Здравствуйте(ズドラーストヴィチェ)、DEKAEです。
ロシアにある世界遺産の湖、バイカル湖をご存知ですか。その風景があまりにも美しかったので是非ご紹介したいと思います。
バイカル湖
概要
バイカル湖(озеро Байкал)はロシア南東部に横たわる三日月形の淡水湖。地球最古の湖と言われています。
極めて貴重な生物の多様性を持ち、1996年には世界自然遺産に登録。
最大水深・貯水量・透明度の三つで世界一を誇るこの淡水湖は、その美しさから「シベリアの真珠」とも形容されます。
ロシア革命の折には追われた人々が凍結した湖面を横断しようと試みましたが、途中で氷が割れ多くの人が凍死してしまいました。
その数何と25万人!『バイカル湖の悲劇』と呼ばれ語り継がれています。
また「日本人の起源はバイカル湖周辺に生息していたブリヤート人である」という説もあり、不思議な魅力を湛えた地なのです。
今回ロシアに留学経験のある友人とロシア旅行することとなり、彼が最も訪れたい場所として挙げたのが、このバイカル湖。
私はそれまで知らなかったのですが、画像検索して一目ぼれ!行き先はあっという間に決まりました。
アクセス
日本から飛行機で行くのであればイルクーツクを拠点にするのがいいでしょう。
イルクーツクはシベリア連邦の都市の一つで、極東ロシアと中央アジアをつなぐ交通の要衝でもあります。
▲北京からシベリア航空(S7)に乗り継いでイルクーツクへ
これと言って見るべきところもないのですが(←)、教会やマーケットを見て回りました。
▲イルクーツク駅ではロシア軍の親睦イベントのようなものをやってました。意外と和気藹々…
いざバイカル湖へ
イルクーツクからタクシーで
バイカル湖には、このイルクーツクから乗合バスで行く方法が一般的。
ただ、何も調べていなかった我々はどこからバスが出ているかよく分からず…その辺でだべっていたタクシー運転手のオッサンと交渉し、連れて行ってもらいました。
途中でガソリン入れたり自分用のウォッカを買いに行ったり…まぁ自由なオッサン。
1時間程度の道のりで6,000円くらいだったかなぁ?失念しましたが2人ならそんなにバカ高くもなかったです。
夕焼けのバイカル湖
で、到着した途端目に入ってきた光景がコレですよ。
カメラに一切興味のないDEKAEが、コンデジのシャッターをポチっと押しただけの写真です。
まさに息を飲む美しさ。刻一刻と闇が深さを増していく中、本当にわずかな時間だけ見せてくれる表情に立ち会うことができました。
私わりとすぐ「生きてて良かった」と思う性質ですが、この景色を見た時は心の底からそう思えましたねぇ。
10分後にはもうこんな感じ。
最高のタイミングで到着するよう時間調整してくれた運転手のオッサン、ナイス!←
リストビャンカの宿
バイカル湖観光の拠点となる村はリストビャンカ。
「マヤークホテル」「ホテルバイカラ」などの立派なホテルもありますが、ゲストハウスもいくつかあります。
ゲストハウスは一部屋4,000円が相場でした。シャワー・トイレ付ツインの部屋で一人2,000円程度は嬉しい。
ただですね、我々が泊まった宿は前払いだったのですが、クレジットカード不可!
タクシーで現金を使い果たした旨を つたない英語で一生懸命説明する私に、宿の兄ちゃんが一言「No English!」
最終的に同行者がロシア語で説明してくれましたが、あわや宿無しの危機…
っていうかですよ。
同行者はロシア語が分かるくせに、まず私に現地人と喋らせようとしてくるわけです。決して自分が率先して話そうとはしない。
というわけで今回の旅路全般、私はやたらとコントみたいな状況に陥っておりました。
とまれ、このようにロシアの地方ではクレジットカードと英語には頼らないのが無難です。
奇跡的にマヤークホテル内にATMがあり、辛うじて稼働時間に滑り込めたため事無きを得ました。
ところでシベリアには蒸し風呂の文化があるようで、この宿でも「サウナあります」の張り紙がしてありました。英語で…。
同行者に通訳を面倒がられたため、体験できずに終わりましたw
朝のバイカル湖
宿から少し歩いただけで、この風景を独り占め。
真冬はカチカチに凍るため湖上を歩いたりドライブしたりできるそうです。
本当はそのシーズンに来たかったのですが訪れたのは4月下旬。さすがに普通の湖になっていました。
湖畔にはまだ氷が残っています。
なんだか美味しそうですね(?)
バイカルアザラシ
バイカルアザラシに会いに行こう
美しい景色だけでなく、バイカル湖に来た目的がもう一つありました。それがバイカルアザラシ<に会うことっ!
これは世界で唯一淡水域に生息するアザラシで、ほとんどがバイカル湖周辺に集まっています。肉食で、バイカル湖の食物連鎖の頂点に君臨するそうですよ。
野生に遭遇するのは奇跡的な確率だそうですが、ご安心ください。湖近郊のバイカル博物館で飼育されており、会いに行けます。
ただしこの博物館、中心部からは徒歩45分ほどの距離。我々の宿からは30分くらい歩いたかな。
バスで行くのがいいんでしょうけど、とにかく公共交通機関の分かりにくいことといったら。
歩くのがお嫌いなら、宿やインフォメーションに相談してみてください。タクシーもほぼ見かけなかったので…
バイカル博物館
大通りを歩いていくと左手にバス停があります。
ここから右手に見える坂を上がると博物館。看板などが分かりづらいのでご注意くださいね。
見失うと我々のように1時間以上歩いたところで気付き、引き返すということになりかねませんので…
さぁ、いよいよバイカルアザラシちゃんとご対面。
見てください このぷっくりとしたフォルム…分厚い脂肪は浮き具の役目も担うそうです。
水槽狭すぎでは?と思いましたが、二頭ですいすいと泳いだり、エサをもらうときには棒立ちになったり、とにかくかわいかった…。
しかしアザラシの一挙一動にはしゃいでいるのは我々二人だけ。他の人たちは一目見てさっさと次の展示に移っていきます…みんなコレ見に来たんじゃないの!?
世界最高の透明度を誇るバイカル湖ですが、近年温暖化や汚染により環境が変化しているようです。
バイカルアザラシが大量死…などという悲しいニュースを目にすることも。
まだ絶滅危惧種には認定されていませんが、何とか生き残っていってほしいものです。
カフェで朝食
博物館までの途上にあったカフェで朝食をとりました。
シベリアの郷土料理「ペリメニ」です。つまるところスープ餃子ですが、ディルをたっぷり入れることでロシアっぽい味わいに!
「TEA」と書いてあるメニューも頼んでみました。
てっきりジャムの入ったロシアンティーが出てくるものと思ってウキウキしていたら、ただのティーバックとお湯が…。
日本のロシア料理屋で出てくるロシアンティーは和製ロシア料理なんですって~がっかり。
シベリア湖畔ピクニック
オームリとハスキー
博物館から戻り、このエリアのメイン観光地に向かいました。マーケットがあり、多くの観光客で賑わっています。
▲おやつに食べた「オームリ」の燻製。バイカル湖の固有種です。
ローカルの皆さんは湖畔で日光浴を楽しんでおられますね。
▲シベリアで見たシベリアンハスキー!この強面で楽しそうに水浴びしています。もうメロメロ…
乗合バス
帰りはイルクーツク行きの乗合バスで。
このバスは一般車の駐車場付近から出発していますが、観光客風の人が沢山並んでいたのですぐに分かりました。けっこう便数も多いようですね。
かなりギュウギュウな状態で立ちっぱなしだったので辛かったです…しかも当然タクシーよりは時間がかかるので、1時間以上の長旅。
さらに自分の手からは先ほど食べたオームリの燻製のニオイが取れず、そのせいで酔いそうに…
どうやらこのバス、降りたいところで声を上げれば止まってくれるようです。我々はイルクーツクの中心地、人が沢山降りたところで降車。
▲「ストローバヤ」と呼ばれるカフェテリア形式の定食屋にて。りんごジュースとピロシキです。
イルクーツクの街は日が暮れてくると大通りでも急に人影が絶え、眼光鋭い人たちがあたりをウロつき始めます。夕方以降の散策は避けた方が無難でしょう。
おわりに
季節や時間によって全く違う表情を見せるバイカル湖。冬の凍った湖上ドライブも実現したい…。
ちなみに、周辺のお店のお姉さんに「どの季節が一番好きですか?」と聞いたら「秋」と答えてました。紅葉が綺麗なんだそうです。
ところでロシア人ってものすごく怖い人たちというイメージがありますよね。(まぁ国家としては間違いなく恐ろしいのですが)市井の人たちはすごくシャイで素朴という印象。
ムスッとしていても話しかけると破顔一笑してくれます。
たまに「ハァ!?」と言いながら凄い顔をされることもありますが、単純にこちらの言っていることが分からないだけのようです。笑
もちろん、世界最大規模の面積を誇るロシアの中でも、シベリア地方のほんの一部だけの話。
モスクワやサンクト・ペテルブルクのような大都市になるとまた全然違うんでしょうけどね。
この後、イルクーツクからモンゴル・ウランバートルへ!
おしまい