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ナポリタン発祥の地、The Cafe@ホテルニューグランド【横浜】

こんにちは、DEKAEです。

今なお文明開化のかほり漂う横浜。開港直後に多くの外国人が居留したことで、クラシカルな洋風趣味が随所に残ります。

国際都市だった横浜では、外国人に向けた「洋食」も発明されました。

中でも代表的なものが、ホテルニューグランドのナポリタン。ナポリタン大好きおじたんとして一度は食してみたい、という願いが叶いました。

横浜/ホテルニューグランド

1927(昭和2)年の開業から、激動の時代を日本とともに生きてきたホテルニューグランド。言わずと知れた、日本を代表する老舗高級ホテルのひとつです。

時代の先端をゆく派手さはないものの、重ねた歴史が醸す重厚感は随一。

かのマッカーサー元帥が定宿としていたことでも知られ、彼が新婚旅行で泊まった「マッカーサー・スイート」はあまりにも有名です。

他にも各国の賓客を迎え入れている格式高い場所のため、一般庶民が足を踏み入れるには少々ハードルが高い。実際はそんなことないんでしょうけど

ただし、ホテル内のカフェならば少しカジュアルに利用できます。

ニューグランドのカフェはただの喫茶コーナーではありません。今では当たり前となっている、数々の洋食レシピが考案された地なのです。

ザ・カフェ The CAFE

その名の通りのザ・カフェですが、エントランスはホテルの中にあります。

しかし外観が超絶素敵ですので、ぜひ外にも回ってみてくださいね。

ヨーロッパの街角のようなネオンが横浜の街になじみ、気分を高めてくれます。

なんというかコーナーの使い方が秀逸ですよね。モノクロ映画にでも出てきそうな風景です。

店内はよくも悪くも高級ファミレス的。それでいて一流ホテルの接客が受けられるため、人生勉強のためにもぜひ伺いたい場所です。

客層は総じて上品ですが、カジュアル寄りの服装でも躊躇なく入れます(さすがにビーサン・タンクトップなどの軽装はいかがなもんかと思いますが)。

客席が相当数あるものの、平日でも満席になるときがあります。確実に入店したい場合は予約がベターでしょう。

ドリンク

こちらはレモンスカッシュ(1,201円)。

欧米の方はレモネードが好きなのか?特にヨーロッパのカフェには必ず自家製レモネードやレモンスカッシュを置いてますね。

日本ではついつい「レスカ」と言ってみたくなります。

※金額は消費税・サービス料込です。

お酒類もしっかり置いています。と言いつつ、飲めない私の味方ノンアルコールシードル(1,331円)。

砂糖・香料不使用とのことで、りんご本来の風味がしっかりとありつつもすっきり後味。乾杯が華やぎ、食事にも合わせやすい高級なお味です。

食事

さて、いよいよザ・カフェの洋食をいただいてみましょう。

まずはコンビネーションサラダ(1,820円)。

大きなアスパラだのセロリのスライスだの紫キャベツだの、入っている野菜がハイカラさんなんですよ。

トマトがまたね、丁寧に湯むきしてあるところに一手間を感じます。

そんな中キュウリをポリポリ食べる安心感。

フレンチドレッシングはわりと薄味。まるでカレーなソースジャグに入っているのもレトロで良きです。

そしていよいよ、ザ・カフェのシグネチャーとでもいうべきメニューが…

スパゲッティ・ナポリタン(2,277円)。

ホテルニューグランドが連合国軍に接収されていたころ、軍の保存食だったパスタとケチャップを和えて食べている軍人がいました。

これを見た当時の料理長が、パスタにトマトソースを和える「ナポリタン」を考案。

そう、こちらのナポリタンはケチャップではなくオリジナルソースが使用されています。そこはやはりホテルクオリティ。

トマトの酸味は抑え目に、上品なコクのあるナポリタンです。別皿で提供される粉チーズをたっぷりかけてもグッド。

冷静に2千円を超えるナポリタンなんてのは狂気の沙汰ですけれども、ここではそんな考えは野暮なのです。

お次はシーフードドリア(3,025円)。

ニューグランドの初代料理長はスイスからやって来たフランス料理人でしたが、お客様からの要望には何でも答えていたといいます。

ある日、体調のすぐれないお客様から喉ごしの良いものをリクエストされた料理長。

そこで考え出されたのが「海老のクリーム煮とバターライスにチーズをかけて焼き上げたもの」でした。

日本人的感覚からすると、これを体調のすぐれないときに美味しく食べられるのか疑問ですが…好評を博してレギュラーメニューになったわけですね。

スプーンでひとすくいするごとに、エビや貝柱がゴロッと。う~んこんなに具沢山ならこの値段も納得ですね。

シーフードドリアと名乗るからにはこれぐらいやってほしいよね、という「発祥の地」の矜持を感じます。

塩味抑えめなのも個人的にはポイント高し。ナポリタンと同様、粉チーズは別皿で提供されます。

デザート

料理が充実しているザ・カフェですが、もちろん本来のコーヒーハウスとしての利用も可。

いつもはコーヒー派の私、無性にミントティー(1,113円)を飲みたくなる日があります。

コーヒーや紅茶には砂糖を入れませんが、ミントティーだけは甘くして飲むのが好み。

フレンチプレスのポットで提供され、カップ2杯分はあります。ゆっくりできていいですね…

麗しきプリン・ア・ラ・モード(1,897円)。その名を聞くだけでときめく方も多いのではないでしょうか。

これも最初に提供したのはホテルニューグランドと言われています。

米将校の奥様方を喜ばせるためのデザートとして、プリンにアイスクリーム・生クリーム・果物を添えたものが考案されました。

普通の皿には乗らないので、クルトンを入れるための器だった「コルトンディッシュ」に盛り付けることに。

その見た目の華やかさから、ア・ラ・モードという名が付けられました。

飾り付けが豪華なことはもちろんなのですが、何よりプリンが美味しいっ。卵とバニラの風味がものすごく濃厚です。

近年は純喫茶リバイバルで固めのプリンが流行していますが、こちらのはなめらか。

とはいえ卵がたっぷり使われているからか、一口食べるごとに確かな満足感があります。

ザ・カフェ → 食べログ一休

10:00〜21:30の通し営業。アラカルトメニューのラストオーダーは21時です。

※禁煙

おわりに

異国情緒とノスタルジーを感じさせるホテルニューグランドのザ・カフェ。

ここに集った外国人客の要望から生まれたナポリタンやドリアを味わいながら、開港当時の賑わいに思いを馳せてみるのはいかがでしょう。

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おしまい