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N響×ステファヌ・ドゥネーヴ×レスピーギ『ローマの松』

こんにちは、DEKAEです。

2019年のオケ初めは『ローマの松』。苦節〇〇年、大好きなこの曲を初めて生で聴きます。

 

ローマ三部作とオットリーノ・レスピーギ

私こと ティーン時代は吹奏楽部に所属しておりました。

ブラバンキッズだった方には共感いただけると思うのですが、レスピーギと言えばアレンジもの(管弦楽曲を吹奏楽用に編曲した作品)の大定番。

ローマの祭り・噴水・松の『ローマ三部作』はもちろん、『シバの女王ベルキス』なんてのも全日本吹奏楽コンクールの録音をよく聴いたものです。

しかしこれがオーケストラとなると実演の機会が少ない!

何にせよ編成が巨大すぎて…やっぱりお金の問題ですかねぇ。

またオットリーノ・レスピーギ(1879 - 1936)はファシズム全盛の時代を生きた人です。強烈な愛国者でムッソリーニの支持者だったという説もあり、それが何となく現代の演奏頻度にも影を落としているのではというまことしやかな噂もありますが…まぁこれはよく分かりません。

(ヨーロッパ界隈ではどの程度 演奏されているものか気になるところです)

ともあれ今回N響定期で『ローマの松』をやると知り、非常に楽しみに出かけてきました。曲目は以下の通りです。

・バレエ組曲「バッカスとアリアーヌ」第二番/ルーセル

・チェロ協奏曲 第一番 イ短調 作品33/サン・サーンス

(休憩)

・序曲「ローマの謝肉祭」作品9/ベルリオーズ

・交響詩「ローマの松」/レスピーギ

 

ローマの松

最高。

2019年始まったばかりですが…もうこれが今年のベストアクトでいいよってくらい、一体感と迫力に圧倒されました。

<Ⅰ ボルゲーゼ荘の松>冒頭のきらきらはステレオ効果のように左右から異なる楽器の音が聞こえ、立体的。オーケストレーションの妙というか…楽器の座位置も考えられてそうなっているのだとしたら 尋常ならざるこだわりっぷりです。

<Ⅱ カタコンブ付近の松>は迫りくるような緊張感がありつつも音量はコントロールされていて荘厳な趣。巨大な絵巻物が眼前に現れるようでした。前半のピアノと銅羅カッコいいですよね〜〜〜

<Ⅲ ジャニコロの松>各ソロが素晴らしかったっ!心地よい浮遊感。鳥は、以前のシュトラウスのワルツと同様ティンパニストの植松さんが鳥笛を吹くのかと思っていたら違いました←

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とのことです。立派な蓄音機でした。あの鳥はナイチンゲールっていうんですね。

<Ⅳ アッピア街道の松>では演出にも凝っていました。

ナイチンゲールがさえずり始めて夜が明けたことを告げるように、下手側の上部、撮影機材などが入るスペースにスポットライトが。

イングリッシュホルンのソロと入れ替わりに古代ローマ軍の行進が遠くに聞こえ始めると、照らされたカーテンが少し開いてバンダの登場を予感させます。

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しかし、次の瞬間バンダが登場したのは上手側のオルガン脇ではありませんか!!

どういうこと?と思っていると、カーテンの奥からオフステージ・バンダのファンファーレが聞こえました。やがてカーテンが全て開くと中から奏者が現れ、上手側・下手側のバンダが勢ぞろいします。

そこからはもう、正面&左右からの音のシャワー。降り注ぐファンファーレ、親の仇のような高音楽器群のトレモロとトリル、執拗に打ち鳴らされる銅羅。座ったままなのに動悸が激しくなりすぎて呼吸も苦しいほどに。

や、大げさですが本当にそんな感じだったんですよ!笑

そして何と言ってもラストが王道かつ劇的ですよねぇ。最後まで心を鷲掴みにされたまま「終わったー!」と叫びたくなる、文句なしの終わり方。

今まで録音でしか聴いたことがなかった分、知らなかった音にもたくさん出会えました。<Ⅰ>から<Ⅱ>に移行するとき あんな場面転換の効果音(ハープ)があったなんて…交響詩なので情景描写が主ですが、とりわけ楽章の境目ではスーッと次の場面に切り替わっていくのが目に見えるようで劇伴音楽のようにすら聞こえます。

いや~見事に浄化しました。好きすぎてほとんど暗記するほど聴いてきたこの曲。これほどのカタルシスを味わえるのが やっぱりオーケストラ生演奏の醍醐味ですね。

 

ステファヌ・ドゥヌーヴ Stéphane Denève

今回、ローマの松はもちろんですが他も全部良かったんですよ。

指揮はフランス出身のステファヌ・ドゥヌーヴ。

f:id:niche_dekae:20190112234742j:plain(Philharmony 第91巻第1号)

恥ずかしながら今日まで存じない方でした。

良いですね~いかにもフランスの芸術家然とした立ち姿。ソバージュ…じゃないと思いますが このフワフワの髪を振り乱しながらタクトを振ります。

一曲目のルーセルからおフランス的狂気が炸裂。華やかなサウンドの中で小太鼓とタンバリンだけボテっとしてくすんだ音色だったのが古代神話っぽくて非常に良かったんですが、あれは指揮者の指示か演奏者側の判断なのか。

サン・サーンスのコンチェルト、ソリストはゴーティエ・カプソンという王子様ルックな若手の方。豊かな響きのソロでした。アンコールは同じくサン・サーンス『白鳥』。何ていうか期待を裏切らないチョイスですよね。こちらも繊細なデュナーミクで美しかったです。

まさかのマエストロによるピアノ伴奏。以前のN響定期でフランソワ・ルルーがR.シュトラウスのオーボエ協奏曲をやった後、アンコールの伴奏をマエストロ・アシュケナージがやってくれて非常に感動したのを思い出しました。

んで後半にまずベルリオーズをやったんですが、私個人的にベルリオーズ苦手なんですよ。にもかかわらずすっげー楽しかったんです。この人の色彩感覚が自分にすごく合ってるのかもしれません。

ものすっごいどうでもいい話なんですけど、Google検索で[Stephane Deneve]と入れると予測キーワードで[wedding]と出てきました。クリックしたら本当にこの人の結婚式の画像が出てきて笑った。←

奥様はスウェーデンの方なんだそうです。

 

おわりに

2019年の幕開けをすばらしい「松」で飾ることができて大満足、実にめでたい。

この際 年末の第九と共に「ローマの松」を毎年始にやることにしたらいかがですか?

 

▲ぜひ所有しておきたいトスカニーニ盤!モノラルですが今でも名盤と言えばこれを挙げる人が多いですよね。トスカニーニは明確な反ファシズム派でしたが、レスピーギを称賛し取り上げ続けたという胸アツな逸話も。

 

▲こちらは話題沸騰中のバッティさん。これ聴くともう「やったれやったれ!」というニヤニヤが止まりません。音質も非常にクリアなので初めてローマ三部作の音源購入を検討している方にはこれをおすすめします。

 

おしまい

 

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