こんにちは、DEKAEです。
2018年末、ジャズ発祥の地・ルイジアナ州ニューオーリンズで音楽に浸ってまいりました!
人気のライブハウスやディープなジャズクラブの中から気になるところをピックアップし、エリア別にご紹介していきます。
- ルイジアナ州ニューオーリンズ(NOLA)
- French Quarter(フレンチ・クオーター)
- Treme(トレメ)
- Bywater(バイウォーター)
- Frenchmen Street(フレンチメン・ストリート)
- ライブ情報収集
- おわりに
ルイジアナ州ニューオーリンズ(NOLA)
New Orleans(ニューオーリンズ)はアメリカ合衆国ルイジアナ州最大の都市。
アメリカ深南部(ディープ・サウス)にあり、訛りの強い現地では「ナーリン」に近い発音に。
New Orleans, Louisianaを略してNOLA(ノーラ)の愛称でも親しまれており、以下本記事でもこの愛称を用いますね。
何と言ってもジャズ発祥の地として名高いNOLA。
この地で生まれた音楽はやがて都会的でクールなものへと変貌を遂げますが、NOLAには当時のままの土俗的なジャズが今も息づいています。
Dixieland Jazz
ニューオーリンズジャズを語る上で外せないのがDixieland(ディキシーランド)でしょう。
ディキシーランドとはアメリカ南部を指す言葉。転じてアメリカ南部で生まれたジャズのことをも指すようになります。
主にブラスバンドによって演奏され、行進曲のようにも聞こえる賑やかで楽しげな音楽。
実はこれ、もともとはアフリカ系アメリカ人の葬儀の際に演奏されていたもの。
彼らは葬送歌に乗せて故人と墓地に赴き、埋葬が終わると楽しい音楽とともに帰ってきました。
通常の葬送歌や讃美歌であるFirst Line(ファースト・ライン)に対しSecond Line(セカンド・ライン)と呼ばれ、これがディキシーの原型です。
あまり興味のない方も『聖者の行進』は耳にしたことがあるでしょう。ああいう感じがディキシーです。
※ちなみに現在『聖者の行進』はNFLのチームNew Orleans Saintsのオフィシャルソング。
今でも伝統的なブラスバンドスタイルで演奏活動を行うグループが多数あり、グラミー賞を受賞しているバンドもありますよ。
French Quarter(フレンチ・クオーター)
Burbon Street(バーボン・ストリート)
NOLA観光の拠点となるFrench Quarter(フレンチ・クオーター)。
たくさんの個性的な通りで碁盤目状に作り上げられたエリアですが、中でも有名なのがBurbon Street(バーボン・ストリート)。
数えきれないほどのバーが軒を連ね、中では日夜バンドが生演奏を繰り広げています。
この日は大晦日&道路工事で通りの一部が塞がっていたこともあり ものすごいごった返しています。
狂騒の街ニューオーリンズのカウントダウン(と治安)【アメリカ合衆国南部
普段からNOLAで最も賑わう場所であることは間違いないでしょう。
ここには観光客用の店しかないので素通りします←
Preservation Hall(プリザベーション・ホール)
NOLAに来るのが初めてならばPreservation Hall(プリザベーション・ホール)も外せません。
ここは1960年代から毎日(※)伝統的なディキシーランド・ジャズを披露してきた有名なコンサートホール。
100名以上のミュージシャンが回替わりで登場するため、毎度異なる雰囲気を楽しめます。
ここのメンバーはPRESERVATION HALL JAZZ BANDとして世界各地への演奏旅行にも出向いています。
※ハリケーン『カトリーナ』の被害を受けた時期を除く。
基本的に予約は受け付けておらず、だいたい1時間くらい前から並び始めます。
私は5時の回を狙って4時過ぎに並び始めたのですが入りきれず、およそ2時間並んで6時の回に入ることとなりました。
入口で20ドルを払って中へ。現金のみです。
とっても素朴な会場で、狭くて薄暗い部屋に木の長椅子が数脚置いてあるだけ。
多くの人はバンドの目の前で体操座りして聴くか、横や後ろでギュウギュウ立ちになって聴きます。
運が悪い方は部屋にすら入れず廊下から覗きこんでいましたw
私はとにかく座りたくて気が逸り、柱の真ん前の見切れ席をチョイスしてしまいましたが…2時間ひたすら立った後で座れただけありがたいって感じ。
▲中の様子。演奏が始まってからは撮影禁止でした。
なんとなく学園祭のような雰囲気があって楽しいですね。ただし演奏はいぶし銀のプレイヤー達による一級品。
リクエストも受け付けているようで、スタンダードナンバーは5ドル、その他は10ドル、『聖者の行進』は20ドルとなっています。
『聖者の行進』が高いのは、あまりにもリクエストが多すぎてうんざりしているためだそうですw
公演時間は時々変わるようなので直前に確認した方がいいかも。
"ALL AGES WELCOME"とわざわざ書いてある通り、NOLAには珍しくこのホールではお酒が飲めません。純粋に音楽を聴くためだけのハコなのです。
Treme(トレメ)
Treme(トレメ)はNOLAで最も古い地区の一つ。
アフリカ系アメリカ人によるブラスバンド文化…つまりニューオーリンズジャズ誕生の地で、現在も有名なクラブが点在しています。
Kermit's Mother-in-Law Lounge
NOLAを代表するトランぺット奏者Kermit Ruffins(カーミット・ラフィンズ)が経営するクラブ。
このように絶対に見逃さない外装です。
事前にライブ情報を見てきたのですが、予定時間を1時間過ぎても始まる気配なし。
バーテンダーのお姉さんも「もうそろそろだと思うけど、いつ始まるか分かんない」と言うので退出しました←
Candlelight Lounge
ここもトレメを代表するクラブ。毎週水曜日、有名ブラスバンドのTREME BRASS BANDがここで演奏しています。
Bywater(バイウォーター)
Bywater(バイウォーター)はボヘミアンなアーティストなどが移り住んできた住宅街で、NOLAの中でも独特なヒッピータウンになっています。
Euclid Record
地元のジャズミュージシャンのラインナップも豊富と評判のレコードショップです。元旦に訪れたら正月休みでした…
Webb's Bywater Music
楽器屋。正月休みでした…
Voughan's Lounge
夜な夜なイケてる音楽をやっていると噂のVoughan's Lounge(ヴォーンズ・ラウンジ)はボロボロの外観とチープでド派手な内装が特徴。
さすがに昼のライブはありませんでした。
Frenchmen Street(フレンチメン・ストリート)
粋な大人が集うのがFrenchmen Street(フレンチメン・ストリート)。
浮かれ騒ぐための音楽ではなく本物の音を求めるのならば、バーボン・ストリートには早々に別れを告げてぜひこちらへ。
Louisiana Music Factory
個性派レコードショップ。写真だけ撮って後で来よう!と思ったきり忘れてました…
d.b.a
トレメ地区のCandlelight Loungeにレギュラー出演するTREME BRASS BANDですが、火曜日はこのd.b.aにいることが多いんです。
元旦の火曜日22時から、ここで彼らのライブを堪能しました。カバーチャージは10ドルでした。
この店で今回の旅行を締めくくったんですが…いやもう「終わり良ければ全て良し」な最高の夜に。
客層もすこぶる良くてですね。
オタク風な一人客や父子、落ち着いたカップル、ヒールを履いた綺麗な女の子など色々な人がいましたが、みんな音楽が好きなんだなぁという感じ。
バンドの煽り方もうまくてハコの一体感がたまりません。
大合唱あり、オーディエンスによるダンスバトルありであっという間の2時間。
Maison
d.b.aを出て少し歩いていると、ここからめちゃくちゃカッコいい音が。
Gene's Music Machineというセカンド・ラインをベースにしたバンドで、このMaisonで定期的に演奏している模様。
この店の前にUberを呼び、到着までの間 外で聴いてましたw
ライブ情報収集
NOLAにはジャズクラブやライブハウスが数えきれないほどあるのですが、いかんせん情報集めに苦労するんですよね。
適当に店を渡り歩いて気に入ったバンドを見つけるのも楽しいのですが、ワールドクラスのミュージシャンに出会えるチャンスもあるわけですよ。
d.b.a.で毎年NOLAを訪れているという日本の方とお話したのですが、そんな常連さんでも『WWOZ』というサイトくらいしか情報源がないとのこと。
WWOZ New Orleans 90.7 FM | New Orleans music to the universe!
現状、網羅的な情報収集にあたっては最も信憑性の高いサイトと思われます。
あとは気になった店やミュージシャンのSNSを地道にチェックしていくしかなさそう。
おわりに
NOLAの路上ではものすごいパフォーマンスに出くわすことも しばしば。
ドラッグストアチェーン店の裏で突然激しいジャズをおっ始めたブラスバンド。
この薄暗い通りが一瞬にして熱狂的なダンスフロアと化す様が見ていて痛快でしたねぇ~。
ほいほいとチップが投げ入れられていき、一晩でこれだけ稼げば生計立てられそうって勢い。
良いものは素直に認められるアメリカに、エンターテインメントを志す者が集う理由が分かる気がします。
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おしまい