こんにちは、DEKAEです。
私かねてより、中央アジアに強い憧れを抱いております。
ヨーロッパとアジアを結ぶシルクロードの交差点であった中央アジア。東西の影響が溶け合って、独自の街並みと文化を形作ってきました。
なかなか訪れるにはハードルが高いエリアですが、ありがたいことにその食文化は日本にいながら体験可能。
てなわけで、東京でシルクロードの風を浴びてみましょう。
ヴァタニム VATANIM
ウズベキスタンとキルギスタンの料理
今回お伺いするヴァタニムは、ウズベク・キルギス料理のレストランです。
春日部で中央アジアのパンを販売してきた『シルクロードベーカリー SHER』のオーナーが、より本格的な中央アジア料理を提供すべく2019年に開業。
オープン当初は高田馬場にあって二度ほど伺いましたが、三度目に行ったら消えていました…。
しかし、SNSを見ると移転したことが発覚!新井薬師前に良い物件を見つけたようです。
高田馬場に比べて全然不便な場所なんですが(←)あの味が恋しくなって行ってきちゃいました。
お店の様子
最寄り駅は西武新宿線の新井薬師前駅。中野駅からブロードウェイを突っ切ってもたどり着けます。
新井薬師駅から行く場合の目印は新井薬師参道。この参道のひとつ隣の通りにあります。
中野駅側からですと、「薬師あいロード商店街」の終点がヴァタニムなので少し分かりやすいです。
懐かしの看板が見えました!高田馬場にあった時と同じものだと思いますが、建物が大きくなった分控えめに感じます。
んで、その右隣に別の看板のようなものがありますね。高田馬場の店は居酒屋だった物件の居抜きでしたが、今回もそうかな?
以前は10名ほどが座れるカウンター席のみでしたが、そのカウンターが無くなったかわりにテーブルがいくつか。小上がりの座敷もありますw
30名ほど入れるようになってますね。
しかし、新井薬師前というロケーションはなかなか不思議です。中央アジア出身者の在住者は西武線沿いに多いんでしょうか。
VATANIMの中央アジア料理
ラズベリーカンポット malina kompot
飲み物はラズベリーの果肉たっぷりカンポット(400円、以下全て外税)。カンポットはスラヴ生まれのジュースだそうで、かなり甘いです。
ちなみにウズベク・キルギスの主要な宗教はイスラム教ですが、規制が比較的緩いらしく、アルコールや写真についてあまり文句を言われないと聞きます。
が!VATANIMでは厳格なムスリムのルールに則り、酒類は一切置いていません。
これ、下戸だけれど一人外食大好きな私には実に嬉しい。
飲み物で客単価を稼ぐ店だと、飲めなくて申し訳ないなーといつも思うんですが、この手の店は堂々とジュースと料理を楽しめば良いのでね。
ラグモン lag'mon
中央アジアの代表的な麺料理、ラグモン(1,350円)。細めのうどんのような、かなり弾力の強い麺です。注文してから手打ちしてくれました。
スープにマトン・野菜と共に入っています。混ぜ混ぜして頂きまーす
入っていた野菜はピーマン、パプリカ、じゃがいもにいんげんかな。そしてパクチー!相変わらずスーパーで普通に手に入る野菜なのに魔法のように美味しい。
トマトベースのスープはさっぱりしていて、飲み干してしまいました。何ともいえない優しいスパイスの香りは、恐らくクミンのもの。
この日は事情があって注文から30分待ったのですが、もう空腹すぎて秒で胃袋に消えました
ヴァタニム vatanim
店名でもあるヴァタニム(500円)は、タルトっぽい生地に「スメタナ」とドライフルーツを挟んだ冷たいデザートです。
スメタナは中央アジアから東欧界隈で広く食べられているヨーグルト的な発酵乳製品。
生地がばっきばきに焼き切られているのと、スメタナがカチンコチンに凍っているためにフォークが全く刺さりませんw
穏やかな風味のチーズケーキのようですが、なんとなく健康的な感じもあるので罪悪感がないのではないでしょうか。
※2021年1月22日追記
別日に他のメニューも試したのでご紹介。
紅茶
中央アジアの紅茶は香りこそ少し地味ですが、その分食事に合わせやすい風味です。
一人では飲みきれないほどたっぷり入ったポットが500円はお安い…
ディムラマ Dimlama
魅惑的なクミンの香りがふわっと漂ってきたと思ったら…
ウズベキスタン風肉じゃがのディムラマ(1,200円)の登場!肉・じゃがいも・にんじんが柔らかく煮込まれたみんな大好きな一品です。
こちらの肉はマトンでムスリムっぽさが倍増ですね。骨付きですが、しっかり煮込んであるため身離れも抜群。
右のほうにはピーマンの肉詰めもありますよ。コメも一緒に詰められているため、これだけでけっこうボリュームたっぷりです。
また玉ねぎも一緒に煮込む場合もあるようですが、VATANIMでは生のスライスが乗っかったスタイルです。
ノン Non
中央アジア人の主食たるパンがノン(400円)。生地を窯焼きにして作られるもので、発音からも推察される通りインドのナンと同じ要領ですね。
しかしまぁデカいわこれ…。ナンと同じといいつつ、かなりぎっしりしているためベーグルに近い感覚かもしれません。腹持ちがすごい。
紅茶といいノンといい、完全に複数人で分けるべきものでしたね。
で、食べ終わってふとメニューを見たら、ノンの隣に「クルチャ(ノンの小さい版)」というのがありました。確実にこちらが正解であった
VATANIMのイフタール
実はこの日、すっごい満席でした。相変わらず人気なのかーと思っていたら、どうやら空気がちょっと違うような…
んではたと気付く。ラマダン中だったのです。
イスラム教徒はラマダンの間、太陽が出ている間は断食し、夜明け前と日没後にがっつり食べるんですね。
このうち日が暮れてからの食事をイフタールと呼び、これをムスリム向けに提供するお店が都内にもいくつかあります。
VATANIMでもイフタールをやっており、それ目当てに訪れたグループ客で大繁盛&大忙しだったというわけ。
店内はまぁ中央アジアの男だらけ…画がいかつい。イフタールで外出するのは男の人だけなんでしょうかねぇ
飲み物を持ち込んでいいか交渉していたグループもあり、自由w
お酒はダメなのでコーラ買ってきてました。コーラ、メニューにあるんですけどね。せめてメニューに無いやつにしてあげてって思ったw
彼らはひとしきり祈りを捧げながら食事をし、帰り際には他人と握手してから帰ってました。
う~む、こんなところで思わぬカルチャーに出会っちゃった。
その中にロシア人らしき客層も混ざってさらに謎な雰囲気に!まぁ謎といえば、ここに一人でいる私が一番謎なんですけど
てなわけで、完全に行くタイミングをミスりました。しかもよりによってラグモンなんて手間のかかるものを頼んじゃったしw
そんな中、店員さんたちはテンパリながらも笑顔で感じが良くて。忙しいとすぐ態度に出る私は見習わないといけないな〜と思いました←
VATANIMの営業時間
※2020年12月14日更新
平日はランチ11:00~15:30、ディナー17:30~24:00。土日祝は11:00〜24:00の通し営業でグランドメニューのみです。
定休日は月曜日。臨時休業がありますので、念のためあらかじめFacebookでご確認ください。
ヴァタニム VATAIM → 食べログ
※禁煙
おわりに
ウズベク・キルギス料理というもの珍しさもさることながら、何を食べても美味しいというのが一番のポイントですね。
エスニック好き、特にお酒より食べるほうが好きな方には大変おすすめ。
ベーカリーSHERには通販サイトもあり、中央アジアのパン屋や雑貨などが買えます。
「新井薬師は遠いわ」という場合でも、自宅で手軽にイスラム気分を味わえますよ~。笑
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おしまい