※最終更新:2020年11月6日
こんにちは、DEKAEです。
みんな大好き鍋料理。もはや国民食と呼んでも差し支えないでしょう。
数多ある鍋レストランの中でも、「きのこしゃぶしゃぶ」を専門とする店があることをご存知でしょうか。
「きのこしゃぶしゃぶかぁ…。いまいちテンション上がらないかな」とお考えのあなた。
その思い込みを鮮やかに打ち砕く、摩訶不思議なきのこ鍋の世界へお連れいたします。
シャングリラズシークレット Shangri-La's secret
概要
シャングリラズシークレットは、中国雲南省に伝わるきのこ鍋をモダンな雰囲気でいただけるレストラン。
店名の「シャングリラ」は同省の街「香格里拉」からとられています。
この雲南省というのが非常にディープ。少数民族が多く、それそれが独自の文化を保っている場所なんです。
恐らくチベット自治区、ミャンマー、ラオスなどに接しているという地理的条件によるものでしょう。
中国であって中国でないようなエリアであるゆえに、都会人たちが半ば外国旅行のような感覚で観光に訪れることもあるほど。
その雲南独自の文化のひとつがきのこ鍋というわけですね。
シャングリラズ・シークレットでは、黒湯(ヘイタン)と呼ばれるスープを使ったしゃぶしゃぶを提供しています。
これが、香格里拉の街に生息する30種類以上のきのこを煮出してとるという、こだわりのスープなのです。
そんなシャングリラは六本木・銀座・表参道に店舗を構えており、六本木のお店に数回お邪魔しています。
さて、一体どんな鍋が登場するのか?見てみましょう。
ランチ
私が初めてシャングリラを訪れたのはランチタイムでした。
お店は六本木交差点からミッドタウン方面に進んだところ。外苑東通り沿いですが、雑居ビルの上階なので見過ごしやすいかも。松屋や一蘭の入るビルです。
一歩店内に足を踏み入れると、雑居ビルの印象とはガラリと変わり、高級リゾートのようなエントランス!
一組当たりのテーブルもかなり大きく、しかも黒い大理石のような素材で輝いている…思わぬゴージャス感に少々緊張します。
メニューはコースから選択し、必要に応じてアラカルトを追加するというのが基本スタイル。
今回は最もお手頃なコースである「雲南黒湯(うんなんへいたん)¥2,500(税抜)」をお願いしました。
前菜、4種のきのこと野菜、大山どりの胸肉、〆のきのこ麺にデザートという内容です。んで同行者が酒を飲むというので、私もお茶を別途注文w
そうすると一人あたりの会計は3,000円を超えます。お店の設えに負けず劣らず、なかなかのお値段。
何を隠そうこの私、この段階では「きのこ鍋のランチで3,000円…?」と若干興ざめしておったのです。
ところがっ。前菜の後に運ばれてきた美しいポットを見て、にわかにテンションが上がる私。
※タコはコースに含まれません
なんと、一人ずつポットが提供され、同行者を気にせずしゃぶしゃぶを楽しめるのです。しかも、こんな素敵な器で!
「まずはスープだけでお楽しみください。少なくなったら何度でもお注ぎいたします」
との店員さんのお言葉で、こだわりの「黒湯」を一口含んでみることに。
おお、これは…。何と複雑で滋味深き舌ざわり…
まさにきのこのエキスを感じますが、何といっても30種類以上のきのこを煮出してとったスープ。とても口で言い表せるような単調な味ではありません。
優しい味なので、どんどん飲んでしまう…。
そうこうしているうちに、スープが沸騰を始めました。ポットには燃料が入っていて、絶えず加熱を続けていたのですね。
さらにメインのしゃぶしゃぶセットの到着で再び度肝を抜かれます。
ご覧ください。「4種のきのこ」のクセの強さ。
てっきりシメジ・シイタケ・エノキ・エリンギがくると思っていた私。ついぞお目にかかったことのないきのこを前に、呆然と座り尽くすのみ。
しかし、各きのこにはプレートがついており、名前と効能が分かるようになっています。とりあえず食べても大丈夫ということですな?
う~ん。立ち上る香りが良いです。尋常じゃなく、良い。
ポン酢とゴマだれが提供され、薬味にはパクチーも!こちらもお代わりをお願いすると持ってきてくれました。
ちなみに、きのこは3分間火を通すのが目安ということで砂時計も準備されています。
最初はそれに従って待つものの、次第にグダグダになってくるという…まぁみんな食べるペース違うし、仕方ないですねw
きのこのチョイスは実に考え抜かれていて、風味と食感が全て異なるんですよね~。大山とりも胸肉ながらしっとりしており、新鮮な肉なのだろうと推察されます。
と、当初の消極思考はどこへやらという大満足だったのですが、ここで終わりではありませんでした。
〆のきのこ麺。そして同時に提供される「鶏油」、これがもう素ん晴らしい。
麺にスープをかけて頂くわけですが、鶏油を少し垂らしただけで、劇的に薫り高くなるのです。
さらにパクチーを少し散らすと、はぁ絶品…。口にするたびに溜息が漏れます。
きのこ鍋といえど、これだけ頂けばお腹も満たされるというもの。なんとも幸福なランチタイムとなりました。
ディナー
ランチでひとしきり感動し、同じメンバーで夜に再訪しました。
今回は8種のきのこが楽しめる「美楽黒湯(びらくへいたん)¥4,800(税抜)」。ディナーではこちらが一番お手頃なコースです。
色とりどり~!ランチの4種よりさらにバラエティ豊かな組み合わせに大はしゃぎ。
今回は高級食材の松竹や衣笠竹までご登場です。
特にキヌガサタケなんて、名前は聞いたことがあったものの実物を見るのは初めて。食感が独特すぎて、「ウヒャーwww」などと爆笑しながら頂きました←
油揚げにシャキシャキみを付けた感じ?海綿状なので、噛むごとにスープが溢れてきます。
個人的に一番好きなのは、ランチにもあったヤマブシタケ。ひだひだがスープの旨味をギュっとキャッチし、シャクッシャクッという小気味いい食感がたまりません。
とにかく見た目がエグいので、初めて対峙したときは持て余しましたけど。笑
前回は満場一致で「鶏油がヤバい」ということになっていた我々。訳知り顔で、最初から「鶏油を頂けますか?」とお願いしてみました。
すぐに持ってきて頂いたのですが…驚くべきことが発覚。
なんと、ただ単にスープに鶏油を垂らしただけでは、普通なんです!←
しゃぶしゃぶも同様で、きのこ麺ほどのインパクトはなく…。やはり〆のきのこ麺に垂らした時に初めて、あの魔法のような感動が蘇ったのです。
提供のタイミングもちゃんと考えられているのだと、妙に納得する一同。
ところで、今回は六本木店限定の「トリュフかけご飯」も別途注文しました。
こちらは目の前でトリュフを削り、卵の乗った炊き込みごはんにたっぷり降り注ぐ様子を見せてくれます。きのこ麺と併せておすすめしたい一品。
もう一点、毎度気になっていることがあるのですが…
恐らくポットに燃料が入っていて、テーブルに着いてしばらくするとスープが沸騰し始めます。で、この火力が帰るときまで一度も衰えないんですよね。
一体どういう燃料なんだろう。
ディナーは2時間制が基本。ゆっくり食べてちょっと落ち着いたら2時間、という感覚です。
お酒を飲む人たちにとっては少し慌ただしいかもしれません。
おわりに
こちら、やはり女性から圧倒的な支持を得ている模様。
実際、私もきのこ鍋の話をした女性陣から漏れなく連れて行くよう要求されたため、何度も通うことになったわけです…笑
また同行者はビジネスの会食にたびたび利用しており、毎度とても評判がいいそう。雰囲気、味、サービス、話題性、そして価格のバランスを考えると納得です。
何といっても各自にポットが提供されるので、お互い気を遣わないというのが最大のポイント。
もちろんベジタリアンやヴィーガンもOKなので、実はかなり幅広いニーズをカバーしてくれるんですよね。
もう困ったときにはシャングリラ!と言えるほど万能なスポット。知っていて損はしない、豪華きのこ鍋のお話でした。
アジアン鍋の世界
おしまい