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日本最初のロシア料理店・ロゴスキーで伯爵のワインに出会う【銀座】

ズドラーストヴィチェ(こんにちは)、DEKAEです。

「日本で最初のロシア料理レストラン」と言われる、銀座のROGOVSKI(ロゴスキー)さんに出かけました。

ウォッカだけでなく、東欧・コーカサスのワインのラインナップが豊富な同店。

こちらで何とびっくり!ハプスブルク家の末裔にあたる方がお造りになったワインに出会いましたよ。

銀座/ロゴスキー ROGOVSKI

概要

ロゴスキーはもともと渋谷の東急プラザにあったロシア料理店。再開発に伴い本店を銀座に移転したのが2015年のことです。

1951年創業の老舗で、その原型は、戦後まもなく職を失った軍人一家が興した小さなロシア食堂。

常連さんに愛されながら大きく育ち、今では「日本で最初のロシア料理レストラン」と謳っています。

ロゴスキーの波乱万丈の歴史については、公式サイトに温かい筆致で綴られています。

渋谷ロゴスキー物語|ロシア料理レストラン ロゴスキー|銀座|Russian Restaurant ROGOVSKI

料理

今回は12月の利用でしたが、12月中はコース料理しか予約できないとのこと。

というわけで一番シンプルな「ストロガノフ」コースにしました。税サ抜き4,800円です。

店頭には単品メニューが掲げてあったしラストオーダーを聞かれたので、当日の訪問ならコースじゃなくても大丈夫なのかも。

コースの内容はこちら。

まずは「ザクスカ」6種類の前菜盛り合わせです。

ニシンの酢漬け最高~♡

同行者がゼラチン寄せに乗っていたホースラディッシュを丸ごと口に放り込み、悶絶しておりました。「マッシュポテトかと思った」そうです。

揚げたてのピロシキ!!!あっつあつを手でいただきます。

具を肉・野菜・ゆで卵とひき肉、の3種類から選べました。こちらはゆで卵とひき肉。

素朴なのに奥深い(月並み)!町のパン屋さんで買えるような安心感の一方で、豊かな風味があふれます。

ウクライナボルシチ

やっぱボルシチですよね!!!寒い冬には最高。

本コースの代名詞たるビーフストロガノフ

ビーフストロガノフって、ビーフシチュー的なものを想定していたら全く違いました!

明確な定義がなく「どれが正統派」とか語るのは難しいようですが…

ロゴスキーのは生クリームベースかな?Wikipediaによるとサワークリームも入れるみたいですね。

チェコやルーマニアで食べた黄色いシチューに近いものを感じました。

細かく刻まれた牛肉は驚くほど柔らかく!きのこや玉ねぎの風味も相まって絶妙。

ソースの見た目はこっくりしていますが、主張しすぎず素材の味を十分に感じ取れるようになっています。

んで困ったことに、メインディッシュを2種類から選ばねばならなかったのです。

もう一つの選択肢はエビとキングサーモンのパイ包み焼き。

ソースは「スメタナ」と呼ばれるサワークリームをタルタル風に仕立てたもの。

ナイフを入れるとパリッ♪サクッ♪と軽快に音を立てます。こちらも素敵…

伯爵のブルガリアワイン

乾杯ドリンクで各自好きなのを頼んだ後、ボトルを入れたほうが安いのでは?ということで一本チョイス。

誰もワインに詳しくないので、野生の勘で選んだのがこちらでした。

ブルガリア「ベッサ・ヴァレー・ワイナリー」の赤ワイン「PETIT ENIRA」(プティ・エニーラ)の2015年産。

サーブしてくださった方の説明によると、何とこのワイン、かの有名なハプスブルク家の末裔にあたる伯爵が手がけたそう!

その名もシュテファン・フォン・ナイペルグ卿。名前に「フォン」が付く方といったらもう、アレですよ。

何でも、このワインの造り方にはえらく手間がかかっているそうです。

まずは完璧な果実のみを全て手作業で選り分けているという点。

また、果汁の抽出にあたりブドウをプレスせず、自重によって滲み出した「フリーランスジュース」を使用しています。

この製法を取り入れるワイナリーは数あれど、ベッサ・ヴァレーではワイン原料の約95%がフリーランスジュース。このため出来上がるのに相当時間がかかるそうです。

「これだけ手間暇かけたワインをこの値段で出せるのは、ブルガリア産で、かつ伯爵だからでしょうね」とおっしゃってました。

ビジネスというよりも壮大な道楽に近い、ということでしょうか…

あ、私は下戸なので味について一切分からないんですが、3人ですぐに空けていたのでおいしいんじゃないですかね。←

以下は私が注文したソフトドリンクです。

「ザクロストレート」。アゼルバイジャン産のザクロ丸ごと果汁です。

乾杯ドリンクとしては少々濃すぎたかな…。丸ごと果汁というだけあって皮の渋みがけっこうあります。赤ワインに甘みを付けた、という感じの風味。

「モルス」。自家製のベリージュースです。

ソフトドリンクコーナーにあった「クワス」というのも気になりました。

ライ麦から造られるジュースで、日本ではなかなかお目にかかれないそうです。

ただ「アルコール1%未満」と書かれていたので、何となくビールっぽいテイストなのかな…と思って敬遠してしまいました。

もちろんウォッカのラインナップも充実していますよ~。カクテルもあります。

デザート

「ストロバヤ」コースにはコーヒーorロシアンティーと、デザートがついてきます。

全員ロシアンティーとリンゴのタルトをチョイス!

イチゴベースのジャムが甘いためか、紅茶はかなり渋めに淹れてありました。

雰囲気とか

お店は「イグジットメルサ」の7階に入っています。銀座四丁目の交差点を新橋に方面に少し進んだところにあるビルです。

このビル、ラオックスがかなりの売り場面積を占めているので、エレベーターで上がるとけっこうシュールな光景です。笑

入口の様子。

落ち着いた雰囲気でとてもいいですねー。店構えや店名の書体が、何となく明治・大正あたりの洋館のようです。

ステンドグラス風の照明!

重厚な調度品の数々がお店の歴史を感じさせます。

けっこうな大箱でテーブルの間隔も広く、ゆったり座れるのでいいですね。

サービス担当の方も多いです。長年勤めておられるんだろうな~と思われるベテランの方と、若い方が一緒に働いているのが印象的。

こういう光景は、歴史が継承されていくようで良いですね。

ロゴスキー → 食べログぐるなびホットペッパー

ネット予約は食べログを経由するようになっています(コースのみ)。

繁忙期以外は、電話にて席だけ予約を受け付けています。

おわりに

我が国にロシア料理を根付かせてくれたロゴスキー。

衒いのない料理に安定感のあるサービスで、ロシア料理デビューには間違いのないお店といえるでしょう。

もちろん、ロシア料理好きやワイン・ウォッカ好きも満足させてくれると思います。

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おしまい