こんにちは、DEKAEです。
行きたくても行けない国の筆頭が、西アジアのイラン。
数々の世界遺産を有し、見知らぬ訪問者を厚くもてなす文化をもつ人々が住まう美しい地ですが、いかんせん政治的・軍事的なすったもんだが多すぎて…
イランへの入国履歴があると米国やイスラエルへの入国がきわめて難しくなる、というのが現状です。
まぁ別にそれですぐに困るというわけでもないのですが、やはり旅行となると躊躇してしまうのは事実。
せめてその食文化だけでも日本で体験したい!というわけで、東京にあるイラン料理のお店のご紹介です。
1. 六本木/アラジン Aladdin
※2022年7月8日追記
この店舗は2020年12月に閉店、翌年7月に広尾にリニューアルオープンしています。以下は旧店舗の情報ですのでご注意ください。
六本木通りからグランドハイアットの正面入口に向かう路地の右手に現れる不思議な建物。
その2階に、イラン・アラブ料理アラジンが構えています。
イラン人オーナーが1996年に六本木の地にオープンした老舗。オーナーは1994年、日本で初めてのイラン料理専門店を出した方でもあるそうです。
なんたってもう店名がいいですよね。そして六本木という国際都市にあるために、いつも客層がバラエティ豊かすぎて楽しい。
思わず「普通ってなんだったっけ?」と考えてしまうほどのグローバリゼーションを感じます。店員さんも現地の方(?)しかいませんしね。
そんな異国情緒あふれるレストラン、お昼時にお邪魔しました。
ちなみに、コ○ナが流行する前は個性爆発のランチバイキングをやってたんです。ただでさえ珍しいイラン料理が食べ放題、という唯一無二の存在だったのですが…
このときはプレートランチに変更になっていました。お値段は変わらず1,200円(税込)。
バイキングは「一時的に中止」とのことですが、復活するかなぁ…
なんかいろいろあってよく分からない←
Aはシシカバブ(ラムミンチの串焼き)、Bはポロ(ピラフと同じ語源の炊き込みご飯)、Cは煮込み料理から1種類選択するようですね。
カレーもあるんですねぇ。イランで日常的に食べられているのかは不明ですが、アラジンのシェフにはインド系の方もいるようなのでミックスカルチャーしてみたのかも?
悩ましいですが、ここはイランを代表する料理でいきましょう。
バイキング時代にも必ずあったゴルメサブジ(Cの1番)をお願いします。これは羊肉、ハーブ、ドライレモンをスープでじっくり煮込んだもの。
この組み合わせ、いかにも東洋と西洋が混じりあった感じがしますでしょ。
こちらがセットの内容。
サラダは大量のフレンチドレッシング+バジルか何かのハーブがかかっています。風味はおもしろいんですけど、ドレッシングかかりすぎて味濃いw
スープは絶品!レンズ豆のポタージュかと思いますが、ハーブやコショウでじんわり身体が温まる…。玄米のようなプリっとした穀物の食感がまた良し。
ほどなくしてゴルメサブジ到着です。ほぼ黒に近い緑色で、エスニック慣れしていない方には少々ショッキングな見た目かもしれません。
味もなんとも説明しづらいんですよね~…。「酸っぱ苦い」とでもいうのか、東アジア料理ではまず体験しない風味です。
ただ、思いのほか優しい味でなんとなく健康に良さそうな感じもします。
下のほうには赤い豆が埋もれてましたよ。
セットに含まれる主食です。
たいていの人はこの盛り合わせを見たら怯みそう(笑)この量であれば、バイキング時代と比べてコスパの悪化は感じませんね。
イランあたりでも薄焼きのナンは一般的に食べられるようです。米もふわふわのインディカ米で、意外とさらりと食べられてしまいます。白米とサフランライスの両方乗せ。
ていうか、ゴルメサブジのセットにもシシカバブが付いてくるのですね。同じ値段でシシカバブのセットにすると若干損した気分になるんじゃ…
羊のシシカバブってパサパサしてそうなイメージがありますが、こちらのものは驚くほどジューシーです!肉とハーブの香りをしっかり感じる至福のひと時…
デザートにはココナッツプリン的なものも。この手のチョコレートシロップは苦手なのですが、すごい量かかっていて苦労しました。笑
これはサッカーイラン代表?
古い写真ということもありますが、なんだか不思議な印象を醸していました。
ランチは11:30~15:00、ディナーは17:00~22:00。
定休日はありませんが、日曜はディナー営業のみです。
※移転後の情報は → 食べログ
2. 江古田/ぺドラム Pedram
2019年、練馬区江古田に登場したイランの家庭料理専門店、ペドラム。
先のアラジンがイラン・アラブレストランと銘打っているのに対し、こちらはペルジアンレストラン。よりペルシャ人の食文化に特化した感じでしょうか。
江古田駅を出て路地を進むほど徒歩3分ほど、「福しん」さんの2階がお店です。
1階には以前からケバブスタンドがありますが、系列店らしいです。そういえばペドラムが入っていた場所も前はトルコ料理屋だったような…謎。
それはさておき、イラン料理は未体験!という方をお連れして伺いました。
日曜日の13時半という微妙な時間にもかかわらず、ほぼ満席!休日でもランチセットが選べるのは嬉しいですね。
え~っと…
ケバブ以外何が何やら全然分からない←
若干パニックでしたが、親切に日本語の説明が書かれていたので問題なく選べます。
後から見比べるとアラジンのランチメニューとほぼ同じラインナップだったことに気付きました。
アラジンのメニューがローマ字で書かれていたのに対し、ペドラムではカタカナ表記だったために全く異なる印象を受けたのですね。笑
同行者のゴルメサブジ。アラジンのに比べてよりマイルドな緑色かも。ドライバジルがベースになっているそうです。
このご時世なのでシェアができず残念…
私はゼレシュクポロにしてみました。
中東風ピラフの「ポロ」を彩るのは乾燥のバーベリー!イランの家庭料理には欠かせない果物だそうです。
柔らかく煮込まれたチキンには、カレーともビーフシチューとも違う不思議なソースがかかっていました。ほんのりスパイシーながら優しい味です。
セットにはサラダとスープ、ソフトドリンクが付きます。
サラダは極めて普通でしたが(←)豆のスープはやっぱり美味しい…こちらのはポタージュというより、玉ねぎなども入ってさらりとしたタイプです。
もうひとつのマトン肉メニューとしてゲイメがあります。こちらはトマトソースの煮込み。
別日に再訪して頼んでみました。
トマトで煮込んだ豆と羊、間違いありません。かなりボリューミーなので米が不足しがち。笑
「チャイ」はオーガニックのアールグレイだそうです。
ソーサ―のおじさんの顔が…気になる
ええっこんなところにバラエティ豊かなクリームソーダが!?強く惹かれる…
私は下戸ですが、カラフルなカクテルメニューも豊富でしたのでカフェバー使いもできそうですね。
シーシャ(水たばこ)が飾られた店内
この日はイラン人っぽいおじさんが一人で切り盛りしていました。日本語はペラペラです。うーん謎
というか、この目と鼻の先にイランと超絶仲の悪いイスラエルのレストランもある江古田って、マジでヤベー場所ですよね←
火曜~金曜のランチは11:30~15:30、ディナーは17:00~23:00。
土日は11時から23時までの通し営業で、月曜が定休日です。
3. 自由が丘/サバラン Sabalan
華やかなるスイーツの都・自由が丘ですが、駅を出てすぐのところに「自由が丘デパート」なる渋い建物があります。
なんだか地方都市の商店街のようなローカル感で、ファンシーな自由が丘のイメージとはまったくかけ離れた場所なのですが…
その2階には多国籍料理のレストランが並ぶという、さらなるカオス空間が広がっています。
その一角にあるのが、トルコ・ペルシャ料理のサバラン。
イラン出身のオーナーが2010年にこの地でオープンし、10年以上も営業を続けてきたペルシャ料理の草分け的存在です。
当時はイランの料理というものが珍しすぎて、それよりは日本人にもなじみ深かったトルコ料理を一緒に出していたのが今に至るようです。
外から中を覗くと見るからに怪しいのですが、お店の外にメニューの写真が並んでいるので意外と抵抗なく入れます。
このように、小さいながら異国っぽさ全開の店内!
明らかに日本のものである招き猫すら奇妙な呪術道具のように見えてきます。
塩ヨーグルトドリンクのアイラン(外税350円?)。
上に散らばっているのはミントかな?よく分からず←
初めて見るミルザガセミ(1,500円)にしてみました。何度唱えても脳から滑り落ちていく名前…世界史のテストとかに出たら絶望するやつです←
なすを素焼きにしてからペーストにし、ニンニクとトマトを和えて卵とじにしたもの。
もう想像するだけでウマイやつですし、想像通りのウマさでした。
ゴマがまぶされたナンが付いていましたが、バターたっぷりのインド的ナンではなくあっさり味のパンという感じ。
壁には怪しげな写真がずらり…。著名人と撮ったものも多数あります。
オーナーのアリさんは変装したりとテンション高めに写ってますが、実際はちょっとシャイです。
東京オリンピックの期間には、イラン代表チームに母国の料理を提供していたようですよ。
サバラン → 食べログ
営業時間は11:00~22:00(21:30ラストオーダー)、水曜日が定休です。
シーシャ(水タバコ)もあります!
このほか、とても気になったのがランチしか提供していない「ペルシャ鍋」のデイジイ。
夜に食べると胃に負担がかかりすぎるために、現地では昼にしか食べないという習慣があるとか。
それにならって日本でも同様にしているという、興味深い一品です。
夜にしかお目にかかれないレストランが多い中、お昼限定とはなんともそそられるではありませんか。
おわりに
トルコや南アジアとも類似するような料理でありつつ、独特なハーブ使いが特徴的なイラン料理の数々。特に羊肉好きは必見です。
意外と優しい味のものが多いので、もしかしたらエスニックが苦手な方でもいけるかも!?
今まで食の好みが合わず誘えなかったあの人に、声をかけてみてはいかがでしょうか。笑
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おしまい