こんにちは、DEKAEです。
横浜・山手と聞くと、瀟洒な洋館が立ち並ぶハイソな街並みが思い浮かびますよね。
しかし、今回の舞台はいわゆる「山手地区」ではなく、JRの山手駅。この辺りに、廃墟と化した競馬場が眠っているというのです…
根岸森林公園
このブログに何度か登場頂いている廃墟友達のスペイン人、彼と今回訪れたのは港町ヨコハマ。目指すのは根岸競馬場跡、またの名を横浜競馬場跡です。
正確には根岸競馬場一等馬見所跡。根岸森林公園の一画に残されています。
というか、この競馬場跡の広大な敷地を利用して作られたのが根岸森林公園だったようですね。
JR山手駅からキリキリ歩きました。
蛇行しながら、けっこうな坂道を登っていかねばならないので着いたときはちょっと息切れ…
入り口までだいたい15分ほど歩いたでしょうか。
さすが競馬場跡だけあり、園内には馬にまつわるモニュメントや施設がたくさん。
入口には馬の博物館がありましたが、有料なのでスルー…←
あらかわいい花壇。なごみますねぇ、空模様があまり思わしくないですが。
この日は会えませんでしたが、園内のポニーセンターでは乗馬体験なんかもできちゃうそうですよ。
しかしまぁ、「森林公園」なんて名前がついているほどですから、その大きさには度肝を抜かれます。
こ~んな芝生が一面に広がる光景は圧巻。奥に木々が生えているあたりが森林ゾーンですね。
そのさらに奥、遠~くのほうに、目指す競馬場の先っぽが見えております…
入口付近にあるレストハウスから競馬場まで、どれくらい離れているかチェックしてみましょう。
遠っ
米軍根岸住宅地区
レストハウスからさらに歩くこと10分ほど、一度道路を渡ったところの区画に競馬場跡はあります。
とその前に…
こんなところにアメリカ軍の居住区が!「米軍根岸住宅地区」と呼ばれる一画です。
アメリカ合衆国の管理下にあり、当然我々のような一般ピーポーは入れません。
しかし、2015年にすべての住居者が退去してからは無人みたい。さらに2021年には住宅地区が横浜市に返還されることも決まっています。
一時期、この辺りをディ○ニーランド化しようとする動きがあったり、結局頓挫したり…とニュースでやっていたことがありました。
聞き覚えのある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ちなみにこちらは外から見たところですが、YOKOSUKAの文字があることから横須賀基地関係者が住んでいたと推察されます。
根岸競馬場一等馬見所跡
ここまで来れば、お目当ての競馬場跡は目と鼻の先。こちらにも公園の案内図がありました。
なんでこんな「魔女の住む森」みたいなテイストなの…?
まぁそれはさておき、いよいよ競馬場とご対面。
う~ん、期待にそぐわない廃墟っぷり。
現代のスタイリッシュな競馬場から考えればレトロすぎるこの建物、建築は1930年ごろです。
ペリー来航後多くの外国人が居留した横浜に、日本で最初の競馬場「根岸競馬場」が作られたのが1866年のこと。その規模は「東洋一」ともてはやされたと言われます。
やがて地上7階建ての「馬見所」として建設されたのが、今は廃墟となったこの美しい建物です。
競馬場の会員には時の宮家や明治政府の要人が名を連ねていたため、内部には貴賓室やレストランが設けられました。一言に競馬つったって時代が違うんですよねw
設計はアメリカ人建築家のJ.H.モーガンで、旧丸ビルの設計を手掛けた人物としても知られています。
この馬見所、本当は塔が3つ並んでいるんですが、正面から撮影するのはほぼ不可能です。
塔の手前はすぐ小さな崖のようになっており、なんというか絶妙に写真が撮りづらい地形なのですよ…
そして中に入れないので、肝心の観覧席は見られないという。
とりあえずいろいろなアングルから眺めたり撮影を楽しんでみたり。
こちらは入口から見て手前側ですが、なぜかふもとにバスケットコートがあるのが興味深い。
地元の少年たちが、競馬場なんてまったく気にする様子もなくシュートの練習をしていました。
蔦が絡まりまくっているところと全然絡まっていないところに分かれているのも奇妙でした。
日当たりの関係なのでしょうかね。
丸窓が…目が血走った人みたいに見えてきてコワイ。
現役感満載の監視カメラや有刺鉄線に阻まれて忍び込めないのが残念でした←やめなさい
内部はけっこう崩落している箇所もあったりして危険だそうです。
住宅地区一帯の返還に合わせ、横浜市が馬見所の整備・公開も検討…なんて話も出ているようなので、そちらに期待でしょうか~。
まぁなかなか公費でそこまでやるのはハードルが高いけれど…横浜市の金遣いの荒さを見る限り、いかにもやってくれそう←
競馬場跡の近くには、イングリッシュガーデンなる素敵スポットもあります。
小規模ですが美しい花が植えられていて、なかなか見事ですよ。
ローズを利用してそれらしい写真を撮ってみたの図
ランチ
ここからは昼食事情についてです。
レストハウスがありますが、売られているのはお菓子と飲み物がメイン。軽食としても肉まんぐらいしか売っておらず、昼食は持参したほうがいいかと。
当初、山手駅前のスーパーで弁当を買って行こうと目論んでいたのですが、お弁当の品ぞろえがパッとしなかったので断念しました。
結局我々が入ったのは、レストハウス横の出口から歩いてすぐのアメリカンダイナー、CIMOLO。
内装がコテコテのアメリカンで非常に私好み。
バーベキューグッズなども売っていて…広い庭付きの一軒家に住めたらねぇなどと考えちゃった。
ザ・グリルハンバーガー。
すっごい失礼を承知で言いますと、「ほかに選択肢がないから仕方なく入った」にもかかわらず、ハンバーガーがちゃんと美味しくてとってもハッピーでした。
肉厚のパテがジューシーなのはもちろん、これまた分厚い玉ねぎのグリルの甘さが最高。
さらに、フライドポテトが超絶好みの揚がり方で感動っ。
同行者が頼んだキューバンサンドも美味しかったそうです。
いずれもワンドリンクセットで1,400円(税込)。グリルバーガーと考えるとこれぐらいの値段かな~という感じですかね。
しかし、くどいようですが他に選択肢がない状況でこのクオリティと値段なら納得しちゃう。
CIMOLO → 食べログ
なお、CIMOLOのすぐ近くに海の見えるフレンチレストラン、ドルフィンもあります。
かのユーミンが歌にしてしまったほど美しい景色も堪能できるとのことですが、表に出ていたメニューの値段を見た途端に引っ返してしまいました←
おわりに
廃墟とは、かつての賑わいを色濃く刻むものほど棄てられ忘れられた姿に味わいが出るものです。
開港当時、江戸時代から抜け出せない日本国民を置いてけぼりにして瞬く間に国際都市へと変貌していった横浜。
そんな歴史の混沌と熱気の渦を感じさせる、日本でもちょっと珍しい廃墟のご紹介でした。
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おしまい