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台湾の民族「客家人(ハッカじん)」の客家料理【台湾・内湾】

你好(リーホウ)、DEKAEです。

台湾のローカル線「内湾線」の終点、内湾駅にやってきました。

この辺りは「客家人」と呼ばれる民族が多く住むエリアであり、独自の文化が残っています。

その文化を最も手軽に知るツールはやっぱり「食」!てなわけで、内湾駅で客家料理を体験してみましょう。

客家人(ハッカじん)

台湾北西部の新竹県あたりに多く住むと言われる客家人は、漢民族の一分類とされています。台湾に住む客家人は、中国大陸から渡ってきた人たちということですね。

周知の通り漢民族は「華僑」として世界中に広がっており、世界の四大移民集団の一つとも言われます。

中でも客家人と呼ばれる民族は、「客」の字に読み取れるように部外者扱いを受けてきた人々。

台湾にあっても原住民との軋轢があり、あまり歓迎されてきたとは言えません。

現在の台湾においては、純粋な原住民が減ってきているものの…中国と台湾を見て分かる通り、民族的な葛藤が完全に克服されているとも言えないのでしょう。

とはいえ、客家文化が色濃く残る新竹県を通る内湾線は、台湾人観光客にとっても大人気の路線。

ここで客家文化に気軽に触れる台湾人も多く、観光で訪れる分には非常に和やかな雰囲気です。

そんな新竹県の内湾駅にデイトリップで訪れたDEKAE。中でも今回は、客家人が食す「客家料理」を楽しんでみたいと思います。

台湾のローカル鉄道!内湾線でいく新竹→内湾の旅【台湾・内湾】

客家料理(ハッカりょうり)

概要

客家料理は、濃い味付けが特徴のひとつと言われています。

ご飯のおかずとして食べることが前提の料理が多く、醤油ベースの甘辛い味付けが多いため、日本人の口にも非常に合うのですよ。

ただし、私のようなおひとり様には一つ問題があってですね…

というのも、客家料理は大人数で食べることを前提としているのです。大皿に乗った料理が提供され、それを複数人でつつくのが一般的な食べ方。

まさに中華料理のイメージですよね。

実際、客家料理店の多くが、3~4名以上での利用を想定したセット?コース?のようなメニューばかり。2名以下では何となく入りづらい…。

ま、内湾駅周辺の飲食店には観光客向けのものも多く、台湾的な量で提供してくれる店も多数あります。その点安心できました。

粄條(バンジョウ)

さて、手始めにランチで頂いたのは粄條(バンジョウ)です。

きしめんのような平べったいうどんがぶつ切れになったような感じ。これ、米粉の麺かなぁ?プルンとしたのどごしで大好きなやつでした。

下に醤油ベースのたれが沈んでおり、もやしやネギと混ぜて頂きます。

甘辛く煮た牛肉とも相性バツグンで、間違いない美味しさ。

同じ店でいただいた魚丸湯(魚団子のスープ)。

シンプルな鶏ガラスープでほっとする味わい。魚団子は歯ごたえしっかりで、つみれというよりは団子と呼びたい食感ですね。

団子は切れ込み入りで、噛み切りやすくなっています。

擂茶(ライチャ)

擂茶(ライチャ)、これが最も客家的なものではないでしょうか。

20種類ほどの穀物類をよくすり潰し、烏龍茶やお湯と混ぜて飲むというもの。

ドロリとした飲み口の後、穀物の優しい甘さが全身に染みわたっていく新感覚スイーツです。何となく、体に良さそうな感じもグッドですよね。

てっぺんに乗っかっているのはポン菓子!濃厚な擂茶の合間に、シャリシャリという軽やかな食感も楽しめました。

擂茶を出す店では、自分で穀物をするところからお茶づくりを体験できる「擂茶DIY」を提供するところが多いんです。

私もできれば試したかったのですが、これがかなりの重労働。すり潰す作業に1時間ほど要するとのことで、今回は時間が無いので諦めました。

…というわけで普通に擂茶を注文すると、ミキサーのガーっという音が(笑)数秒で粉砕完了〜。スムージーって感じですね。

客家精粑(ピーナッツ餅)

擂茶を注文した後、お店のお母さんに「モチ!スゴイオイシイ!」と半ば押し売りのように注文させられたモチが、スゴイオイシイかったのですよ。

これは客家精粑というもので、やはり客家特有のデザート。

ぶりゅんぶりゅんの半透明の餅に、砂糖と砕いたピーナッツをたっぷり絡めていただきます。

食べ方にお作法があるようで、はじめにお母さんが実演してくれました。

箸を餅のあっちとこっちに立て、互いを交差させるようにスーッと引きます。餅をひねってちぎるイメージですね。

中ぐらいの塊に切り出した餅を、同じやり方で細かく切ってゆき、白玉ほどの大きさにします。これに砂糖とピーナッツを絡めて食べるというわけ。

この作業、意外と難しいんです。途中から面倒になり、餅の中心に箸をブッ刺して乱暴に引きちぎり始めました。

すると見かねたお店のお父さんが再度実演してみせてくれたので、以降はその通りにやりましたよ(笑)

一度コツを掴むと面白いようにスーッと切れてくれます。

擂茶と客家精粑は、台湾でもう一度食べたいものランキング上位に入っています。押し売りおすすめに従って良かった~。

伺ったのは、駅から少し歩いたところにある阿珠擂茶さん。

台湾人カップルが擂茶DIYをしていて楽しそうでした。私も次回はチャレンジしよ~

ちなみに、粄條を食べたのは隣の「和成美食部」です。

野薑花粽(ちまき)

新竹県では「野薑花粽」というちまきも名物ということで、内湾にもちまき屋が沢山。

どこが良いか分からないので、内湾駅の目の前にあったお店で買ってみました。帰りの電車が来るまでの間、駅前のスペースでいただきます。

ちまきというより「おこわ」でしょうか。鶏肉入りです。赤いソースは少しピリッとしており、かけるかどうかを尋ねられました。

野薑花とはハナシュクシャというショウガ科の植物のことだそうで、その葉で巻かれているんでしょう。

イメージ通りのご飯の味に、葉っぱのスーッとした香りが移って美味です。

が、ピーナッツ餅を食べた後にもち米っていうのが暴力的でした。空腹で食べたらもっと美味しいはず…

有名どころ

内湾戯院

客家料理を出す店として観光客に最も人気なのが内湾戯院。建物の入り口付近はお土産屋、奥がレストランになっています。

このレストラン、天井が高く非常に雰囲気が良いのみならず、お店のスクリーンで昔の映画をずっと上映しているのです!

それもそのはず、「戯院」とは映画館のことで、ここは古い映画館を改装した建物。

唯一無二の空間で客家料理が堪能できて魅力的…なのですが、この時かかっていた映画は青春もの?

画面では若者たちがひたすら殴り合っており、食事中に流す映画としてはいかがなものかとw

内湾茶堂

こちらも有名な内湾茶堂。古民家カフェといった趣です。

台北にも支店があるほどの人気店だそうですよ。台北にしか滞在できないけれど客家料理を試したい、という方は「晉江茶堂」をチェックしてみてください。

吊り橋の向こう

内湾はこの吊り橋も観光名所の一つ。

帰りの列車が来るまでには最短でも1時間ほどありますから、吊り橋を往復するだけの時間は十分あります。

この吊り橋の向こうには、洒落たカフェがいくつか点在。

軽井沢の別荘みた~い

台湾って中国と比べると、お茶だけでなく珈琲を楽しむ文化も定着してますよね。

なんかハチミツを売ってたんですけど…その黄色い板にくっついているの、全部ミツバチですからね。

道路上にもめっちゃ飛んでいてマジで恐かったです。

おわりに

客家料理の全体的なイメージとして、やはりコメが中心になっているという印象を受けました。日本人の味覚にあうというのも納得。

複数人で行って色々な料理をシェアする、というのもいつかやってみたいです。

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おしまい