こんにちは、DEKAEです。
地図上で名前を見つけ、なんとなく気になっていた哲学堂公園。
新宿区内の自宅から歩いて行けそうな距離だったので、ハイキングがてら出かけてみたら…なぜ今まで知らなかったのか、というほど見どころが満載!
ただの公園にとどまらない、テーマパークさながらの園内をじっくり散策してみましょう。
哲学堂公園
概要
哲学堂公園が作られたのは明治34年、1904年のこと。
東洋大学の創立者・井上円了さんが、ご自身の頭の中を具現化したものとしていくつかの哲学堂を建設。精神修養のための「哲学のテーマパーク」として人々の精神修養を促したという…
なんかもう、いかにも明治時代なカオスっぷりですごい好き←
円了さんは哲学者であっただけでなく妖怪学の祖でもあるそうで、妖怪ヲタの私としてはとても親近感がわきます。
東京大学を卒業後、学内に「不思議研究会」を設立してコックリさんなどの研究に励んだそうで…すごいよね
そんな哲学のテーマパークですが、東京ドーム約1.2倍の敷地を誇るそうです。
この東京ドーム換算って結局どんくらい広いの?って感じですが、確かに広い。中野区・新宿区にまたがり、正門からちょっと行くともう練馬区ですからね。
2009年には都の名勝に、2020年3月には国指定の名勝にもなっています。
全体の概観
この公園、妙正寺川の流れに沿って、川を挟むように作られています。
調節池の役割も兼ねていたんですね。
あちこちで湧水も見かけました。ただし井戸水のため飲めないようです。
小さな滝のようになっている場所もあり、水音がリラクゼーション効果を誘います。
こんな素敵な道もありますよ。水の色はちょっとアレですが、鯉なんかも泳いでいて風情があります。
園内のところどころに、哲学的な思索を促すような場所があります。
これは概念橋。理性という名の島に達するまでの橋=概念ですと。こじらせ感が強い
あらかわいい。
哲学の庭
この公園の見せ場の一つが「哲学の庭」と呼ばれるエリア。ここに偉大な哲学者たちの銅像が並んでいるのですが…
やたらオーラがあるというか、夜になると動き出しそうなリアルさがあってなかなか恐いです。人影がまばらなのもあって余計に…
晴天時はまだしも、曇りの日などはよりおどろおどろしい雰囲気になりそう。
えっ恐すぎでは?
手前の方はなぜ頭まで毛布にくるまって祈りたおしてらっしゃるのでしょうか。
ネームプレートは「アブラハム」となってましたけど…偶像崇拝禁止的な方でしたっけ?
奥の宇宙人みたいな方のお名前は失念…右はキリストだったはず。
さらにお釈迦様と老子さんがいらっしゃって、5人で中央の球体を見つめています(アブラハムさんは見てなさそうですが)。
そのうち球体が浮くんじゃないかってくらいの迫力…
訪れる前に「哲学と宗教全史」を読んでおくともっと楽しめるかも!
哲学堂
公園敷地内の高台に、哲学堂を構成する古い建築がいくつかあります。
タイミングが合えば中を見学できることもあり、月例公開は毎月第一日曜日。ほかにゴールデンウィークと10月の土日祝にも公開されています。
哲学堂のメインの入口となるのが哲理門。左右を守るのは阿吽像でも風神雷神でもなく、天狗像と幽霊像です。
物質界の不思議を天狗、精神界の不思議を幽霊に託したんだそうですよ。幽霊のほうは普通の人みたいな姿でなんとも…
六賢台。東アジアの6人の賢人を祀るもので、日本・中国・西洋の建築様式のミックスによりこのような独特な塔ができあがったのだとか。
哲学堂でもひときわ目立つランドマーク的存在です。
シャレオツな画角。
四聖堂(しせいどう)。化粧品を売っているわけではなく、孔子・釈迦・ソクラテス・カントを讃えています。
宇宙館。とても素敵な形状なのですが、なぜかパンフレットではこれだけ冷遇されており、結局何の建物なのか分からずじまいです。
絶対城。図書館のことです。
この世の書物を読み尽くせば絶対の境地に行けるんですって。
鬼神窟という穏やかならぬネーミングの建物。
ここに来た者の精神は俗世を離れ、霊的なものに触れられるそうです。もはや哲学というよりオカルトチックですね
この日は鬼神窟の中庭に入れました。
この植物初めて見た!葉の縁取りが冬っぽくてかわいい!
ツワブキと看板がありました。画像検索すると、確かに花は黄色いですがこんな葉じゃないんですよね〜どういうこと?
ゆずみたいな柑橘類とナンキン?のコラボ。
園全体を通して植栽がすばらしく、きっちり手入れされていることが伺えます。
夥しい種類が植えられているので、そんなに植物に興味のない私でもかなり楽しめました。
スケッチや写真を撮りにきている人も多く、さまざまな味わい方ができますね。
休憩所の名前が髑髏庵って…。
しかも「俗塵に汚された精神」呼ばわりしている時点で客の扱いではない
紅葉
そうそう、私が訪れた時期は絶好の紅葉狩りシーズンだったのですが、驚くほど人が少なかったんです。代々木公園の賑わいが嘘のよう…
和風建築と合わさって、小旅行でもしてきたような写真が撮れます。
桜も咲くようなので花見の穴場スポットかもしれません。
春の混雑具合が分からないので、また来てみようと思います。
管理事務所
哲学堂付近には管理事務所があります。
こちらでパンフレットをもらっておくと全体像がつかみやすくなるかと。4か国語対応でなかなかの気合の入れようです。
より詳細な説明が書かれたガイドブックも販売されています。
この事務所、なかなか面白くて…
記念スタンプの種類がやたら豊富かと思えば
せんべいまで売っている…
そして私、Postcrossingという趣味がありましてね。行く先々でポストカードを見つけると仕入れるようにしているのですが…
なんと、この哲学堂公園でもオリジナルポストカードを販売していました。
1枚100円で、12枚セットだと1,100円。セットにははがきサイズのクリアファイルがおまけで付いてきましたw
紙袋にきれいな版画も貼られていて良い感じ。
真ん中のランプの写真にはハートが。
これ、普通に見ても気付かないそうなんですが、写真に撮ってみて初めてハート型を視認できるんだとか。本当かなぁ!?
ポストカードは撮影日が2020年の日付になっていたので、国の名勝指定記念で作られたのかもしれません。
内容物の確認がてら「このカードはこのお堂の内部ですよ~」と細かく説明して頂いたのですが、まったく覚えられない←
一般開放の日に来てみたいですね。
アクセス・開園時間など
哲学堂公園は24時間開門しておらず、特に冬場は最終入園が16:30となっていますのでご注意ください。また年末のみ休園日がもうけられています。
アクセスは、西武新宿線の新井薬師前駅、都営大江戸線の落合南長崎駅から徒歩10分強。中野駅からはバスも出ています。
園内に何箇所か喫煙スペースもあるそうです。良かったですね、愛煙家の皆さん!
あ、ひとつ注意点としてペットを連れて入れません。植栽などの保護の目的でしょうけど、ちょっと残念ですね。
おわりに
浮世の垢にまみれた私はなかなか精神修養とまではいきませんが、自然の中での散歩はリラックス効果抜群。
移ろう季節を感じに、また貴重な哲学堂の内部公開の折にと、ぜひ繰り返し訪れたいですね。
またひとつお気に入りスポットが増えました。
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おしまい