こんにちは、DEKAEです。
複雑な出自から、時折あちこちでニュースの主役となるクルド人。
独立国家をもたない民族であるクルドは中東の各国にまたがって暮らしていますが、迫害を受け第三国に移住することも少なくありません。
日本にやってきたクルド人が多く集まるのは埼玉県南部ですが、そこからほど近い北区十条にクルド人が営むレストランを見つけました。
十条/メソポタミア MESOPOTAMIA
概要
JR十条駅の南口を出てすぐに見つかるのが、インパクト大なメソポタミアの看板。
こちらが都内で、いやおそらく日本でここだけのクルド料理レストランです。
「メソポタミア」と聞くと、思い出すのはやはり歴史の教科書に登場した文明ですよね。
現在のイラク北部にあたる地域で、この辺りにもクルド人居住地(いわゆるクルディスタン)があると言われています。
「クルディスタン」の旗
クルドという民族を定義するだけでも論文が書けそうなボリュームですし、クルド問題を語るには多くの時間が必要。
この記事で触れることはしませんが、私がクルドに興味をもったきっかけは映画『マイスモールランド』でした。
左下に『マイスモールランド』のポスター
映画では、埼玉県に住むクルド人一家の生活が描かれます。
また、作中クルド料理が印象的な役割を果たしていますが、その料理を監修したのがこのメソポタミアなのだそう。
中東を中心に暮らす民族ということで、きっと食べものも私の好きな感じだろうと踏んで(←)訪れてみることにしたのです。
光の入る広いスペースはテーブルが狭いためおひとり様、もしくはパーティ向け。
以前はシーシャも提供していたようですが、現在はやっていません。
テーブル席も4卓ほどありました。今回は3人で訪れ、こちらのテーブルに陣取ります。
料理
ランチタイムにはクルド民族の伝統料理をセットメニューで楽しめます。
3種類のセットを注文して3人でシェアすることに。
牛ひき肉団子のブルグル包み揚げ(税込1,250円)。
見た目が少々地味かな?と思いきや、一口食べただけで口いっぱいに旨味が広がる驚きの一品!
スパイスはそこまで強烈でないのに、肉と野菜を中心にこれほどの味わいを引き出せるとは…
セットにはピラフも含まれています。ビーフンのような不思議な食べ物と一緒に炊かれていました。ピラフ単体でもほんのりエスニック風味が漂って美味しい。
ちなみにブルグルというのはトルコあたりで食べられているもので、デュラム小麦をそのまま茹でてから挽いたものらしいです。
あまりイメージが湧きませんが、パスタと同じ小麦を未精製のまま食べるので健康に良いみたい。
ラハマージュン(1,250円)。別皿でサラダも提供されます。
羊のひき肉をナンに挟んだものです。薄い生地のナンがパリッと焼かれており、ちょっと餃子的な趣もあって面白い。
肉と野菜の旨味をナンがいい具合に吸うので、生地の端まで食べ飽きることがなくどんどん進みました。
バーミヤ(800円)。オクラとひき肉のトマト煮込みという説明に偽りなしで、想像通り美味しい。笑
中東ではオクラが重要な食材のポジションを占めているイメージです。
一緒に盛られている羊飼いのサラダは少しピリ辛でした。
そして!メニューに記載があり、興味を引かれたヨーグルトスープ。+200~250円でセットに加えることができました。
爽やかな酸味が口直しにも最適です。
卓上の唐辛子をわっさ~と入れて飲むと、味わいがよりさっぱりします。
ランチセットとは別に「やっぱ羊食いたいよね」ということで注文した、ラムのもも肉のシシカバブ(1,800円)。
ピラフとナンが付きます。ナン単体で食べてもほんのり甘みがあって旨いのよね
ラムはジューシー柔らかでうまいっ。炭火焼きの香りがたまりませぬ。
チャイとデザート
日本でここでしか飲めないという、ピスタチオから作るノンカフェインコーヒーがメソポタミアのイチオシ。
当初はそれを頼む予定でしたが、クルドコーヒー(450円)なるものが気になったため浮気してしまいました。
こちらはコーヒー豆とピスタチオ豆をブレンドし、カルダモンやカカオ、バニラで香りづけをした複雑な一品。
同行者の注文したチャイは250円でした。
クルドコーヒーの銀の器も取っ手のないチャイも、熱くてなかなか持てないのが難点w
デザートにはクルミとゴマのケーキであるレワニ(450円)といただきました。舌の上でほろっとほどけるタイプの口あたり。
ナッツ系の香ばしい味が中心かと思いましたが、わりとしっかり甘いです。ココナッツも使われていたと思います。
いかにもお母さんが家庭で作るケーキといった素朴な味わいで、専門店のものとはまた違う趣がありました。
メソポタミア → 食べログ
営業時間は11:00〜15:00、17:00~23:00。月曜定休です。
※禁煙です。
おわりに
食事中も次から次へとお客様がやって来ていましたが、「初めてなのでよく分からなくて…」という方が多かったのが印象的でした。
クルド人と思われる店員さんが一生懸命料理の説明をしており、ここで文化が交わるんだなぁとほっこり。
私たちがクルドのために取れるアクションは限られていますが、まずは「知る」ことが一番大切だと感じます。
ぜひ、少しでも興味がある方は十条のメソポタミアで異文化への扉を開いてみてください。
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おしまい