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こんなところに至高の南インド料理!?ポンディ・バワンの妙なる薬膳カレー【武蔵新田】

ナマステ、DEKAEです。

蒲田駅と多摩川駅を結ぶ、東急多摩川線。

住民でなければ使うことはないであろう超ローカルな路線ですが、それゆえに沿線を散歩してみるとなかなか面白い出会いがあります。

今回の舞台は、ふたつの終着駅の真ん中あたりにある武蔵新田駅。

その辺りを散歩するうち、たまたま発見した南インド料理店に入ったら…

これはもう、都内でも屈指のレベルであろうというものすごいカレーが出てきてしまいました。

武蔵新田/ポンディ・バワン

概要

今回ご紹介するポンディ・バワンさんは、武蔵新田駅から環八通りへ抜けたところにあります。

多摩川線は各駅の近くに量産型のインドカレー屋がありますが、それらとは立地や店構えの点でも一線を画しています。

ちなみに、東急池上線の千鳥駅からも徒歩10分程度です。

暗っ。

しかし「南印度Dining」の看板がこれでもかと主張してくるため、わりと遠くからでも見つけられます。

環八沿いなので車でもアクセスしやすいですが、お店の駐車場はありません。

店名のポンディ・バワンは「ポンディの家」的な意味だそうです。

これは、スーシェフがインド南部のポンディシェリ出身であり、同地のシェフ仲間とともに開いた店であることからきているよう。

シェフのアントニーさん、ポンディシェリで複数の州知事のお抱え料理人を長年務めたほどの凄腕の持ち主だそう。

さらにその州知事のうち2人がインドの首相になったそうで、インドのトップの胃袋つかんでいるといっても過言ではないお方なのです。

マンゴーラッシー

まずはみんな大好きな

マンゴラッスィ350円。どろりとしたテクスチャーはもはやヨーグルトそのもの。

吸うのに苦労しますが濃厚で激うまです。マンゴーラッシーがおいしいとそれだけでこのお店に来て良かったと思える…

薬膳カレー

さて、このお店は南印度ダイニングを謳うだけあり、定番はミールスやビリヤニといったおなじみのメニュー。

しかし、独自の看板メニューとして異彩を放つのが薬膳カレーです。

全体的にあったかいネーミングで涙が出そうになります←

ランチタイムは日替わり薬膳カレーをお得な値段で楽しめるようですが、好きなものを選べるディナータイムも魅力的。

万年お疲れな私なので、疲労回復カレー(1,250円)をチキンカレーベースでいただいてみます。

注文すると辛さを選ぶように言われます。

7段階もあると悩ましいですねぇ。しかも分かるようで分からない絶妙なニュアンス…笑

とりあえずスタンダードっぽい「もっと辛い」をチョイスしてみます。

店員さんは全員インド(ポンディシェリ?)の方でしたが、辛さのオーダーは「もっと辛い」で通してましたw

結果的に「もっと辛い」が中辛くらいかな~というイメージ。

少し鼻水が出る程度で、ヒーハー言うレベルではないと思います(あくまで個人的な感覚です)。

お子様や辛いのが苦手な方も選べる辛さがあるのはいいですね。

400円でナンとサラダのセットもつけました。

サラダはけっこうたっぷり。エスニック風味のお新香もついてます。

ほどなくして「疲労回復カレー」とナンもやってきました。南インド料理でナンはちょっとアレですが

カモミール、タイム、バジルが使われているということで、なんとなく味の想像はついていたのですが…

ハーブの香りとココナッツのマイルドさがからみ合い、複雑なのに優しいカレーに仕上がっています。

コクはあるのにしつこさが全くなく、するすると喉を通るカレー。

これは今までのインド料理店でも出会ったことのない、ちょっと衝撃の美味しさですよ。

堂々たる体躯のシェフたち、なんなら袖口から刺青をちらりと覗かせる男たちがこれほど繊細なカレーを作るとは…

何かすごい世界。

ティファン(軽食)

南インド式の軽食、ティファンもあります。

これまで新宿のムットさんぐらいでしかお目にかかったことがありませんでした。

レモンライス以外の2つは初めて見ました。一番上のはそうめんみたいなもの…?謎。

「レモンライスの次に、ぜひ試していただきたい」というタマリンドライスの宣伝文句にまんまと釣られました。

タマリンドライス(1,100円)。

見た目のわりに味は濃くなく、カレーをかけながらでちょうどいい感じ。

タマリンドの酸味がたまりません。カレーもトマトベースのすっぱい系で、食欲がないときにも良さそう。

意外にもコメは日本米のようですね。けっこうオイリーな印象です。

スナックもひとつ。好物のマサラワダ(2P400円)です。

すり潰した豆のフライで、濃厚な風味が魅力です。原形のままの豆もところどころあって、豆せんべい的なものが大好きな私には最高。

チャツネをつけていただきますが、これまた野菜の甘みが引き出されてハイレベル…。調味料にしておくのはもったいない一品です。

デザートとチャイ

デザートにも謎めいたメニューが載っていました。

ケサリバット(350円)。

メニューの解説によると、セモリナ粉とインド特有の油(ギー)から作られる温かいお菓子だそうです。

「かるかん」に似ていると評されることもあるようですが、なんかぷつぷつした食感で不思議。

本場のはハチャメチャに甘いそうですが、日本人に合わせて甘さ控えめにしてくれてます。笑

ココナッツアイスが乗ってました。

チャイ(250円)。

温かいチャイにすると、ウエイターさんが目の前で高いところから注いでくれます。

これ見よがしにパフォーマンスする人も多い中、今回担当だった方はわりと奥ゆかしい感じでした。笑

容器が2つあるのはなぜだろうと常々思っていましたが、浅いほう(飲み口が広いほう)で飲むのが正式みたいですね。

こちらのほうが香りが立つから、とか?なんか日本酒みたいな理由…

その他のメニュー

珍しくて美味しそうなものがいろいろあったので、後でじっくり見ようとメニューの写真を撮りまくってしまいました←

南インドといえばやっぱりミールス!

都内の有名店でも大半は銀皿に載ってきますが、ポンディ・バワンではバナナリーフに一品ずつ並べていく伝統的な提供にこだわっているようです。

さらには手食を推奨されていて、フィンガーボウルまで準備してくれるという本気度合い。

その分なかなかのお値段ですが、一度は試してみたいな~…

一人前だと値段が上がるというのもネックですが、確かにこのスタイルだと複数人でわいわい言いながら食べる方が格段に楽しいでしょうね。

なお、ランチタイムでは銀皿に載った簡易版ミールスが格安で頂けるようで(数量限定)、ねらい目かもしれません。

もともと料理の美味しさには定評のある南インド。

その中でもポンディシェリはかつてフランス領だったこともあり、料理にも他の地方にはない影響がみられるようです。

というわけで、ポンディシェリ特有のミールスというのもグランドメニューになっています。

ビリヤニ、パロタなどももちろんあります。

本来、30~40人分を一度に作る料理であるビリヤニに関しては、少人数向きの簡易的なレシピで作られる旨がわざわざ書いてあります。

日本でそんなことを気にする人はいなそうですが、そこはインドでもトップレベルの料理人の矜持を感じますね。

左側のドーサはよく見かけますが、右側のお粥的メニューには初めて出くわしました。

アーユルヴェーダ界隈では知られた料理なんでしょうか?

身体に優しそうなスープメニュー。ミールスに欠かせないラッサムなんかも単品で頼めるんですね。

下部の「サーダム」はご飯入りで雑炊のようにいただけるものみたいです。

カレーまでは必要ないときに注文すればお得、なんてことまで書いてあって親切すぎるw

ラムチョップを発音良く記載した(?)ラムチャップ。シェフのお得意料理とか言われると気になるではありませんか…

その他、チキンティッカ・フィッシュティッカをはじめとしたグリルメニューも充実しており、居酒屋使いにも良さそうです。

南印度ダイニング ポンディ・バワン → 食べログRettyホットペッパー

ランチタイムは11:30〜14:30、ディナー17:30〜22:30(ラストオーダー22:00)。

第2・第4火曜が定休ですが、祝祭日の場合は翌日に振り替わります。

※禁煙です。

おわりに

初めて行った日は平日の夜だったためかすごく暇そうで、店員さんはみんな電話してるかスマホいじってるか、という感じでしたw

なぜこれほどの腕前なのに、こんなところでひっそりとお店をやろうと思ったのだろう?と疑問だったんですが…

後から調べたら、カレーマニアの間では名店としてとっくに有名だったらしく、再訪したときは盛況。こりゃ失礼しました。

いずれにせよ、この地で独自路線を貫いてほしいな~と強く感じるお店です。

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おしまい