ニッチでごめんね

A pulp information about lesser-known world

サプンツァで世界一陽気な墓参り【ルーマニア・マラムレシュ地方】

ブナ・ズィーワ(こんにちは)、DEKAEです。

突然ですが、『陽気な墓』をご存じですか。

墓に陽気も何もという感じですが、そんな突拍子もないものを観光名所にしてしまった小さな村に行ってきましたので、ご報告。

▼この墓のあるルーマニア・マラムレシュ地方の概要についてはこちらをご覧ください。

ヨーロッパ最後の中世・マラムレシュへようこそ

サプンツァの村へ

シゲトゥからサプンツァへ

シゲトゥ・マルマツィエイ。この舌を噛みそうな地名の場所が、マラムレシュ県第二の都市…町?です。

ヒッチハイクでこの町まで運んでもらったDEKAE。

人生初のヒッチハイクはわりと強烈

今度はタクシーを拾い、『陽気な墓』まで連れていってもらいます。

『陽気な墓』があるのは、シゲトゥから車で20分程のサプンツァという村。

ドライブ中、運転手さんが道路の向こうの川を指さして何かを言っています。

このシゲトゥ・マルマツィエイはウクライナとの国境の町。川の向こうは外国なんだと言っていたのですね。

後で乗った寝台列車の車掌さんも同じことを言っていました。この町の人にとっては自慢の種なのでしょう。

私も地元下関に友人が遊びにきた際「この海を渡ると九州よ、めっちゃ近いやろ」と必ず説明しますので、その気持ちよく分かります。笑

タクシーは『陽気な墓』の真ん前へ。運転手さんが紙に数字を書きながら何か言ってきます。

おお、何時間か後に迎えに来てくれるということですね。ぜひぜひとお願いしておきました。

陽気な墓へ

さて、いよいよ『陽気な墓』潜入です。

わざわざブログに書いておいてナンですが、この時の感動はちょっと言葉に表せそうにありません。ただただ墓地内を笑顔で駆け回っていたことだけは覚えています←

いくつかお墓の写真をば…

職業や肖像画ですかね。

死因…?不謹慎ながら…シュールです。

一番人気と言われているお墓がこちら

もはや全く意味が分かりません。

これ、故人の生前の絵と詩が木に彫られているわけですが、墓職人のパトラッシュさんという方がデザインも詩も考えられていたんだそうです。

自分ならどうやって描いてもらおうかな~なんて考えてみたり…

日本のテレビの取材も来たらしい。

パトラッシュさん自身もすでに亡くなられて、現在はお弟子さんが跡を継いでいるんだとか。

近くにある工房にも行ってみましたが、誰にも会えませんでした。

この陽気な墓はロック界隈で結構人気らしく、この日もパンクなお姉さんがいました。

刺青とピアスだらけのヒッチハイクのオッサンにも薦められたしね。

大満足で墓参を終え、タクシー運転手との待ち合わせ場所に座っていると、向かいのキオスクのおじさんに声をかけられました。

彼は運転手の友人で、何と「日なたは暑いから店で待ってなさい、運転手とは話してある」と言ってくれたのです。

英語が得意でなくて申し訳ないと言いつつ、家族を紹介してくれたりと素敵なおじさんでした。

気をきかせて買い物の一つでもすればよかったものを、ただ休ませてもらっただけの私…

運転手さんは時間通りに迎えにきてくれました。

シゲトゥ・マルマツィエイに戻り、ウクライナとの国境まで連れて行ってもらいます。

20分海外旅行

そう、シゲトゥ・マルマツィエイの川の向こうは もう隣国ウクライナ。この川を歩いて渡り、ウクライナに入国することができるのです。

島国日本に生まれ育った私にとって、徒歩で国境を渡るとは何ともロマン溢れる体験。

(下関市から北九州市まではしょっちゅう歩いて往復してましたけど)

イミグレーションは一体どんな感じになるんだろう…とワクワクしていたら、驚くほどさっくり通過。

物騒な事件が多く移民がデリケートな問題になった昨今、こんなスルーパスで大丈夫なんでしょうか。完全に余計なお世話ですけど。

とまれ、国境の川にかかる橋をわたります。

キョロキョロしているのはおおよそ私だけ、後の人はフッツーです。

コンビニにでも行くような顔で、荷物も持たずチャリで渡っているような人がほとんど。

ウクライナ側の国境の町、ソロトヴィノまではあっという間に到着です。

ここからはキリル文字になりますし、何というか…ガードの皆さんが圧倒的にコワい。

鉄拳という格闘ゲームのキャラクターであるア○ナ・ウィリアムズ似のスラヴ美女によるパスポートチェックを受けます。

ア「何しに来たの?」
私「サイトシーイング」
ア「ハッ」

鼻で笑われました、ア○ナ・ウィリアムズ的スラヴ美女に。黒髪パッツンで鼻ピの彼女…一定層の男性陣を壊滅的に惚れさせてそう。

ソロトヴィノをサイトシーイングするべくウロウロしてみましたが、まぁア○ナさんが鼻で笑うのも納得な感じで、20分で引き返しました←

でもやっぱり雰囲気が全然違う。ルーマニアの人たちと比べたら、殺られそう感がすごい。笑

帰りはムキムキなガードがパスポートを見て、「ヤーパン?コニシュワー」(コンニチワと言いたかったらしい)とにこやか。

手荷物検査もちらっと見て「はい良いよ~」ってなもんです。

私20分しか滞在していない不審極まりないアジア人です。再度、大丈夫かこの国境。

後から知ったことですが、ウクライナって学校の授業で日本の俳句についてかなり深い教育をするそうですね。

日本人だから大目に見てくれたのだとしたら、先人たちに感謝です。

ウクライナから出てくる際に免税店もありましたが、酒とタバコと菓子程度しか売られてませんでした…

ま、パスポートにウクライナのスタンプがもらえたので満足です。

おわりに

最高すぎるお墓参りをした後は徒歩での国境越えも達成し、ダブルでテンション上がりまくった一日。

当初の目的であったフォルクローレ研究のみならず、バラエティ豊かな体験ができました。

思い出たくさんのマラムレシュです。はぁ、また皆さんに会いたいなぁ…

関連記事

www.niche-dekae.com

 

おしまい