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サンライズ出雲のB寝台で夜行列車の旅(出雲に駅弁はなかったけど)

こんにちは、DEKAEです。

日本では数少なくなってしまった寝台列車。それでも鉄道旅行愛好家にとって、いつまでも憧れの存在であり続けます。

今回は今の日本で唯一定期運行する寝台特急、サンライズ出雲に乗車。「日が沈む聖地」出雲から関東まで、およそ12時間の鉄道旅です。

サンライズ出雲

概要

サンライズ出雲は1998年に開通した寝台特別急行列車で、東京駅と島根県の出雲市駅をおよそ12時間で結びます。

JR東日本・JR東海・JR西日本が絡む長距離路線です。経由するのは東海道本線・山陽本線・伯備線・山陰本線。

サンライズについて調べていると、「最後の寝台列車」というような表現が多く見られます。

現在JRが定期運行している寝台車はこのサンライズ出雲と、岡山駅から四国方面へ向かうサンライズ瀬戸のみなのです。

学生時代は下関から京都までの夜汽車に乗ったり、上野から「あけぼの」で青森まで行ったりしましたが…

そういうのもすでに無いんですね。ちょっとノスタルジー。

ただ、最近は移動手段としての寝台に代わりクルージングスタイルの豪華寝台列車が人気。夜行列車の旅そのものは楽しむチャンスが一応残っています。金と暇さえあれば

ダイヤと注意

今回は出雲大社に詣でたあと、関東の自宅まで戻る際にサンライズ出雲に乗車しました。

出発地点の出雲市駅は、この辺りの神社に特徴的な「大社造り」を意識したような駅舎です。

毎日運行しており、出雲市発は18時51分(2021年8月現在)。今回下車した横浜には午前6時44分着でした。終点の東京には7時08分着です。

なお、下り列車は東京駅21:50発、出雲市着が午前9:58となっています。

が。

毎日運行といいつつ、JR山陰線って雨風にものすごく弱いんです。というわけで、頻繁に運休になってしまうのが玉に瑕。

実際、私が乗車した前後2日ずつぐらいは雨で運休になっており、運が良かったというか何というか…

なので余裕をもった旅程にするか、代替交通手段について考えておいたほうが安全です。

B寝台(シングル)

サンライズにはいくつかの客室等級がありますが、今回はB寝台シングル(特急・寝台料金11,000円)をチョイス。

これに乗車券代12,210円が加わり、計23,210円でした。ぶっちゃけ航空券とあまり変わりません

客室のある車両は2階建てになっており、私は上段でした。

どっちがいいかというのはあまり無さそうですが…なんとなく2階のほうが眺めが良さそう&振動が少なそうという気はします。

各客室には鍵付きの扉が設置され、完全にプライバシーが保たれるようになっています。

こちらがB寝台シングルの客室!

ベッドに座るか寝るかぐらいしかできないスペースですが、天井もまぁまぁ高く圧迫感はありません。

なんといっても大きな窓が開放的ですよね。寝っ転がりながら空を見上げることもできます。

ただしこの窓が仇となり(?)駅に停車中はプラットホームから中がモロ見えです。カーテンを開けたまますっぽんぽんでくつろいでいたりすると気まずいことになるので気を付けましょう

ベッドのサイズは身長170cm弱の私が余裕で足が伸ばせるくらい。

二段ベッドのようになっていてツイン利用できる部屋もあります。夫婦や親子旅に最適ですね~

シングルより1,000円安い「ソロ」というクラスもあるのですが、そちらは立ち上がれないほど狭いそうです。

1,000円の差なら断然シングルのほうがおすすめ、というのが一般論のよう。

スリッパと寝巻があるのは想定外であった…パジャマ持参したけど使わず。

ただし、短めの浴衣をゴムの紐でしばるだけなのですぐにはだけますし、おみあしはわりと出てます。

女の人だとちょっと心許ないかもしれません。

続いては客室内設備。電源ソケットは一つだけありました。

小物を置くスペースも十分です(PCでの仕事などは厳しいかもしれませんが)。

テレビ等は一切なく、デフォルトで聞けるのはNHKラジオのみ。

イヤホン等は付属していないため、持参が必要です。

コップは置いてくれてます。ちゃんとカップホルダーもあるのがいいですね。

サンライズ、意外と揺れが激しいので並々そそがないようにご注意ください。

今どきの夜行列車は電子錠なのね…

出かけるたびに暗証番号を設定し、戻ってきたときは再びそれを押すだけ。非常に楽ちんです。

お出かけついでに、寝台料金が最も安い「のびのびシート」も見学しました。

思ったよりプライベートが保たれる空間で驚きました!このクオリティならのびのびシートでも全然ありやな

全体の設備

これは重要なポイントですが、サンライズにはワゴン販売や売店がありません。

食事や飲み物類は事前に購入してから乗り込みましょう(水・お茶・コーラの自販機のみ車内にあります)。

3号車(ラウンジカー)に様々な設備が集合しています。

ラウンジカーでは外の景色を眺められるようになっています。ただし左右4シートずつしかないのであまり落ち着かないかも…

自動販売機にもこの程度の飲み物は売っています。

A寝台利用者には専用のシャワールームがありますが、B寝台とのびのびシートの皆さんは3号車のものを利用しましょう。

利用にあたってはシャワーカード(330円)を購入する必要があります。

カード自体も乗車の記念になりそうなデザインでテンション上がる。

数に限りがあるようなので(しかも少ない)、乗り込んだ直後に買うのがおすすめです。

扉を開けると簡単な脱衣所があります。

床は濡れていることがあるので、中空にカゴが設置してあるのは非常に親切。

ドライヤーの下部にカードを差すと、浴室のお湯が6分間使えるようになります。

カードを差してから入口の扉を開けてしまうと、その時点でカードが無効になってしまうのでご注意を。

ていうかドライヤーが設置してあるのうれしい!しかも無料で使えます。

シャワールームは30分以内のご利用でお願いしますと書かれているので、ささっと乾かして出ましょう。

シャワーをスタートすると6分のカウントダウンが始まります。上の写真はお湯を停止している状態。この状態ではカウントダウンもストップしています。

かなり風呂が短いほうの私でも4分近くはお湯を使ったわけですね。髪長い人だとギネス記録に挑戦ぐらいの勢いになりそう…

リンスインシャンプーとボディソープは設置してあるので、気にしない人であれば手ぶらでOK。

終わったら次の方のために「シャワールーム洗浄ボタン」を押してあげましょう。

浴室がブシャーッと勢いよく洗浄されたのち、シュパアアアアアッという突風とともに水分が吹き飛ばされます。

くれぐれも扉は閉めた状態でボタンを押してくださいね。

岡山到着前にはシャワーを使いましたが、その時点ですでにカードは売り切れ…

いったい何枚ほど入っているのかは謎ですが、やはり乗り込むと同時に買っておかないと厳しそう。

見どころ

続いてはサンライズ出雲の乗車中の見所~。

出雲市から東京方面に向かう場合、夏場の出発時は明るいので車窓風景も楽しめます。

・宍道湖

走り出して間もなくすると、進行方向左手に宍道湖が。列車の名前こそサンライズですが、やはり出雲はサンセットが美しい。

宍道湖沿いだけでけっこうな駅数があり、いかに広大かがよく分かります。そうこうしているうちに松江に到着ですからねぇ…

さらに松江を越えると中海と呼ばれる湖沿いを走ります。こちらも広大で、湖を抜けるともう米子。

・岡山駅でサンライズ瀬戸と連結

サンライズ出雲は7車両しかないのですが、岡山でサンライズ瀬戸と合体して14車両になります。

岡山駅では連結作業があるため、比較的長時間停車。この間に撮影のために降りていく人もけっこういました。

私そんなこと知らず、岡山駅に着いたときにはすでにシャワーを済ませてセクシーな寝間着姿になってしまっていたので…降りてみるのは自重。

駅弁問題

鉄道旅の醍醐味といえばやっぱり駅弁ですよね。私も当然そのつもりだったんですが…

なんと出雲市駅には駅弁屋というものがないのです!

小規模なお土産屋はあるものの、売っているのは出雲そばの麺とかで…ちょっと違う…

その代わり、松江市の弁当業者の駅弁を出雲市駅構内のそば&ラーメン店で委託販売しているという情報を得ていました。

くだんのそば&ラーメン店を出発前に覗いてみると…

…はい?

しかもお弁当を買いたい人は向かいのセブンで買ってくれなんて冗談のようなことが…

コンビニ弁当の味がどうこうじゃなく、駅弁を買いたい層が求めるのはそれじゃないと思う…

結局市内で早めの夕飯を食べて、おやつだけ買ってから乗り込みました。

松江駅とかだと普通に駅弁が買えるらしいんですけど…出雲市駅から乗車予定の方は要注意です。

もしかしたら、ワンチャン岡山駅の停車中に何か買えるかもしれませんが…保証はいたしかねます。

おわりに

島根県と鳥取県は、陸路で行くのはけっこう大変。

設備や内装も新しいし、当分はなくなりそうにないサンライズですが、時代の趨勢でいつ定期運航が廃止されるかは分かりません。

乗り鉄や寝台列車ファンの方は、早めに乗っておいたほうがいいかもしれませんね。

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おしまい