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Café Notable - ブエノスアイレスの美しきカフェ(サン・テルモ他編)

Buen día(こんにちは)、DEKAEです。

ブエノスアイレスのカフェめぐり、今回は五月大通りより南側エリアのご紹介。

El Federal

観光地として有名なサン・テルモ界隈にもクラシカルなカフェがあります。

ヨーロピアンなアコーディオン音楽が静かにかかるBar El Federal。

「連邦制」という堅苦しい店名ですが、その由来は分かりません。

サン・テルモ在住(!)の友人に連れてきてもらいました。

なかなかの大箱の様子です。

「テラス席と店内どちらにされます?」と聞かれ「中で」と即答する日本人私。

夕方の店内は混雑していて、奥の薄暗いエリアになってしまいました。笑

Barとありますが、おそらくイタリアのバールから来ているのでしょう。

早朝から深夜まで営業しており、エスプレッソを飲みに立ち寄る方からがっつり食事をとる方、アルコールをたしなむ方まで多様な客層です。

アルゼンチンに来たら絶対に食べたかったtarta de limón(レモンパイ)!念願かないました。

別になんてことない焼き菓子なんですが(←)意外と日本で見かけないんですよね…

爽やかな酸味が長旅の疲れを癒してくれます。

アルゼンチンで使われるレモンは日本の黄色いやつではなく、緑のものだそうです。風味はライムに近いのかもしれません。

同行者が注文していたメディアルナ。

いわゆるクロワッサン的な太くてサクサクしたものと、写真のように細くて歯ごたえのあるもの2種類があります。

飲み物は手前がcafé con leche(カフェラテ)、奥がカプチーノです。

そういえばブエノスアイレスのカフェでは、どの店でも必ず炭酸水がサービスされます。

Bar El Federal

〔住所〕Carlos Calvo 599, C1068 Cdad. Autónoma de Buenos Aires

〔営業時間〕8:00~2:00 定休日なし

La Poesía

El Federalの3ブロック先にあるこちらは、「詩」という名をもつカフェ。

BGMにはジャズトランペットが流れていました。

朝のサン・テルモには観光客も少なく、穏やかな空気が流れています。

店名のとおり、机に詩人の名を刻んだプレートが付けられています。

歴史を感じる写真や、この場で行われた詩のイベントに関するポスター類も必見。

アルゼンチン土産の定番になっているAlfajor(アルファホル)をいただきます。

種類を選べたのでmaicena(コーンスターチ)にしました。

通常はチョコレートでコーティングされているアルファホル。

ですが、こちらはほろほろの生地でdulce de leche(甘いミルクを煮詰めてキャラメル状にしたもの)を挟んであります。

想像通り口中の水分を吸い取られる系…笑

飲み物はカフェ・アメリカーノです。

普通に「カフェ」と注文するとエスプレッソが出てくるので、我々になじみ深いコーヒーが飲みたければ「アメリカーノ」を注文しなければなりません。

La Poesía

〔住所〕Chile 502, C1098 AAL, Cdad. Autónoma de Buenos Aires

〔営業時間〕8:00~2:00 定休日なし

Café de los Angelitos

ブエノスアイレス地下鉄(Subte)のLínea Aに乗って、少し西へ進んでみましょう。

Congreso(議事堂)駅とPasco駅の間に位置する有名店、小さな天使たちのカフェです。

入口扉の上部にはカフェの建物が描かれたステンドグラスが。高い天井いっぱいのところまで窓があるため、店内は明るい雰囲気です。

額に入れられ整然と並んだ写真、レトロな照明が正統派カフェといった趣。

個人的にはブエノスアイレスでもっとも居心地の良かった店かもしれません。

床まで素敵である。

よく分からないうちに多分アメリカーノを注文したものと思われる一杯😂

種類が難しくて、質問しても結局違いが分からないんですよね。だいたいがミルクの量の違いらしいですが…

ブラックが飲みたい場合は「アメリカーノ」と頼むのが無難でしょう。

そもそもコーヒーに砂糖もミルクも入れずに飲む人があまり欧米にはいないようで、なかなか意図を理解してもらえないという…

コーヒーを頼むと小さな焼き菓子が付いてきました。

ハムとチーズのmedia luna。どのカフェにも必ずありました。

ほぼクロワッサンなんですが、それほどバターこってりではなくて食べやすいです。

Café de los Angelitos

〔住所〕Avenida Rivadavia 2100 (esq, Rincón, 1033 Buenos Aires

〔営業時間〕9:00~19:00 定休日なし

ほぼ毎晩、20時よりタンゴショーが開催されます。

Las Violetas

同じ地下鉄のLínea Aでもう少し西へ下り、Castro Barros駅で下車します。

賑やかな交差点のコンフェクショナリー兼カフェを発見しました。

「すみれ」を意味する店には少し派手な看板がかけられていますが、2024年で創業140年。

アルゼンチン建国からの歴史をほぼすべて見てきたと言っても過言ではないでしょう。

しかしまぁパリのキャバレー的な香りがするなぁと思いつつお店に入ると…

予想に反してノーブルな雰囲気っ

細部に至るまで絢爛たる装飾がほどこされ、店の設計そのものがひとつの芸術のよう。

世界一豊かな国の名声をほしいままにした、20世紀はじめのアルゼンチンの輝きにしばし思いを馳せます…

入って右手がカフェテリア、左手がレストランとはっきり分かれています。

入口でスタッフに「レストラン?カフェ?」と聞かれるので、ご希望をお伝えください。

レストランはダンスホールだったのかと思うような広々空間…。意外と若い客が多く、服装もカジュアルでした。

夜はもっとシックなのかも?

カフェスペースはこうなっております。やはりこちらのほうが肩肘張らない雰囲気です。

半ドーム型のステンドグラスにもお金かかったんだろうな~という…

コーヒーの気分でないときは必ずレモネードを注文します。

アルゼンチンではミント&ジンジャーというフレーバーが定番のようでしたが、今回は別のオプションを選んでみると…

なんかキウイ入りのスムージー?って感じでした←適当

奥はコンフェクショナリー。そちら側から入るとカフェに抜けられないため要注意です。

菓子を買い求めるお客さんも途切れることはないのですが、それを大勢のご婦人方が目にも止まらぬ速さでさばいていました。

南米でこのように勤労意欲の高い空間を見ることってまずないのですが(失礼)

世界中から人が集まる港町だったブエノスアイレス、往時はこれぐらいの忙しさが日常だったのかもしれません。

という栄光の名残りを感じ、一人感傷的な気分に…

Las Violetas

〔住所〕Av. Rivadavia 3899, C1204 Cdad. Autónoma de Buenos Aires

〔営業時間〕6:00~1:00 定休日なし

Café Margot

最後はボエド地区。地下鉄Línea AのBoedo駅へ向かいます。

オメロ・マンシとアニバル・トロイロによる美しいタンゴ歌曲Surの舞台はこのあたりです。

ボヘミアンな店内だからなのか、BGMにはインディー系のロックがw

少々薄暗いのもあいまって、なんだか学生街の秘密基地のような感じがします。

本記事に登場するFederal、Poesía 、Margotは同系列みたいですね。

確かにこの3店舗に関してはややアングラな店構えや装飾が共通しているかも。

そんな雰囲気のお店ですが、タンゴの世界そのものの紳士がコーヒー片手に新聞を読んでいました。

これも絵になります。

こちらには名物sandowich de pavitaのために伺いました。

自家製パンにpavita(七面鳥)、ゆで卵、トマト、レタスを乗せたサンドイッチ。具材が多すぎてオープンサンドになっています。

pavitaは酢漬けになっているということで、どういう味がするんだろうと思っていたら…

想像通りというか、酸っぱいツナ缶みたいな感じでしたwww

サンドイッチといえど量が多すぎて6分の5ぐらいで断念。

会計時、ウエイターに「大きいでしょ!」と嬉々として言われましたので、確信犯のようです。

もっとも、アルゼンチンでは一般的に一皿のボリュームがでかいんですけどね。

Café Margot

〔住所〕Av. Boedo 857, Cdad. Autónoma de Buenos Aires

〔営業時間〕8:00~2:00 定休日なし

おわりに

まさかブエノスアイレスがこれほどカフェめぐりの楽しい街とは思いもよりませんでした。

端正の極みのような貴族系カフェ、少々の野趣も感じられるボヘミア系カフェと、気分に応じて使い分けることも可能です。

それぞれに物語が宿る美しいカフェたち。あなたのお気に入りをぜひ見つけてみてください。

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おしまい