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ザリガニにオイスター!美食の街ニューオーリンズのグルメ事情【アメリカ合衆国南部】

こんにちは、DEKAEです。

アメリカ合衆国でも極めて珍しい「美食の街」として知られるニューオーリンズ。その一風変わったグルメをご紹介します。

ケイジャン料理とクレオール料理

ニューオーリンズはアメリカ合衆国内でもかなり特異なミックスカルチャーを有する街。

歴史的にフランスとアフリカ、さらにイタリア・スペイン・中南米などの文化を吸収してきたためで、その独特の文化はケイジャンやクレオールと呼ばれています。 

料理もしかり。二つの明確な線引きは難しいのですが、大方のところ…

ケイジャン:元はフランス人末裔を指す言葉。どちらかというと野性味のある料理で、色の濃いソースが多く使われる。

クレオール:イタリア・スペイン等に強く影響されており、トマトソースなど都会的な調理法をもつ。

現代ルイジアナ料理ではこの二つの調理法が混ざっていると考えられています。

では、早速ニューオーリンズグルメを見てみましょう。

Poboy(ポーボーイ)

ポーボーイ(Poboy)はpoor boyの略。文字通り貧しい労働者に振る舞われたのが最初で、フランスパンに小エビなどのフライを挟んだものです。

ニューオーリンズにおいてはB級グルメかつソウルフードの位置づけのよう。専門店はもちろん、あらゆる売店・ダイナー・レストランでお目にかかれます。

Parkway Bakery & Tavern

中でもとりわけ評価の高いポーボーイ専門店が、Parkway Bakery & Tavern。オバマ元大統領も訪れました。

その名の通りパン屋使いも居酒屋使いもできる店で、テラス席も含めるとかなりの大箱です。

街の中心部からは少し離れたところにポツンとあるので、車なしではなかなか行けないかも…。私はたまたまこの付近に宿を取っていたので立ち寄れました。

が。この日は大晦日のため早仕舞で、ちょうど到着した時刻に閉店するという惨事…

せっかくならポーボーイを食べたいので宿近くのガソリンスタンドで購入しました。アメリカの大方のスタンドにはコンビニ的な売店が併設されているのです。

超王道の小エビ(シュリンプ)入り。サイズがよく分からず16インチを注文したら40センチもありました。

32インチとかいうのもあったけど どういう食べ物なのそれ…

お味の方はある意味期待通りというか(笑)パンがもっと美味しいと良かったんですけど。

本当はParkway Bakeryでキャットフィッシュ(ナマズ)のポーボーイを食べる予定だったのですよ…ぐすん。

Gambo(ガンボ)

ニューオーリンズ、そしてケイジャンの象徴とも言えるのがガンボ。オクラや数々の香辛料で仕立てられたとろみのあるスープです。

Oceana Grill

ガンボもあらゆるレストランで食べられるのですが、今回お邪魔したのは観光客に大人気のOceana Grill

もはやフレンチ・クオーター内の見所の一つのような感じです。

常に行列ができているのですが、アメリカのレストランには素晴らしい制度があります。それがバーカウンターにおけるfirst-come-first-served

人気店ですと、テーブル席は予約するか並んで待つ必要があります。

しかし、多くのレストランにはバーカウンターが併設され、ここでは「先に来た者が先にサーブされる」つまり先着順。

そして、バーでもテーブル席と同じフードメニューを頼めることが多いんです。

Oceana Grillでも並んでいる人を尻目に「バーに座っても大丈夫ですか?」と尋ねたところ「ええ、first-comeですよ」と言われ、全く待たずに着席できました!

これはアメリカのインターネット掲示板でもsolo dining(一人飯)の項目で推奨されている裏ワザで、けっこうな高級レストランでも使えるところがあるようです。

リキュール類が並ぶ正真正銘のバーですが「アイスティーください」でも全く問題なし!ただしバーに座った時点でIDチェックはされますので、パスポート等はお忘れなく。

フードメニューもバッチリ揃ってます。早速ガンボをオーダーしちゃいましょう。

見た目は麗しくないですが、色々な素材が煮込まれていて滋味深いです。アメリカでこんな複雑な味わいのスープがいただけるとは思っていませんでした←

ベースとなるのは魚介ダシ。かなりワイルドな風味だったので、恐らくケイジャンに欠かせない食材であるクロウフィッシュ(ザリガニ)でしょう。

オクラとスパイスの風味で臭みが取れていて美味しい。白いのはコメです。

Oyster Rockfeller(オイスター・ロックフェラー)

Oceana Grillでもう一つ名物料理をオーダーしてみました。

オイスター・ロックフェラーという、牡蠣に緑色野菜やハーブのピューレ、バターをかけて焼き上げたグラタンのようなもの。

まぁ想像通りの味、普通に美味しいというやつですw

今ではニューオーリンズ名物のようになっていますが、元はAntoine'sという店で考案されたもの。オリジナルレシピは今でも門外不出なんだそうです。

Pecan pie(ピーカンパイ)

コーンシロップとピーカンナッツで作られるピーカンパイはアメリカ南部の伝統的なデザート。

Camellia Grill

これまた有名なCamellia Grillにやってまいりました。Marvinという伝説的ウェイターの存在が知られていましたが、惜しくもこの方は2016年に亡くなっています。

高級そうな店構えですがダイナー。全席カウンターでおひとり様フレンドリー♪

こちらでは何と お冷が出てきます。

ピーカンパイ。イメージ通り歯にネチャネチャくっつく甘さですが、素朴な味なので飽きずに食べられました。ちょっとシナモンも感じます。

Camellia Grillはハンバーガーやパンケーキ、オムレツの朝食も有名で…再訪する暇がなかったのでオムレツも一緒に食べました。

<シェフのオムレツ>豆・ターキー・ベーコン・チーズ全部乗せ。フレンチフライ(というかジャガイモの千切りの素揚げ)も添えてあります。

味濃っ。朝からオムレツとピーカンパイ全部食ったら、もたれます。

南部体形のおっちゃんが給仕してくれました。キャップに割烹着スタイル最高。

観光客も地元の常連さんも多く賑やか。ニューオーリンズは全体的に猥雑な街なので、こういう健康的な活気にはホッとします(笑)

Beignet(ベニエ)

ベニエは穴の開いていないドーナツ。それ自体は甘くなく、粉砂糖をこれでもか!と振りかけて提供されます。

Cafe Du Monde

ベニエを提供する最も有名な店がCafe Du Monde。素敵すぎる24時間営業です。かつて日本にも数店舗あったそうですね。

早朝以外は常に行列ができているという噂。テイクアウト専門のカウンターもありますよ。

人がずらっと並んでいるのですぐ分かりました。

現金オンリーです。

Cafe Du Mondeは店員の感じの悪さが名物で、テイクアウトカウンターの人々は確かに感じ悪い(笑)もはやそういう演出なんじゃないかとすら思えます。

ただ、テーブルのウェイターさんたちはそうでもなさそうでした。個性派な人が多く、ちょっとお話してみたかった。

ベニエは3つでワンセット。カリフワで美味し~。

もう一つは翌朝いただいたんですが、バッシバシに固くなっていたので温かいうちに食べるのがいいでしょう。

Du Mondeはコーヒーも有名!ノンカフェインのチコリコーヒーです。

たんぽぽコーヒー的なものを想像していたら、けっこうグッとくる苦さ。粉砂糖たっぷりのベニエとよく合います。

Cafe Beignet

もう一つ有名なCafe Beignetは覗いただけ~。

Popeyes Louisiana Kitchen(ポパイズ)

以前 米軍の横須賀基地で食べた幻のフライドチキン ポパイズ

その創業の地ルイジアナに来たとあれば行きたい、でも他に食べるものいっぱいあるしどうしよう…と逡巡していました。

しかしある時、小腹を空かせた私の目の前にポパイズが現れたのです。吸い込まれるように入店。

やっぱり美味しーーー!外はカリッと中はじゅわっとです。これは胸肉だったのでもも肉ほどの感動はなかったですけど←

米軍基地で食べたときより若干高い。けれど断然デカいです。

おわりに

短い滞在期間で食べることができたクレオール&ケイジャン料理はごくわずか。ほんの一部のご紹介でした。

他にもワニとかカメの料理もあるそうで…ワニなんて食べたことないので試したかったよ~~~

ニューオーリンズグルメはなかなか日本でお目にかかるのが難しいので、これは再訪の必要があるなと企んでおります…!

▲超有名店Gumbo Shop。リーズナブルなレストランだそうですが、きっちり制服を着たウェイターたちがカッコいいです。ここも行列が絶えませんがバーカウンターあるそうですよ。

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おしまい

▲いつも見ているYouTuber、Bilingirl ちかさんの書籍。アメリカのバーやレストランでの注文方法、first-come-first-servedについてはこの本から学びました。