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世界一奇妙な団地?果貿社区で朝食を【台湾・高雄】

你好(リーホウ)、DEKAEです。

「台湾第二の都市」という情報しかなかった高雄市。

何か面白いB級スポットでもないのかねと思って調べていたら、想像以上に変なものを見つけました。

とっても変な団地「果貿社区」へ出向き、ついでにそこで朝ごはんを食べてきたお話です。

果貿社区と眷村

概要

果貿社区(正確には果貿社區)は、台湾・高雄市にある「眷村」です。

眷村とは、国共内戦で敗北した中国国民党が、大陸から引き上げざるを得なくなった党関係者を住まわせるために台湾に建築した居住地のこと。

150万人を超える政治家、軍人、その家族が一挙に台湾に押し寄せたわけです。かれらは「外省人」と呼ばれ、一種の移民のように扱われました。

急な人口増の影響で、元の居住者・外省人がともに生活に支障をきたさないよう、国の主導で作られたのが眷村だったんですね。

最盛期には「眷村を出ることなく生活ができる」と言われたほど、生活に必要な店や病院などが全て揃っていたそうです。

移民街のような、日本にある米軍基地のような、でも同じ台湾人が住んでいる…という、ちょっと不思議な状況だったことだろうと思います。

高雄の果貿社区は1960年代に作られた眷村ですが、1980年代に13棟の共同住宅が建てられ、住民はそちらに移りました。

国有の大きな建物が並び、そこに部屋を割りあてられた人が住む。日本でいうところの団地みたいなものですよね。

以上Wikipedia参照

いざ果貿社区へ

で、果貿社区に行ってみてビックリ。

!?

この時空の歪みのような状況は一体…

外側から見ても、やはり大きく湾曲しています。

半円を描くようにして二つの集合住宅が向かい合うという、摩訶不思議な空間です。バウムクーヘンを真っ二つに切って、少し離した感じ。

それぞれの部屋のベランダには洗濯物がかかっていたり植木鉢が置いてあったり。生活感まる出しなところが、かえって不気味さを増す…

部屋の間取りもカットしたバウムクーヘン的な感じなのかなぁ?

このベランダに出ると、自分のビルもお向かいのビルも含め、かなりの世帯のベランダが見えちゃいますよね。

視覚的な情報量が多すぎて酔いそうな気がするんですけど、住民の皆さんは大丈夫なんでしょうか?笑

う~ん…変。

団地といえば香港の「モンスターマンション」が有名ですが、それとは別の意味で奇妙です。

なんと、弧を描く共同住宅はさらに二つが密接して立っているんです。

(( )) ←こういう状況ですね。何とも異様な雰囲気…上から見るとミルフィーユの断面っぽい感じになるのかもしれません。

この((がセットで一棟みたい。写真では右が8番、左が9番となってますね。

13棟ある集合住宅のうちいくつかが湾曲していて、他のは普通の建物でした。住民としてはどちらのほうがいいんでしょう?

ていうか、日当たりとかで不公平感はないんでしょうか。気になることばかり…。

しかし、そんな私の懸念もどこ吹く風で、その城下町は和気あいあいと賑わっているのです。

ここに来たのは1月1日の元旦。

旧正月の台湾もこの日は一応祝日になっていますが、多くの人出がありました。

公園やコインランドリー、病院などもあり、この団地一帯で居住エリアが出来上がってしまっています。

眷村から出ることなく生活ができたというのは、あながち誇張でもないようですね。

蕃茄牛肉麺私房でモーニング

豆漿とトマト牛肉麺

さて私、なぜこんな所にまで来たのかと言いますと、この団地に美味しい朝食屋さんがたくさんあると聞きつけたからなのです。

食いしん坊の台湾人に「出なくても生活できる」と言わしめるほどの眷村ですから、当然食べる場所には事欠かないわけですね。

てなわけで円の周辺をぐるぐる回っていると、一際賑わっているお店を発見しました。

その名も蕃茄牛肉麺私房

カウンターで直接注文して席で待つスタイルです。店内は満席でしたが、注文の列に並ぶ間にどんどん回転していきました。

もちろん日本語も英語も通じませんので(笑)、お品書きの写メを撮るなどして何とか注文成功。

まずは朝食の定番、豆漿です。

たっぷり小どんぶりに入ってきました。

一般的なイメージの豆漿とは異なり、な~んにも具の入っていないシンプルな豆乳です。

しかし大豆のザラっと感といい、控えめな甘みといい大変好みの味でした。

本来、豆乳を朝食に飲むというのは中国大陸=外省人の習慣だったそう。

今でこそ台湾の朝食のスタンダード的なポジションを占めていますが、その発祥の地は眷村だったわけですな。

そしてお店の看板メニュー、蕃茄牛肉麺

蕃茄とはトマトのこと。

つまり、トマトベースのお出汁で仕立てられた洋風な牛肉麺なのです。一緒に入っている野菜は何とレタス!

ドが付くほどローカルな朝食屋でこんなハイカラなものが出てくるなんて…奥深すぎる台湾…

牛肉がめっちゃ柔らかく煮込まれていてシアワセ…。さっぱりしているし、量もそんなに多くないのでペロリです。

牛肉麺は「湯」と「乾」が選べました。豆漿があったので「乾」にしましたが、それなりに汁気はあります。

ただ、他のメニューは激安だったのに、これだけ100TWD超でかなりの高級品。

看板メニューのはずなのに誰も注文してないっていう…笑。ほとんどの方が餃子的なものを食べてました。

持ち帰りのお客さんも次々にやって来ます。

従業員は団地に住むお母さんたちなんですかね~?

その他

お腹を満たして再びうろうろしていると、さらに混雑している食堂を発見!

こちらは「来々朝食」としてGoogleマップにも出ていました。

他にも、日本の方のブログで「美味しい朝食屋」として紹介されているお店がいくつかあります。

人気のお店ほど午前中で営業終了してしまうようなので、できれば朝のうちに出かけたい場所です。

アクセス

果貿社区は、台湾鉄道(台鐵)の内惟駅または左營駅から歩いて5分少々です。

電車の本数が多くないため、バスでアクセスする方も多いみたい。その場合は高雄駅から205系統で「果貿社區」バス停下車すぐです。

近所には高雄随一の観光スポットである蓮池潭のほか、高雄市立美術館もあって半日ぐらい楽しめますよ。

高鐵(新幹線)左營駅、またはその隣にある台鐡の新左營駅からタクシーという手もありかも。新左營駅は急行も停まります。

おわりに

何とか円を描いている風の写真を撮りたかったのですが…

デジカメの魚眼レンズ機能とか使ってみたけど、うまくいきませんでしたw

超広角レンズ付きのスマホなら全部入りきるかな!?

いずれにせよ普通に人々が生活しているところなので、騒ぐなどして迷惑にならないよう気をつけたいですね。

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おしまい