ボンジュール、DEKAEです。
香水好きなら誰もが一度は憧れるであろうフランスのメゾン、ラルチザン。
日本では取り扱い店舗が少なく、価格の面でもなかなか身近な存在とはいえないニッチ・フレグランスです。
かねてより気になっていたあの香りにひと嗅ぎ惚れし、秋の香水としてお持ち帰りしました。
ラルチザン L'ARTISAN PARFUMEUR
ラルチザン・パフュームは、フランスはパリで1976年に産声を上げた高級フレグランスメゾンです。
もとは創業者が天然香料を使った香水作りに可能性を感じたところから始まっていますが、現代では名立たる調香師たちがクリエーションに参加。
私は勝手にラルチ、ラルチと呼んでいますが、正確には職人を意味する「アルチザン」にThe的な役割のLがついた言葉です。
ブランド名に特定のイメージや人の名前がついていないことで、職人たちがかなり自由な発想で作品を生み出せている印象。
それぞれの香りが想像力をかき立てる名前と物語を与えられているのも魅力のひとつでしょう。
手軽にいろいろ試したい方には、香水のサブスクもありますよ!
日本にも一時期直営店が出ていましたが、現在はブルーベル・グループでの取り扱い。
販売は同グループ傘下のラトリエ・ド・パルファムが担い、全国の百貨店とWebで購入できます。
今回、ずっと気になっていた香りを都内某百貨店のフレグランスコーナーにて試してまいりました。
いじわるオオカミ Méchant Loup
はい出ましたっ
同メゾンでも高い人気を誇る、1997年発表のMéchant Loup(いじわるオオカミ)でございます。
可愛らしさと毒が共存する見事なネーミング。これに憧れすぎて、いつかは試してみたいと思っていた作品のひとつです。
「香水何使ってるの?」「ん?『いじわるオオカミ』」
ってもう、死ぬまでに一度は言いたい台詞だったわけですよ。誰に言うの?
これまで百貨店の香水売り場を覗いても置いてないことが多かったのですが、ついに出会えました!
トップに香るのはペッパー。何てったって私、コショウのにおいだ~い好き。
ミドルノートはクリとヘーゼルナッツ。秋のスイーツ…ではなく乾いた木のにおいを表現しています。まさに空気がひんやりしてきた時期にぴったり。
ラストはウッディ調なんですが、ミルラやガイアックなど聞き慣れない成分が並びます。
ムエットにつけてもらった香りも期待にそぐわず、実際肌に乗せてもらったら…あっもう好きです!ってな感じで即決。
体温高めの私の肌の上では薬草のような香りがずっと漂っています。温もりの中でちょいとピリッとするのがとても好みです。
そのままフラ語読みの「メシャン・ルー」も洒落た響きだぁ~
私どっからどう見ても羊系でオオカミ要素は微塵もないんですが、意地が悪いことは間違いないのでいいですよね←
本作品はオードトワレのみですが、100mlの瓶しかないのは想定外であった。ただ案外香りの飛ぶのが早いので、朝夕2プッシュずつぐらいでちょうど良いです。
調香師はベルトラン・ドゥショフール。ごめん名字は一生覚えられない
彼のラルチ作品では「イスタンブールの空」と「タンブクトゥ」も気になっておる…
ボトル好きすぎる問題
ラルチザンといえば何といっても瓶のデザインが好きなんすよね、この不思議な七角形が知的に見えるというか。
そして蓋!やたらと重く高級感があります。閉めるときに少しこもった「コッ」という音がするのも心地良い。
実はこのボトル、2016~2017年にブランド40周年を記念してリニューアルしています。
以前は透明な瓶にカラーラベル、そしてゴールドのキャップだったのが、薬品を思わせる現在の姿に。
往年のファンからは不評だったようですが(笑)おじさん的には今の無骨な見た目のほうが所有しやすいです。
私の中のボトル二強はラルチとトム・フォード先生だなぁ
その他の候補
ティー・フォー・ツー Tea For Two
紅茶の香りも間違いなく好きなので、こちらも肌に乗せてもらいました〜。
確かにスモーキーな紅茶の香りが非常にエレガント。ブルガリ・プールオムが名香中の名香であることは疑いようがないけれど、あれとは少し違います。笑
が、個人的にエグみのようなものを強く感じたので購入は見送りました。
ラストノートでずっと残ってたので何だろうと考えていたのですが…チョコレートか古い木か、はたまた鉛筆の芯を削ったときみたいな?
それ単体では嫌な感じはしないものの、ずっと嗅いでると酔うタイプのやつでした。
成分を見るとタバコ・バニラあたりが怪しい。単純なティータイムというよりは大人同士が密談をしている場末のラウンジって感じですね。
無難な人間に見られがちだけど、実は一癖あるんだぜというアピールが欲しいときにはいいかも。
地獄通り Passage D'Enfer
試供品で頂いたやつ。オードパルファンもありますが、こちらは1999年発表のオードトワレです。
フランス語で「地獄通り」を意味するツヨツヨな名前ですが、70年代にラルチザンの本社があった通りの名なんですって。そういうの良いですよね。
プッシュした瞬間に鼻にツンとくる花の香り。ローズとジンジャーがくっきりとした華やかさで飛び出します。
ミドルノートはユリとお香ですが、着想源はにおいのほとんどしないヒガンバナなんだとか。ラストノートも白檀とムスクで、なんとなくアジアンテイストです。
強烈な名前に対し、天にも昇る穏やかなトーンというギャップが魅力。天というより浄土?
個人的に寝るときは無臭派だったんですが、これは寝香水にしてます。超上質なお香を焚いている感じで非常に落ち着く。
同じウッディ調のメシャン・ルーと組み合わせると、より複雑に香りが立つようになりました。
調香師はオリヴィア・ジャコベッティさん。ティー・フォー・ツーもこの人の作品です。
ちょうちょをつかまえて La Chasse Aux Papillons
これも名前に惹かれてムエットだけ試させてもらいました。こちらもオードトワレのほう。
ひと吹きすると、わあっ!とってもフラワリィ!←
文字通り満開の花畑でちょうちょを追いかけるイメージで、春爛漫というのが第一印象です。
とはいえ軽すぎず、大人のための童話のよう。フローラル調でこの世界観を表現したのはシンプルにすごいと思う…
めちゃくちゃ好きな香りではあるんですが、あまりにも私のキャラクターとかけ離れているので使うのはしんどい。透明感あふれる可憐な女性♡ってな感じで。
おわりに
ラルチザンのラインナップ、全体的に私の肌からは3時間ともたずにぶっ飛びます。コスパの面では体温高めの人には分が悪いか。
それでも、いじわるオオカミは嗅げば嗅ぐほどもっと嗅ぎたくなるような依存性のある香り(言い方)。手放せない予感です。
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おしまい