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【養老天命反転地】おじさん一人じゃ映えんかったわ【岐阜県・養老公園】

ブログのテーマに「ニッチなもの」を掲げるだけあり、世界のB級スポットが大好きな私。

ある日、岐阜県にあるトンデモナイ美術館?公園?テーマ―パーク?の存在を知り、ぜひ行かねばならぬと考えていました。

そして実際にたどり着いてみると…B級なんてとんでもない、大混雑の超メジャースポットだったのです。 

養老天命反転地

概要

こんにちは、DEKAEです。

やって来ましたのは岐阜県の養老町にある、県営養老公園。中でもお目当てだったのが養老天命反転地です。

一見ただごとではない名前のこちら、いったい何なのかというと…

建築家/美術家の荒川修作とマドリン・ギンズが構想したアートであり、建築プロジェクトです。

ふたりは「身体感覚の変革により意識の改革が可能になる」とし、人間は人間の「身体」の可能性を生かして希望ある未来を作るべき、との考えにいたります。

その目的達成のため、身体を変革し、死を克服し、運命を反転させる建築・環境を構築しようというのが趣旨でした。

もう、この説明を聞いただけで「なんでそうなっちゃったの?」感がすごいですよね。

養老天命反転地は、そんな「考えるな。感じろ」系テーマパークとして1995年に開園。

これ、プロジェクト名としては「天命反転地」なんですが、養老という地名が付くのがまた絶妙なんですよね~。

これにより、なんか不老不死にでもなりそうな響きがいたします。

で、私この公園は雑誌か何かでその存在を知り、園内の珍奇な建築物の数々に心を奪われたんです。

ただ、そのときの私の印象は「なんて素敵なB級スポット!」。そんなに訪れる人も多くなく、ゆったりとその世界観に浸れるとばかり思っていたのですが…

とある休日に訪れてみると

げっめっちゃ並んどるやんけ

失礼ながら、こんな辺鄙なのにこれほど人が集まる人気スポットだったとは…完全に侮っていました。

しかも若いカップルやグループ、ヤングファミリーだらけのハッピーな空間。

私のようなおじさんが一人でチケットの列に並ぶのはかなりの違和感でしたが…せっかくここまで来たので気にせず潜入してみましょう。

この公園、身体と意識にはたらきかけるためにすべて斜面で構成されています。

私そんなこととは露知らず、たまたまスニーカーだったからよかったものの…それでもけっこう過酷でした。

間違ってもサンダルやヒールで行かないようご注意ください。

養老天命反転地記念館

さて、のっけからお出迎えしてくれる珍奇な建物が養老天命反転地記念館

「記念館」と言われましても

これといった入口があるわけではなく、内部に通じてそうなところから適当に入っていきます。中は迷路のようで、歩いていたらうっかり外に出てしまったり。

で、極めつけはこれ。

天井と床から無数に生えるカラフルな壁。

実はこれ、上も下も同じように生えていて、上下反転の写真が撮れるんですって。てなわけで若い男女らがあらゆる発想で映える写真を撮っていました。

ちょっと一人のおじさんは寄る辺ない感じに…いくら自撮りのプロでもここでは映えられない

昆虫山脈

記念館を出たところにあるのが昆虫山脈です。まぁちょっとした展望台と言えば聞こえはいいのですが…

かなり無造作に岩石が積み上げられており、手足の置き場を相当考えないと登れません(それより降りる方が恐怖)。

おじさん年甲斐もなく登ってみましたが、うっかり足を滑らせたらジ・エンドって感じでした。

これアレですよね、おばかなインフルエンサーが自撮りの最中に落っこちて命を落とすやつ。

現代日本にこんな場所があることに衝撃…今まで事故が起こったことないのかなぁ?

不死の門

無造作に竹が生やされたこちらは不死の門

老…現実を突き付けられたような気がします。

極限で似るものの家

このあたりから作品名がさっぱり理解できなくなってくる、極限で似るものの家

天井が岐阜県の形をしているそうです。そういうことは園内に全然書かれていないので、予習していったほうが楽しいかもしれません。

床から柱にいたるまで、縦横無尽に地図が描かれています。

よく言えばハウルの動く城みたい←

「家」というだけあり、細い通路に家具類が隠されています。

私こういうものを見るとつい現実的な考えが頭をよぎるんですが、壁の左右に切ったソファを貼り付けて作るんでしょうか…?

外に出ると、唐突に空いている穴。落ちたら自力では登れない高さです。普通に恐い

宿命の家

宿命の家は一見ただの道のように見えて、実は地下に「家」が隠れているという構造。

床がガラスになっており、内部の家具などを覗ける仕組みです。

目の前で小さい子がころんだのですが、ほんの数センチずれていたら白いやつで頭を打っていたところでした。比較的柔らかい素材とはいえ、ヒヤリ。

もののあはれ変容器

う~んもはやよく分からない…いや、理解しようとしちゃだめなんですよね。

記事内でご紹介した以外にも多数パビリオンがあります。混雑していたり遠かったりですべては見ていませんが、全部見たらかなりお腹いっぱいでしょう。

若者たちが思わぬところで写真を撮っていたり休憩していたり、柔軟な発想に刺激を受けました←

運動路

トドメ的に公園の一番奥にあるのがこちらです。

運動路とかさくっと一言で済ませちゃってますが、そこに至るまでの道のりがもう大変。

平坦な部分がなく、今にも滑り落ちそうな道をよろよろと歩いていかねばなりません。

頂上にあるこの部分が運動路。

このオレンジの床もでこぼこかつ急な斜面です。ここで年配者とすれ違うのとか本当もうドキドキ…

あまりのハードさに女の子が泣き出すカップルとかもいたし、デートで来ちゃいけないスポットなのでは…

高所恐怖症的にはあまり気持ちいいとはいえない光景。

下のほうのオブジェを見に行くための階段などはなく、急激な斜面を半ば転がり落ちるように降りていくほかありません。

おじさん大丈夫そ?

 

一周回ってオシャレに見えた道。

ところどころ外界への逃げ道があります。ここから中を覗くと異次元に紛れ込んだみたいですごい。

それにしても…ここでいかに子供を自由に遊ばせるか、親としての素質も試されそうです。子供を穴に入れれば引っ張り上げる作業も発生するし。

とか言いつつ、親たちもすべりこけたりしてなかなか大変です。

現代の感覚では間違いなく「危険度:高」な施設を自治体が許可したことに驚き。90年代っておおらかな時代だったんだなぁと感慨深いです。

アクセスなど

今回はまず岐阜県大垣市に向かい、大垣駅から養老鉄道に乗っていきました。本数が少ないですが、乗車時間は20分ちょっとです。

養老駅からは徒歩15分ほど。土日祝限定で養老駅から無料シャトルバスも出ていますが、1時間に1本程度なので基本歩いたほうが早いです。

開園時間は9:00~17:00(最終入場は16:30)。

休園日は毎週月曜日と年末年始(12月29日~1月3日)ですが、月曜が祝日の場合はその翌日が休園となります。

入園料は大人770円、高校生510円、小中学生310円。

詳細は公式サイトからご確認ください。

この日、養老鉄道の乗車券を持っている人はなんと入場料が無料だったのです!

期間限定のキャンペーンだったらしく「ラッキー!」と歓声を上げるJKたち。その横でホクホク顔のおじさんが一人…(私)

ていうか、大垣駅から養老駅まで片道420円。往復でも840円ですから、ほぼ入場料をペイできるという破格のキャンペーンでした。

楽市楽座(食事)

天命反転地の中には食事をする場所がないので、腹ごしらえは隣の楽市楽座でどうぞ。

屋台風のお店が集まった屋外フードコートです。

屋根もあって風通しがよく、気持ちがいい。

こちらのカフェテリアで焼きそばを注文しましたが…出来上がるまでにだいぶ待つのね。

あまりの待ち時間に、周囲からは「コンビニとかで買ってくればよかったね」なんて声もチラホラw

私もこの時は「弁当でも買って天命反転地で食べればよかったな~」と思ってましたが、実際あの空間を目の当たりにした後では、そんなことしなくて本当に良かったです。

できあがった焼きそばを持って席を探していると…

えっ待って!この景色は高まるっ!

かなりのパノラマビューで、解放感いっぱいに食事を楽しめました。

長いこと待ってようやくありつけた養老柚子焼きそば(500円)。養老でとれた柚子を自家製の柚子胡椒にしてるんですって。

塩焼きそばをさらにさっぱりさせて感じで非常に良かったです。バーベキューなどでぜひ試してみたい。

隣にあった「郷土料理」の店も気になったけど、だいぶ時間かかりそうなんで諦めちゃった…

養老の滝

せっかくここまで来たなら滝も見ちゃいましょう。遠いけど。

天命反転地からさらに2キロメートルほど歩いたところにあります。

正直、天命反転地でかなり無理な動きをし続けたせいでだいぶぐったりしていた私。滝は諦めようかとも思っていたのですが…

はっ疲れ果てたおじさんに救いの手が!このカートに乗らせてもらうことにしましょ。

ボランティアのおじいちゃんが一人で行ったり来たりしているので、けっこう待ちます。

私も結局30分ほど待ったのですが、実際滝までの道のりがかなりの山なので、本当に待って正解でした。

マジ勝ち組。

マイナスイオンもしっかり補給できたので、帰りは徒歩にて。

ふもとから登ってきた人々は皆さん滅茶苦茶しんどそう。すれ違いざま、降りてくる人に「あとどれくらいですか…?」と尋ねる声があちこちで聞かれました。笑

その他

レトロなライドがいっぱいの養老ランド。

YORO LAND…"You Only Ride Once"(乗れるのは一度きり)の"YORO"ですね?(違います)

おわりに

日本を代表する不思議スポット・養老天命反転地の潜入記録でした。

若者たちのように華麗に映えることはかないませんでしたが、良い運動になったということで…

あなたも、ここで身体と意識を常識から解き放つ体験をしてみてはいかがでしょう。くれぐれも動きやすい恰好でね!

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おしまい