※最終更新:2019年7月23日
こんにちは、DEKAEです。
クラシック音楽の聖地オーストリア。そこで年末の風物詩ともなっているのが喜歌劇『こうもり』の上演です。
この記事では、ウィーンでの『こうもり』観劇を考えている方に役立つチケットの買い方や当日の雰囲気をご紹介します。
喜歌劇『こうもり』 Die Fledermaus
概要
喜歌劇『こうもり』は、ウィーン出身の作曲家ヨハン・シュトラウス二世が1874年に作曲した喜歌劇、すなわちオペレッタです。
ドラマ要素の強い歌劇をオペラと呼ぶのに対し、よりライトなノリで楽しめるものがオペレッタとご理解ください。
『こうもり』も とにかく笑える与太話として書かれており、シリアス展開は皆無。
舞台設定が大晦日であるために年末に家族で観るのが定番となったようです。あちらの方にとっての紅白歌合戦のようなものでしょうかね。
あらすじを書くと長くなるのでWikipediaをご参照いただくとして…
1874年の初演はアン・デア・ウィーン劇場だったようですが、ここは今ミュージカル専用の劇場になっています。
現在ウィーンでこうもりを観劇する場合、国立歌劇場かフォルクスオーパーが一般的でしょう。
国立歌劇場は一流オペラ座の一つですので、おバカコメディこうもりの上演にあたっても世界中からスター歌手が集められます。
平土間席には各界の”それなりの方”が集うためヨーロッパの社交界そのままの光景が繰り広げられていますね。
この雰囲気だけでも味わう価値がありそうです。
対してフォルクスオーパーは訳すと「国民劇場」。一般市民が普段着でオペラを観劇できるようにと作られた場所です。
何となく高級なイメージがあるフォルクスワーゲンってのは、本来の意味では庶民の車なんですよね…
DEKAEは国立歌劇場にて二度オペラを観ていたので、今回はフォルクスオーパーにてこうもりを体験することにしました。
まぁフォルクスオーパーのこうもりって毎年来日してるんですけどね…現地で観ることに意義がありますよねっ
チケット
チケットはウィーン旧市街にあるインフォメーションセンター、各劇場のボックスオフィスなどで直接購入することも可能です。
ただし、特に年末年始の『こうもり』は大変人気の演目のため完売の可能性大。
そのため私はCulturallというサイトで事前に購入して行きました。
これはオーストリア版プレイガイドで、国内のあらゆる劇場のチケット購入・座席指定まで一気にできてしまうのです。
日本語が選択できて便利。翻訳が若干怪しいですが問題なく使えますw
特に便利なのが「スタンバイ」と呼ばれる機能。一般発売日に先立ってリクエストを入れることができます。
希望の座席エリアを選択しておくと、発売日にシステムが勝手に予約してくれます。
注意点としては、選択した中で最も高額な座席から順に割り振られていくこと。
私は平土間のど真ん中あたり、すこぶる良い席を割り振られてしまいました…それでも1万5千円程度でしたが。
フォルクスオーパー Volksoper
雰囲気と服装
旧市街の中心に位置する国立歌劇場に対して、フォルクスオーパーはやや外れにあります。
あんまり夜に周辺をウロウロしたくはない感じ…。ただ地下鉄6号線に「Volksoper」という駅があり、そこからすぐなので便利。
さすがに大晦日の夜、皆さん少々お洒落してお出でです。
男性陣はダークスーツもしくはジャケパン。国旗の影響か、赤いネクタイを締める人が多いです。
DEKAEもジャケパン+赤いネクタイで参戦しましたw
女性は高齢になるほどかっちりした装いです。若い人はよそ行きのワンピース程度かなぁ。
もちろん普段着の人も少しはいます。が、周りの目が気になる方はジーパンとかで乗り込むと少々肩身の狭い思いをするかもしれません。
ま、案内の人もクロークの人もフランクな感じなので全く肩肘張らずに過ごせますよ。
ビュッフェ
最も印象的だったのはビュッフェ(軽食コーナー)です。
国立歌劇場にはシャンデリア輝く大広間が各フロアにあり、Intermission(休憩時間)には着飾った紳士淑女が集います。
そこで見目麗しいオープンサンドやシャンパンを片手に談笑するわけですね。
一方フォルクスオーパーはカウンターが一か所のみ。しかも中にいるのはオジサン一人。
休憩時間になるとここにドッと人が集まってくるわけですが、皆さん列なんぞ作りません。右から左から好き勝手に注文するわけです。
で、驚いたのはこのオジサンの働きぶりですよ。
DEKAEも現地の人たちに紛れ、ビビりながらレモネードを注文してみましたが…
キュキュッとフタを取った瓶をグラスとともに渡され、お釣りもきっちり返していただきました。
その間わずか3秒(くらい)。目にも止まらぬ速さです…まさに職人芸。
列に突っ込むのに少々勇気がいるのと、注文時に声を張る必要がありますが(笑)ぜひお試しいただきたいところです。
内容は全く分かりませんが
ウィーンの庶民のためにウィーンのオペラをやるわけで、当然ドイツ語で歌ってます。
一応ステージの上の方に小~っちゃく英語訳が出ますが、実際あまり役に立ちません。
というのもこの『こうもり』、アドリブパートが非常に多いのです。
特に「酔っ払い看守」役は歌というよりほぼ喋りなんですが これで皆さんバカウケ。
内容はさっぱりわけワカメですが、貴婦人がヒーハー言いながら涙を流して笑っているあたり、おおよそお上品な内容ではないと思われます…
まぁ爆笑している人を見ると何となくこちらまで笑ってしまうというのはよくあることで、けっこう楽しめてしまうんですけど(笑)
国立歌劇場の方も似たような感じなんでしょうかねぇ。
おわりに
ストーリーは事前に調べていけますし、ポルカやワルツの楽しい調べに彩られた全三幕、舞踏会シーンではがっつりダンスのパフォーマンスも入ります。
150年以上も愛され続けてきたエンターテインメント。
ウィーンでは大晦日だけではなく年末年始にわたって数回上演されています。
前述の通り日本でも観劇の機会がありますので、まずは日本語字幕付きで体験してみるのもいいかもしれませんね。
翌日はウィーンフィルのニューイヤーコンサートです!
おしまい