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関東随一の映える無人島、猿島へフェリーでGO【横須賀市】

こんにちは、DEKAEです。

このブログにも何度か登場している廃墟友達のスペイン人と向かった次なる目的地は、神奈川県横須賀市。

海軍の街からフェリーに乗り、かつて海上要塞が築かれた無人島「猿島」に渡ってきました。

すっかり観光地化されちゃってますが、気軽に廃墟っぽい場所を探索できるのでおすすめです。

猿島

概要

横須賀にある猿島は、少し調べただけでいろいろな特徴をもっていることが分かります。

東京湾最大の自然島であり、東京湾唯一の無人島…しかし、最も重要なポイントはかつて「要塞」として使用されていたという点でしょう。

明治14~15年に猿島砲台が築かれ、第二次世界大戦の前まで首都防衛の拠点とされていました。

これが実戦で使用されることはついになかったそうですが、今でも猿島には砲台跡や当時の建築物がそのまま残されています。

やがて、猿島の大半の部分を横須賀市が猿島公園として整備・管理。一般の観光客も立ち入れるようになりました。

当然現在は使われていない要塞ですから、言ってしまえば廃墟です。これは廃墟ハンターとしては黙っておれない(?)

てなわけで、いっちょ見物に出向きました。

三笠ターミナル

猿島への玄関口となるのは三笠ターミナル。3月から11月までは毎日、12月から2月までは土日祝限定でフェリーが運航しています。

※フェリーといっても乗れるのは人間だけ。自動車・自転車・ペットNGです。

京急の汐入駅または横須賀中央駅から徒歩15分ほど。

とりあえず三笠公園に向かっていけば、三笠ターミナルの案内板が出ているので分かるかと思います。

車の場合は三笠公園の有料駐車場をご利用ください。

で、さびれた港の小さな事務所を想像してターミナルに向かったんですが…

へっ?めっちゃきれい。

失礼ながら、横須賀という街にあまりにもそぐわないモダンな建物だったので面喰いました。

なんとこのターミナルは2020年夏にオープンしたばかりだったそうで、中もピッカピカ。

ドリップコーヒーや地ビールを楽しめるカフェもあれば

軽食スタンドまであるではありませんか。猿かわいいし。

ホットスナックや飲み物は猿島への持ち込みも可。こちらで腹ごしらえをするもよし、現地でのおやつとするもよしです。

伝説のサザエがついたソフトクリームまであるよ!?

「抹茶パウダーかけて猿島にしちゃいました♪」っていう雑すぎる説明がまったく意味不明で好き←

ちなみに私は「猿島ブレンド(250円)」をいただきましたが、私好みの浅煎りだったので得した気分。お値段も手ごろです。

猿島の観光拠点ということで、お土産ものも売っています。

横須賀カレーなどはもちろん、猿島にちなんだものもけっこう開発しているようで、なかなかがんばっておられます。

きゃわいいスイーツもあるし。

なんて騒いでないで、とっとと船のチケットを買っちゃいましょう。

大人1名のチケットは往復の乗船料と猿島公園への入園料合わせて1,600円です。

乗船料はクレジットカード・各種電子マネーでの支払いが可能ですが、入園料200円は現金で支払う必要があります。

なお、乗船料は小学生なら700円、小学生未満は無料。

入園料は小・中学生100円、小学生未満は同伴の大人1名につき1名無料と、家族連れにはうれしい料金設定です。

横須賀市民割引もあるそうですよ。

ターミナル2階は「ビジターセンター」と銘打ち、待合室兼ちょっとした展示室になっています。

きれいですしゆっくりできるんですが、ここでは飲食禁止でした…

なおフェリーはだいたい1時間に1本で8往復していますが、最新の情報は公式サイトにてご確認ください。

フェリー

さて!いよいよフェリーに乗り込みましょう。

実はここから猿島はもう見えているので、乗船時間は10分ほど。

小型だしけっこうな速度で走るのでそれなりに揺れますが、気分が悪くなるほどの時間ではないかと思います。

1階は屋根付きで、雨が降っても濡れません。冬でも暖かそうな室内座席もあります。ソファなので座り心地もグッド。

2階はさらに開放的です。

十分な数のベンチがありますが、10分程度なので立っていても余裕です。

 

あっという間に猿島が近づいてきます。

着いたら桟橋からいざ入島!

東京湾ってなんとなく汚いイメージしかないんですが(←)島に近づくと水が澄んでいてきれいでした。

まぁ三笠港あたりはくらげが大量に泳いでいてちょっとキモかったけど…

波が砂浜に描いた不思議な模様。石庭の石のまわりに付けられる模様のようですね。

夏場は海水浴場にもなるようです。

上陸

資料館

上陸すると、いきなり立派な建物がお出迎え。

休憩所兼当時の写真などが多数掲示された資料館でした。想像以上に観光地ナイズされていてちょっと拍子抜け…笑

有料にてツアーも開催しています。30分程度のものが一般的ですが、90分がっつり案内してくれるコースもあるようです。

90分のほうでは、通常非公開の部分も開錠して見せてくれるようなので、お時間に余裕のある方はぜひ。

廃墟ハンターの我々は独自に調査を開始します←

順路に沿って歩き始めると真っ先に現れる建物。

これはガーとかゴーとか音を立てていたので、現役の発電所かもしれません。

訪れた日は生憎の空模様だったんですが、それによりかえって神秘的な情緒が増しています。

廃墟の何が美しいって、緑が建造物を侵食しているところですよね。

人が自然を切り拓いて作った場所を、再び自然が食い尽くしていく様が見ていてゾクゾクする。

令和元年の台風の影響で行けないところがけっこうありました。

見るからにボロボロな階段とかも多いので、致し方ないといえばそうなんですが。

兵舎・弾薬庫

猿島ではすべての施設が岸壁を掘り込んで造られたため、島外からは内部がまったく見えないようになっています。

実際、海上から見た猿島はとても人の気配がする島には思えませんでした。

序盤に見えてくるのが兵舎と弾薬庫。兵舎には小窓があり、写真の建物(弾薬庫)には小窓がありません。

島内には案内板があるので、ガイドさんなしでもある程度の情報は得られます。

それにしても不思議な形状で敷き詰められたレンガ。ヨーロッパの古いお城でも見ているような錯覚に陥りますね。

木材の通路が作られており、歩きやすくて助かります。

トンネル

雰囲気バツグンのトンネル。

この中にさらに通路があり、司令部や地下の弾薬庫につながっていることが確認されているそうですよ。

このようにどこを切り取っても絵になるので、映え狙いの若者もたくさん来てました。

砲台跡

見晴らしのいい場所にあるのが、メインの機能たる砲台の跡。

車輪で引いてきたんだろうなと推察できるような溝もきれいに残っています。

この砲台が火を噴くことはなかったとのこと。

猿島の要塞が使われなくなった直接の原因は、大正12年の関東大震災で施設のあちこちに不具合が生じたことだったようです。

ここから階段で浜辺まで下りられるようになっていました。

三崎口方面と、遥かに千葉県を望めます。スモッグが凄まじいのは見なかったことにしましょ

展望台

なかなかの山道の猿島の中でも、一番の高台にある展望台。

このような階段をひたすら登ってゆきます。

おお…これは廃墟である…。

かつて使われていた展望台は立ち入り禁止となり、朽ちていくのを待つのみです。

KEEP OUTの黄色いテープも廃墟めぐりには欠かせません。

ここまで全体をゆったり見て、1時間後のフェリーに乗るくらいでちょうどいい感じでした。

島内は全体が舗装されているものの、さすがにヒールや革靴は避けたほうがいいでしょう。

飲食施設

ターミナルでおやつを調達できましたが、実は猿島内にもちょっとした飲食施設があるのです。

メニューが島っぽくておいしそうやん。普通に島内でランチができちゃいますね。

なんと砂浜ではバーベキューもできてしまうそうです。

しかもレンタルショップがあるので手ぶらでOKという…恐るべし。

バーベキューしたり海で泳いだりなんてしていたら、廃墟や歴史に興味がなくても意外と一日遊べる場所なのかもね。

一応このような救済措置もありますが、迷惑をかけないよう時間はちゃんとチェックしたいものです(笑)

おわりに

余談ですが、同行のスペイン人はかねてより横須賀に来たいと言っていたのです。その理由というのが…

シェンムーというプレステのゲーム。

このゲームの舞台が横須賀だったらしく、どぶ板通りに「シェンムーのお店がある」とか言ってコーフンしておりました。

猿島同様に横須賀の街並みもエンジョイしていたので良かったです。

ほかにも東京湾には、第一海堡~第三海堡と海上防衛の名残が残っています。

特に第二海堡は「邪魔」ということですったもんだがあったようですが、2019年から観光での入島が認められるように。これも行ってみないといけませんな。

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おしまい