場に至るまでの道にUFOが出る山なんてのもあり、ますますカオス味を帯びる町・川俣なのでした。

 

 

おしまい