こんにちは、DEKAEです。
世界最大級の人口密度を誇る国、日本。
毎日毎日満員電車に揺られ、誰かと肩がぶつかっては舌打ちされ、激流のごとく押し寄せるSNSの投稿に次々と「いいね!」を押しまくる…
ある日ふと、「何やってるんだろう私」という状態になってしまったあなた。
携帯電話をオフにして、自分を見つめ直してみませんか?
その秘境の名は天空の寺 大陽寺
冒険は東京から電車でおよそ100分、埼玉県秩父郡からのスタート。
秩父からさらに山深い道をずんずん進んでいったところに大陽寺(たいようじ)はあります。
その様子から『天空の寺』『日本のマチュピチュ』との異名をとるほどの場所。これまた随分大きく出ましたね
大陽寺の歴史は鎌倉時代末期にまでさかのぼり、後嵯峨(ごさが)天皇の第二皇子・仏国国師(ぶっこくこくし)によって開山されました。
あまりの秘境っぷりに参拝者も途絶えがちだったのですが、現住職が受け継いで手を入れ続け、宿坊の運営を開始。
そしてそれが「初心者におすすめの宿坊ランキング(日本経済新聞・2011年)」第一位に輝くなど、大変評判の宿坊になったのです。
大陽寺は電波が届かず、テレビもないという環境。
やはり現代人は、都会の喧騒を忘れひたすら自分と向き合う時間を求めているのかもしれません。
今回、山好きの友人と宿坊好き(?)の私の思惑が合致し、よく分からないけど楽しそうという友人と3人で申し込んでみました。
私自身は田舎者でありながら東京の水が非常に合うようで、全く都会疲れしないんですけどね←
同行者たちも東京生まれ東京育ち、「東京以外の場所に住めなーい」と言ってはばからない感じの悪い人たち。
この日も長瀞の阿佐美冷蔵でかき氷を食べてから行こうよとキャッキャ歩き、行列を見てあっさりやめるというミーハーっぷりを発揮してから大陽寺へ向かいました。
本当に日本のマチュピチュだった
大陽寺が位置するのは電波も届かぬ山奥。
修行の足らぬ身で歩いていくのは厳しいですが、予約しておけばご住職が迎えにきてくれます。
集合場所は西武秩父線の三峰口駅。この駅からしてもう辺境感をかもし出しています。
土曜のお昼過ぎ、何人か同じタイミングで電車を降りました。明らかに目的を同じくする者たちと分かるので、何となく「あ、どうも」みたいな雰囲気にw
住職の車に乗り、曲がりくねった山道を進みます。意外と舗装されてる…
携帯電話は途中から完全に圏外に。ワクワクが募ります!
そして到着。見渡す限りの山、山、山。完全に下界とは遮断された世界。
日本のマチュピチュの異名は伊達ではありませんでした。
いかにしてここに寺が開かれたのか。どのような修行が行われてきたのか。
想像がふくらみます。
そして私たちが行った時期は、ちょうどお寺のラブラドール夫婦に赤ちゃんが生まれた直後でした!
大量のラブラドールの赤ちゃんがお母さんにくっついているというスイートな光景でお出迎えしてくれましたよ。
大陽寺の修行体験(一日目)
ここからは実際にお寺で体験できる修行内容。
順序や内容は日によって変わる可能性があることをご了承ください。
写経
到着して部屋に荷物を置きます。部屋は男女別の大部屋が一つずつ。
その他家族やカップル用の個室も2~3あるようです。
まずは写経で心を整えます。天気が良かったので、みんなで縁側に並んで行いました。
写経といっても半紙の下にガイドを置いてなぞっていくタイプなので、初めてでもスムーズにできます。
木々のざわめきと鳥のさえずりだけが響く空間。心落ち着くひと時です。
最後に名前と願い事を書いたら、ご住職がお経を唱えてお寺に納めてくれます。
精進料理
しばし自由時間の後は夕飯をいただきます。
このご住職手作りの精進料理がめちゃくちゃ旨い!!肉や魚がなくてもボリュームたっぷり。特にかき揚げがサックサクで素晴らしかったです…
みんなで集まっていただきますが、そんなに収容人数が多くないので、他のお泊りの方ともお喋りできます。皆さんで宿坊に来たきっかけなど話しました。
この大陽寺、海外からお越しの方もけっこう多いとのこと。
我々が行ったときはオランダ人の若いカップルがいました。私はちょうど半年前にオランダに行ったばかりだったので、少々テンションが上がります。
明るい彼女さんがずっと喋っていて、シャイな彼氏さんは黙りこくっていたのですが…
私が「ユトレヒトに泊まってたんですよ~」というと「僕の町です」と口を開きました!彼の声を聞いたのはその一度きりw
読経と法話
食事が終わると仏間に移動して読経です。冊子が配られるので、ご住職に合わせて一緒に読み上げましょう。
宗派は臨済宗なのでしょうか、鐘をガンガン打ち鳴らす賑やかなお経でした。
そのまま皆さんで円になって法話です。
ご住職はかつて東京で会社員として働いていたそうですが、自らの生き方に疑問を感じて出家。縁あって大陽寺を継ぐことになったそうです。
法話といってもずっとお説教を聞いているわけではありません。紆余曲折を経てここへ至ったご住職に悩み相談もできますよ。
手作り露天風呂
お風呂は男女共用なので、皆さんで声をかけ合って入ることになります。
なんとご住職が少しずつ手作りしたという露天風呂!
天気が良ければ星がきれいなんでしょうけど、この日はちょっと雲が多かったです…
大陽寺の修行体験(二日目)
ご住職より日の出の時間の案内があったので、早起きするために前日は22時すぎに就寝。が、雲が多すぎて日の出は見ることはかないませんでした…。
座禅
二日目の朝は座禅から始まります。少し移動して別棟のお堂へ。
私身体が固すぎて座禅の体勢ができないんですが、できる範囲で結構です、とのことです…すみません。
ご住職は一通り警策を打ち終えると、朝食の準備へ。
呼ばれるまで座禅で待つわけですが、いかんせん私朝ごはんを食べないと全く使い物にならないもので…寝ちゃいました。
朝食
再び美味しい精進料理がいただけます。朝食は縁側で横並び。気持ちのよい朝ですね。
早朝から我慢していた分、より一層身にしみます…
写経と布団干し
朝食が終わると自由時間なのですが、自然と皆さん写経に取り組んでいました。写経は滞在の間、何枚でも書いていいそうです。
最後は布団を干しておしまい。どこか合宿を思わせる共同作業です。
この状態で記念写真を撮りましたが、手前に布団が並ぶという何ともいえない光景になりました。
大自然の中で心身を解きほぐして、皆さんとっても良い表情。
帰りもご住職が三峰口駅まで送ってくれます。11時前くらいに解散。ありがとうございました。
おわりに
やはり自然の中で一晩過ごすというのはいいものですね。大変リフレッシュすることができました。
特に思い悩んでいなくても、一度心身のリセットに訪れてみるのもいいかもしれません。
日によってはヨガイベントなんかもあるんですね。
また、ご住職を手伝うかわりに宿泊料が免除になるというボランティアの形でも滞在が可能です。
我々の滞在中もこのボランティアの方たちが食事の準備・片づけなど全て行ってくれました。
興味のある方は問い合わせしてみてください。
あ、ひとつ大事なことを忘れていました。
虫さんが苦手な方は覚悟して行ってくださいね。
参照:
https://co-trip.jp/article/152438/
https://gurutabi.gnavi.co.jp/a/a_1264/
こちらは神社の宿坊!
おしまい