こんにちは、DEKAEです。
ヲタクではないが乗り物に乗るのが好き。そんな私がアメリカで乗ることを夢見ていた、長距離バスGreyhoundと長距離列車Amtrakの乗車記録です。
Greyhound(グレイハウンド)
長距離バスへの憧れ
映画『LA LA LAND』(2016)のオープニングを飾る『Another day of sun』はこんな歌詞で始まります。
I think about that day
I left him at a Greyhound station
West of Santa Fé
Greyhound(グレイハウンド)とはアメリカ全土を結ぶ長距離バスのこと。
アメリカ合衆国というのは とにかく車社会で、大人であれば一人一台 車を持っているのは当たり前。
LA LA LANDの主人公二人でさえ その日暮らしの生活でも車はちゃんと持っていました。
そんな国でわざわざ長距離バスに乗るなんていうのはよっぽどお金がない人か、旅する若者なわけです。
『Another day of sun』の冒頭では、スターを夢見た女の子が恋人を置いてグレイハウンドで都会へ向かった、そんな日のことを回想しています。
何というロマン、私もぜひこれに乗りたい―!というわけで乗ってきました←
乗車券の購入方法
今は時刻表もチケットもインターネットでさくっと照会・購入できてしまいます。
味わい深さには欠けますが、当日駅に出向いても満席で買えなかった!とかいうことになると大変。
念のため公式サイトにて事前に購入しました。
ルートはテネシー州ナッシュビルから同州メンフィスまで、およそ4時間。
出発地・目的地・乗車日を入れると、発車時刻と金額が表示されます。金額は流動的で乗車日や時間によってけっこう開きがあります。
インターネットで購入すると乗車時間の2時間前からチェックインが可能。
そこで「表示されたEチケットを印刷して持参せよ」との指示がありますが、スクリーンショットで十分事足りました。
結局チケットのバーコードをスキャンするだけで、紙でもスマホ画面でも同じことですからね。
バスターミナル・乗車手続き
さて、ナッシュビルのグレイハウンドバスターミナルに到着。
待合室には独特の倦怠感が漂っており一瞬ビビりましたが、よくよく見ると自分と似たような旅行者の姿もあり安心します。
いざ乗車。遅れるのが当たり前だと思っておいた方がいいとの情報もありましたが、きっちり定刻通りの出発でした。
ボストンバッグを預けようとしたら「それは車内に持って行って」と言われました。トランクルームにはスーツケース等の大きい荷物しか入れてくれないようです。
でも車内に物置きスペースが少なく足元に置いとくしかありませんでした。狭め…
車内の様子
車内はほぼ満席で、やはり事前に買っといてよかったです。
出発前には運転手さんのご丁寧なあいさつと行程の案内が。
なんかアメリカの雑なイメージとは裏腹のサービスにちょっと面食らいましたし、想像していたような殺伐とした雰囲気もなくアットホームな感じ。
隣には白人のおじさんが。窓際に座っていたら「そっちにコンセントある?」と聞かれましたが、このバスには付いていないようです。
「古い車体に当たっちゃったなぁ」とおっしゃってました。
確かに我々が乗っていたのはわりと汚く、ニオイもけっこう独特…。そんなバスでもWi-Fiは飛んでましたけど。
このバスはナッシュビルからメンフィスなどを経由し、テキサス州ダラスまでを22時間で結ぶ路線。
隣のおじさんはダラスで乗り換えて、さらにバスで4時間かけてオースティンまで帰るとのことでした。
あの、日本より遠いんですけど…なぜそこまでしてバスでナッシュビルに…?
休憩
バスはジャクソンという町に一度停車し、15分ほどの休憩があります。
バス停…というかガソリンスタンド脇のスペース。
バスの中にもトイレはありますが全員スタンドのトイレに行ってました。売店で買い物もできます。
この後メンフィスには定刻通り到着!
隣のおじさんに「君がskinnyでラッキーだった」と言われましたが、おじさんも標準体型だったおかげで快適でしたよ~。笑
Amtrak(アムトラック)
乗車券の購入方法
お次は電車旅!
一般企業のGreyhoundとは異なりAmtrak(アムトラック)は公共企業体。JRのようなものでしょう。全米を結ぶ鉄道網を有しています。
こちらも切符は公式サイトで購入可能。
私の乗る路線のシートクラスはコーチシート(Coach Seat)とプレミアムの二種類でした。コーチが通常の座席、プレミアムが寝台車両(個室)です。
今回はテネシー州メンフィスからルイジアナ州ニューオーリンズまで、9時間の旅!
朝出発なので、寝台ではなくコーチシートで。上部(Upper)と下部(Lower)があり、何となく景色の良さそうなUpperにします。
ちなみに寝台車には食堂車両での食事が含まれています!コーチシートの乗客も、乗車後に予約すれば別料金で食堂車両を利用できるそうですよ。
駅・乗車手続き
午前6時過ぎのメンフィス中央駅。これまたずいぶん殺風景な…
改修中か何かでメインの駅舎には入れませんでした。それで駐車場から直接プラットフォームに入るような事態になっていたようです。
ホーム上の係員にEチケットを見せるとこの札を渡されました。用途は不明…
アムトラックの乗車券もQRコード読み取り式なのですが、駅のマシンで正式な切符を発行できるとのネット情報を得ていました。
が、今回駅舎に入れなかったため、メンフィス駅にもそういったマシンがあるのかは不明です。
ホームすぐ横の待合室。
ここで出発ギリギリまで待ってから列車に向かうと、係員に「出発するよ!」と急かされました。そして私が乗り込むやいなや発車…何かすみません。
Amtrakも遅れるのが普通、という話だったので少々意外でした。むしろ定刻より早く出たんじゃないのという疑惑すらあります。
座席(Coach Seat)
乗車の際に手書きで座席番号が記されたカードを渡されたので、そこに座りました。
リクライニングがゆったりで ほぼほぼフルフラット!飛行機のエコノミークラスよりよっぽど快適…
コンセントもついてます。アメリカのコンセントは日本のと同じ型なんですね~。
車掌さんが定期的に見回りに来ます。おしゃべりしながらリズミカルに切符をチェックする楽しい人でした。
全然離れた席のお客さんが返事したり、何か小学校のホームルームみたい。
アメリカにいればこういうフランクなのもいいですね。日本の新幹線がこんな感じだと疲れますが。
ところでこの列車、定刻より30分近く早くニューオーリンズに到着したのです。
途中で車掌さんが満面の笑みで現れ「皆さんにハッピーなお知らせ!ニューオーリンズには○分に到着見込です」とアナウンスし、一同大いに沸きました。
Amtrakは数時間遅れが当たり前と聞いていたので拍子抜け。よっぽど運が良かったのか…まぁ大変ありがたいことですが。
給水機もあります。
下の階にトイレ・荷物置き場がありました。荷物は事前に申し出ればラゲッジルームに保管してくれるようでした。
Wi-Fiも飛んでいたようですが使い方はイマイチ分からず。
ラウンジと売店
いくつか車両を抜けていくとAmtrak名物のLounge Carにたどり着きます。
両側が一面の窓になっており景色を楽しみながら談笑できる車両。
ただただ外を眺めてぼーっとしたり、ケルアックの『オン・ザ・ロード』を読んだりもできるわけです。
▲もうこういうのを読むお年頃でもないのですが、アメリカで読んでいると胸がキュッとなってたまらなくなる瞬間が何度もありました。この土地のなせる魔法のせい?
私以外にも読書に耽る青年、毛布をかぶって爆睡している女子、カードゲームに興じる夫婦など皆さん思い思いに過ごしています。
コンセントもありますよ。
扉の向こう側は売店。
マルちゃんカップ麺やピザなどの軽食、コーヒーを買えます。
シナモンロールとコーヒー。何とシナモンロールは「温めますか?」と聞かれ、チンしてくれました。
正直、アメリカの鉄道会社にそんなおもてなしの発想があったことに驚き←
ラウンジカーでいただくこととします。贅沢。
おわりに
出発前は「サービスが悪い」とか「乗客の民度が低い」とか、散々な悪評ばかり耳にしてきたGreyhoundとAmtrak。
しかし実際はいずれのスタッフもきちんと仕事をしていましたし、他の乗客との交流もあって大変いい思い出になりました。
今回はアメリカ南部の"田舎"での利用だったので、これが大都市になるとまた変わってくるのだと思いますが。
旅情を味わうにはバツグンの手段ですので、ぜひ利用してみてください。
到着したらライドシェアで楽々移動
船旅もいいですよ!
おしまい