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Superdry 極度乾燥(しなさい)-逆ガラパゴス現象の高品質ファストファッションについて-

皆さん、街中でとあるブランドロゴを目にして不思議に思ったことはありませんか?そう、『Superdry 極度乾燥(しなさい)』と書かれた謎のあれです。

本日は、あのブランドが実はすごく使えるファストファッションだったことをご報告したく。

Superdry 極度乾燥(しなさい)

こんにちは、DEKAEです。

常々私も感じておりました。

訪日旅行者らしき若者が身に着けている『Superdry 極度乾燥(しなさい)』と書かれた服やカバンを見るにつけ、「あの恐ろしくダサいデザインは一体…」と。

どこかで見覚えのある『Superdry』というブランド名、そして『極度乾燥(しなさい)』という微妙極まりない日本語。

てっきりアジアの雑多な市場あたりで売られている類のものだと思っていたのです。

しかしですよ。ある日電車に座っていると、目の前に鼻ピアスをした白人の兄ちゃんが立っていました。

オシャレで格好いいな~と思いながら、背の高いその人が着ていたカーキのブルゾンの袖口を見たら…

しっかり書いてあるではありませんか、『Superdry 極度乾燥(しなさい)』と!

俄然、Superdryの文字が目の前で輝きを放ち始めました。もしやこれは、私の知らないところで世を席巻する超イケてるファッションブランドだったのでは…?

早速調べてみましょう。

極度乾燥はどこで買える?

Wikipediaによると、英国のファッションブランド『Superdry 極度乾燥(しなさい)』は2004年初めてのショップをロンドンにオープン。

…へ、英国?C国じゃなくて?←

創業者のJulian Dunkerton氏らが日本に来た際、あるビールに感銘を受け、その名前を自身のブランドにも使用したとのことです。本当にそのまんまだったのね…

『極度乾燥(しなさい)』というクールな日本語は、"Superdry"を翻訳ソフトにかけた結果をそのまま使っているそう。

色々法的に大丈夫なのかな…という感じのブランドですが、ヨーロッパ大陸だけでなくアメリカ大陸・アジア大陸へと順調に展開。

今では世界中の若者に愛される一大ファストファッションに育ってしまいました。

有名どころではレオナルド・ディカプリオ、ダニエル・ラドクリフ、そしてデビッド・ベッカムなどが愛用していることが確認されています。

さらにアフリカ在住経験のある知人によると、「南アフリカ共和国にもその店あった」とのこと!

それもそのはず。『Superdry』の製品は非常に高いクオリティを誇っているからなんです。

日本から受けたインスピレーションをアメリカンビンテージデザインに落とし込み、イギリスの伝統的なテイラリング技術を駆使して製造されています。

…これまたずいぶん大きく出ましたね。

しかし案の定、商標の関係で日本には上陸できなかった模様。

世界中の若者が「日本かっけぇ!」と思いながら着ている服を、日本人だけが知らずにここまできている…という逆ガラパゴス現象が発生しています。

さらにSuperdryの公式サイトは、現在日本からアクセスできないという事態に!

インスピレーションの源である日本国民は、公式通販ですら買えないという辛酸を舐めています。

そんなことを言われたらどうしても手に入れたくなるのが人情ってものですよね。

ということで、海外旅行に行くたびにSuperdryのショップを覗くようになってしまいました。

まぁ、日本人が訪れるほとんどの国の大都市であれば必ず何軒かあるので、探すのに全く苦労しないのですが。

極度乾燥のお値段・品質は?

さて、気になるのはお値段。

私のざっくりした感覚では、ZARAやAbercrombie & Fitchぐらいの価格帯かなぁという印象です。つまり、ファストファッションとは言いつつ やや手頃感の薄いライン。

しかしここで声を大にして言いたい。品質はかなりのものです。

とは言え私も2点しか持っていないのですが、ちょっとご紹介させてくださいまし。

ダウンジャケット

プラハのショッピングモール『Palladium』内の店舗にて、セールで13,000円くらい。旅行中に開封・使用したので免税にはなっていません。

年末プラハ旅で購入しました。この時、2011年に購入したUNIQLO×Jil Sanderのリバーシブルダウンジャケットを着ていたのですが、現地でSuperdryに交替。

このユニクロのダウン、もともと冬のヨーロッパ旅行のために購入したもの。

非常に活躍してくれたのですが、いかんせん東京じゃとても着られないレベルで暖かかったのと、羽毛が絶えず出てきていたのがネックでした。

Superdryで購入したものは、すっきりしたデザインのわりに真冬のヨーロッパでも快適な暖かさ。

さらに日本で着ていても暑すぎるということがなく、大変重宝しています。

またウエストと袖口がゴムで絞ってあるんですが、外からは見えないよう内側に作られています。

当初それに違和感があったのですが、確かにその方がスタイリッシュに見えるかも。ゴムがずり上がることもありませんし。

そして便利な内ポケット付き。

財布・パスポートがすっぽり入るサイズで、クリスマスマーケットやカウントダウンでもスリの心配をしなくて済みます。

ただねぇ唯一不満なのは、Superdry感が全く無いのですよ。ブランドロゴが胸元に付いてるようなのが良かったんですけど…

中を見てみたら、ウィンタースポーツのラインみたいですね。

そしてシームレスダウンって、クリーニングに出そうとしても断られるんですねぇ!

仕方なくシーズン終わりに自宅の風呂場でゼェハァ言いながら手洗いしてますけど、特にヨレることなく首元の立体シルエットもしっかりキープしています。

リュックサック

ウィーン国際空港内の免税店にて50ユーロ(7,000円くらい)

念願の『Superdry 極度乾燥(しなさい)』のブランドロゴ入りを発見しました!友人たちからは大層不評ですが、SとDの文字が堂々と鎮座しているのも可愛い。

ディテールも素敵ですよ。

▲ジッパーや紐部分にもブランドロゴがふんだんに使用されています。

▲ちゃんと内ポケットも。

わりとガンガン使用していますが、底部も全く擦り切れません。

▲1年ほど使用した状態です。

…この時は盲目的に「とにかくSuperdryが欲しいっ!」となっていたので何のためらいもありませんでしたが、改めて振り返るとやはりけっこうなお値段しますね。

イマイチポイント

このように品質に関しては申し分ないのですが、正直デザインや色使いに関しては「これ誰が着るの…」というようなものばかり。

ただ、これにはお国柄もあると思うのですが…

日本の洋服のデザインって圧倒的にカワイイ(と日本人は思っている)んですよ。

そして世界展開するファストファッションではエリアごとにデザインを変えているんですよね。

私、ファストファッションのデザインは今は亡きTOP SHOPこそ至高だと思っていたのですが、英会話の先生(イギリス人女性)が

「日本のTOP SHOPは全然ダメ。お子様みたいで私が着られるようなのが全く無いじゃない」

とおっしゃってました(意訳)。

つまり、外国人が着たいデザインと日本人が着たいデザインが根本的に違うわけです。

それからサイズ問題。

外国(特に欧米)で買い物しているとよくありますが、私が着られるサイズとか全然置いてません。下手したらキッズコーナーでちょうど良いくらい…

上のダウンも店頭にはデカいのしか無かったので、店員さんをつかまえて小さいサイズを引っ張り出してきてもらい、無事ゲットできました。

以上のような事情から、我々が着られそうなものを見つけるにはけっこうな根気が必要という点がマイナスポイントかな。

おわりに

いかがでしょうか。

何となく気になっていたあなたも、海外旅行の服装は現地調達派のあなたも、次回渡航の際には気軽にお近くの『Superdry 極度乾燥(しなさい)』ショップを覗いてみては?

うまく取り入れれば、私が電車で出会ったお兄さんのように ものすごくオシャレな人になれるかもしれませんよ(笑)

 

おしまい