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3時間待ちでも食べたい かつお食堂のかつおご飯

こんにちは、DEKAEです。

話題の「かつお食堂」に並んできましたよ。

かつお食堂とは何なのか、どれくらい並んでどんなものを食べさせてくれるのか…潜入レポートです。

※以下、2019年1月時点の情報です。8月からお店の場所が変わっていますので、これから行かれる方はご注意ください。

渋谷「かつお食堂」が初の単独店 店主・かつおちゃん、間借り卒業し新たな挑戦へ

かつお食堂

私 落語家の春風亭小朝師匠のブログを読むことを日課にしておりまして…

というのもこの方非常に多趣味で、グルメ&クラシック音楽&競馬などなど、私と共通する趣味についての記事もたびたび登場するのです。

ある日いつも通りブログを拝読しておりましたら、またまた興味深いものを食べておいででした。

それが渋谷にあるかつお食堂のかつおご飯。

日中にバーを間借りしてお姉さんが一人で切り盛りする小さな店で、目の前でかつを節を削り、ご飯にかけて食べさせてくれるとのこと。

早速調べたところ、週に3~4日のみの営業・一日50食限定の提供という、これまたいかにもミーハーな私の好奇心をくすぐるような情報が掲載されております。

勤め人としては行きづらい営業時間なのだろうな~とあまり期待せずに営業情報を見てみると…

週末も9時または10時オープンで営業している日があり、これなら私でも行けそう!

地獄の2時間半

というわけで、海外留学へ出発間際の友人を誘って行ってみました。日本っぽい食べ物がしばらくお預けになってしまいますからね。

かつお食堂は渋谷から青山通りの坂を上がり、宮益坂上の五叉路で左の細い道に入ってさらに右手の路地にあります。

この日は10時開店。

「並ぶみたいだから できれば10時の時点にはお店に着いておきたい」とこちらから伝えたにもかかわらず、私の落ち度で到着が10時30分頃になりました…。

このお店、普段はカウンター席のみのバー。座席は8席しかありません。

しかしまぁ牛丼のようなもので回転は速いだろうと思っていたら、これがとんだ大間違い――

▲一つ路地を入ったところですが、遠くからでもこの看板が目に入るため分かりやすいです。

▲お品書きとかつおのラインナップ。

到着するとすでに行列ができています。

しかし思ったほどの長蛇の列というわけでもなく、「これくらいならすぐ食べられるかもね♪」などとはしゃいでいた私たち。

しかし、一向に列が動かないのです。訪れたのは1月中旬の北風の強い日。凍えながらひたすら待ちます。

どうにか店内が見えるところまで来ました!ご店主がかつお節を削っておられますね。いい匂いが漂います。(絶対夜のバーもかつおの匂いが残ってると思う)

ここまでたどり着いてからの待ち時間がまた長い…わりと拷問です。

中の様子を伺っていると、皆さん非常にゆっくり召し上がっておられます。

どうも牛丼のようにガッと食らうスタイルではない雰囲気。

それもそのはずで、ご店主が一生懸命かつお節を削りながら あれこれお話しておられるのです。

お客さんも頷いたり質問をしたり、さながら大人の社会科見学。

ありゃ、いつの間にか来た時にはなかった「本日分完売」の張り紙が。

どうもご店主が外のお客さんの人数を数えつつ、打ち止めになるところで退店するお客さんに頼んで貼ってもらっていたようです。

ふと後ろを振り返ると我々の後ろにはもう6人しか並んでいません。危なかった…

そして13時過ぎ、ついに着席することができましたっ!10時半に並び始めたので実に2時間半の待ち時間。記事のタイトルは少々盛っていますが ご容赦ください…

温かいお茶を飲んでくつろいでいると、メニューと本日のかつおラインナップを渡されます。

他のお客さんの食事を準備している間に かつおを決めてくださいとのこと。

私はインド洋、友人は南方をチョイス。正直よく分からないので(←)悩ましいのですが、ご店主が各品種について説明してくれます。

ちなみにご店主、全てのかつおは平等、また味の好みは千差万別との主義により「おすすめは?」という質問には答えないと決めているそうです。

こちらのメニュー左端にあるように「追いがつお」をお願いすることができます。わざわざ我々が注文していない品種をチョイスしてくださいました。

至福のかつおご飯

注文をすませ さらに待つこと数分。

ご店主はかつお節削りはもちろんのこと、料理の提供から精算、皿洗いまで全て一人でやるので大変…

しかし手際よくこなしながら かつおとかつお節について、またかつお漁の未来などについて熱く語ってくださいます。

店内での待ち時間が苦痛になることはありませんでした。

そしていよいよ我々のかつおが削られる時がやってきました。

店中のお客さんが食い入るように削り器を見つめる中、注目を一身に浴びて削られるかつお。

きました。

ひゃ、ひゃあ…!削りたての鰹節がこんなに惜しげもなく…白米の上で妖艶に踊っております!!

まずは一口、鰹節をそのまま頂いてみますと…芳醇な香りが鼻をスーッと抜けていき、これだけで十分な旨味を感じます。

そして白米と一緒に口へ…ああ幸せ…。

削り節入りの醤油も置いてあります。これを少しかけてみてもますます薫り高く、美味しい。

かけた方がいいとか かけない方がいいとかではなく、マジでどちらも美味い。

これがかつお食堂定食(¥1,000)の全貌です。味噌汁もめちゃくちゃ、美味しい…涙。

なめこと沖縄のお麩がたっぷりで、塩気も私にとってちょうどいいです。

追いがつおには太平洋を頂いたんですが、こちらは色がだいぶ淡くサーモンピンクのようで美しかったです。

味わいも何となくサーモンを感じさせるものでした。

ちなみに多くのお客さんが生卵(¥150)を注文し、たまごかけご飯(いわゆるTKG)にして召し上がってました。

こういうことを言うと非国民と罵られるのですが…我々このTKGというのがどうしても苦手で生卵は頂いておりません。

しかし他の方の卵を見ると、見るからにフレッシュでプリッとした黄身だけが提供されているようでしたよ。

留学を控える友人は「なんか泣きそうになってきた…。こんな美味しいものが当分食べられないなんて」と呆然としておりました。

しばらく日本を離れる予定のある方はお気を付けくださいませ。

まぁ極寒の中2時間半待ってこれを出されたら、誰だって涙が出ると思いますが。笑

かつお食堂に並ぶにあたって

かつお食堂に並んでいて いくつか思ったことがあるので共有させていただきます。

今回週末に伺ったため平日ではまた事情が異なると思いますが、参考までに。

・営業時間はかつお食堂のInstagramかFacebookで仕入れてください。

・開店前から列ができているようです。週末の10時オープンの日、10時半に並び始めて、私たちのあと6人で売り切れでした。

・上記の条件で着席したのが13時過ぎ、2時間半待ちました。朝食のつもりで行くと悲惨なので、何かおやつになるものを持っておいた方がいいと思います。

近所にコンビニは複数あります。

・1名または2名で来ている方が多いです。3人以上だと全員入るのに余計に時間がかかるので要注意。

・並ぶのはビルの1階部分で、屋根があるので日差しや雨にさらされることはありません。

ただし風通しの良い(?)場所なので冬は隙間風がハンパないです。くれぐれも防寒には抜かりなきよう。

また暑い日には水分補給が必須と思われます。

・トイレは列のすぐ近くにあります。一人で行く場合「あ、この人諦めた」と思って後ろの人に詰められないよう、ひと声かけてから列を離れてくださいw

おわりに

ご店主の話の中で、「さば缶の大流行で海の生態系が崩れ始めた。こんな店をやっている一方で、かつおの個体数減を危惧している」という話が特に印象に残りました。

複雑な思いがありつつも、あまりの美味しさに思わず「日本人に生まれて良かったです…」とつぶやいて店を後にしたDEKAE。

ご店主から「きっとかつおも、食われた甲斐があると喜んでると思います」という温かい言葉をいただきました。

ありがつおございます。また伺います。

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おしまい