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「東京九州フェリー」、身体ひとつで門司から横須賀へ。

こんにちは、DEKAEです。

2021年7月、国内では約22年ぶりとなる長距離フェリーの新航路が開設されました。

それが、神奈川県の横須賀と福岡県の北九州を結ぶ東京九州フェリー

自動車での長距離移動が主な用途と思われがちなフェリーですが、実は身ひとつで乗っても大いに楽しめるんです。

本記事では、私が2022年夏に体験した、新門司港から横須賀港までおよそ21時間の船旅をご紹介します。

東京九州フェリー

概要

東京九州フェリー株式会社は、北九州市に拠点を置く日本の海運会社。

国内のみならず、中国・韓国間でも海の定期便を持つSHKグループの一員です。

本船は神奈川県横須賀市の横須賀港、福岡県北九州市の新門司港を結ぶ便。それぞれのターミナルを日曜・祝日を除く毎日出航しています。

船の種類

運航するのは「はまゆう」「それいゆ」の2隻です。今回私が乗ったのは、新門司港発の「それいゆ」でした。

全長約220メートル・総トン数約15,515トンの大型船(はまゆうも同スペック)。

トラック約150台・乗用車約30台を収容可能と、圧倒的に商用需要を見込んだ設計になっています。

参考までにスケール感はこのようなものです。

幽霊ではありません

旅客定員は268名で、繁忙期はかなり賑やか。

基本26ノット(時速50km)ぐらいで走るためけっこう速いです。

私が乗船したときは揺れはほとんどありませんでした。ただ、国内の長距離フェリーの中では酔いやすい?という情報もあります。

客室

客室はバストイレ付きの完全個室からカプセルホテルタイプのキャビンまで様々です。

今回はもっともお手軽な等級のツーリストAを利用。ハイシーズンの8月、車無しで18,000円でした。

こちらがキャビン。カーテンがあるためプライベートは守られます。

枕・枕カバー・シーツ・布団がついています。

カバン置きと上着や手荷物を掛けられるフック付き。足元がゴチャゴチャせず快適です。

非常に便利だった枕元の小箱。必要なものだけ出してここに入れておけます。

揺れというより振動がけっこうありました。私はそれが心地よくて非常にぐっすり眠れましたが…

ツーリストAの料金が基準運賃となり、それにルームチャージを上乗せしていくとお部屋の等級が上がります。

豪華なスイートルームから、ペットと一緒に過ごせる部屋までありますよ。

予約は公式サイトからどうぞ。割引プランもあるのでお見逃しのないようご注意を。

船内設備

船内の様子

新門司港を出発するのは23:55ですが、23時ごろから乗船が始まります。

自動車・バイクを持ち込む方から始まり、徒歩の旅客は最後の案内。だいたい23:20ころに乗った記憶が…

入口があるのが4階。こちらのロビーにはフォトスポットもあります。旅の記念に1枚いかが?

ロビーの様子。乗船直後は安全設備の説明ですが、以降はテレビ番組が流れていました。

客室だけでなく、船内のあちこちに時間を過ごせる共有スペースが。

共有スペースの多くは窓に面しており、大海原を存分に堪能できます。

こちらはフォワードサロン。文字通りもっとも船首寄りの場所で、この船で前方を望めるのはここだけです。

サロンと名のつくだけあって船内で最も静寂が保たれる場所のため、読書にふける方が多かったです。

私はここでびっくりするぐらいよく寝てました←

もちろん、デッキの一部にも出られますよ。

静岡付近を航行中は富士山も見えます。とてつもない強風で転げんばかりだったため、まともな写真は撮れませんでした。

ショップ

4階のインフォメーションセンター横にはショップも併設。乗船日も25時まで営業という親切さです。

船内でのお役立ちグッズから書籍など時間つぶしになるものまで販売していました。

神奈川・北九州のお土産や、乗船記念になる本船オリジナルグッズもありますよ。

ジュース類はもちろん、酒類も充実。売店閉店後も自動販売機は利用可能なのでご安心を。

酒飲み垂涎のラインナップ…

すっかり浮かれて歯磨き粉を持参するのを忘れたため、こちらで仕入れました。

お土産にポストカードもゲット。100円だったと思います。

ショップは電子マネー対応です。ただし、天候などの影響で通信環境が悪くなると使えなくなることがあるようなので、ある程度の現金は持っておきたいところ。

大浴場

DEKAE的この船のイチオシは大浴場、なんと露天風呂付きです!もちろんガラス越しですが、夕暮れどきに入る露天風呂は最高…

出航直後や到着近くになると、港湾や離島を望みながらの入浴になります。つまり、すっぽんぽんで立って人々が生活を営む場所を見つめるわけです。

すっごいよ?←何が

あ、私タオルを持ち込むのを忘れたのですが、4階のインフォメーションセンターでフェイスタオル・バスタオルともにレンタルが可能です(有料)。

レンタルということで返却の必要があるのですが、お風呂場にボックスがあるわけではなく、インフォメーションセンターで係の方に直接返すスタイル。

濡れたままのタオルを渡されるのは気持ち悪いんじゃないかと思ったのですが、あれで正解だったのだろうか

インターネット

事前登録により、有料のWi-Fiサービスを使用可能です。

とはいえ基本的に沿岸部近くを通るため、航海中もわりと電波を拾っていた印象です(ド○モ回線利用の場合)。

その他

トラック運転手さんが主な顧客である本船。設備も整っており、非常に便利です。

自動販売機には酒、お茶、カップめんがありました。

右手にお湯を注ぐ機械もあります。

コインランドリーもばっちり。

喫煙所もすべてオーシャンビューです。

小さなジムまであったのが驚きでした。自転車マシンとウォーキングマシンが設置されています。

その他はキッズスペース、カラオケルームなんてのもありました。

船内レストラン

気になる海の上のお食事事情。船内レストランもばっちりございます。

驚くことに、こちらでは23時55分の出航直後に「お夜食営業」がスタートします。00時45分には閉まるにせよ、巷では"飲んべえフェリー"の異名があるとか無いとか…

注文はタッチパネル式。メニューの写真もあるので選びやすい!

お会計はレジにてセルフ支払いです。クレジットカード使えます(天候による)。

朝食限定のお粥セット(450円)。安い。

こういう場所でお粥を選べるってすごいうれしい!前の晩からしこたま飲む方もいるでしょうからね…

お粥自体に味はついておらず、自分で好きなように味変して楽しめます。

ランチには駿河湾シラスのシカゴピザ(700円)と北海道産フルーツトマトの和風ガスパッチョ(600円)。

おしゃれすぎない?しかもお手頃価格、かつ美味。たった3食しかこのレストランに来られないのが悲しいと思ってしまうほどです。

夕飯に狙っていた門司港焼きカレーは売り切れだったので、横須賀海軍カレー(1,200円)にしました…くすん。

海軍カレーって牛乳が付くものなのかなぁ…実は牛乳が苦手な私ですが、気付いたときには後の祭り。頑張って飲み干しましたorz

福神漬けとは別にチャツネなる小皿が付いてくるのが興味深かったです。

なお、昼食時にはBBQも開催されています。ただし抽選制で、一回の時間帯に3組ほどしか利用できないようです。

一応一人前から申し込めるようですが、当然ファミリーが楽しむ想定のもの。血迷って一人で申し込み、うっかり当選とかしなくて本当に良かったです…

イベント

クイズ大会

たった21時間の短い(?)船旅ではありますが、船内で退屈しないよう様々なアクティビティを用意してくださっています。

全員参加できるアクティビティとして、オリジナルのクロスワードパズルと謎解き問題がありました。

クロスワードパズルはそこそこ難しいですが、謎解きはお子さんでも楽しめる難易度。私は全部解けませんでしたけど←

全問正解者の中から抽選で景品も当たるようです。

んで、クロスワードパズルの参加賞が昨日買ったポストカード。返品していいですか?w

プラネタリウム

午前中から昼過ぎにかけて、船内のシアタールームにてプラネタリウムのプログラムを上映していました。

座席がすべてヨギボー…どこの高級シアターですか?

プラネタリウムは上部に投影されます。

こちらは「リラックス」と銘打ったプログラムで、通常のプラネタリウムのように星座が動いたり解説が入ったりするわけではありません。

夜空の映像を投影しながら、波の音や鳥の鳴き声、α波が出てる系BGMがひたすら流れるのみ。

案の定途中で爆睡しましたので、プログラムの詳細は不明です←

映画

同じシアタールームが、午後からは映画館に!バック・トゥ・ザ・フューチャーⅢを観ました。

この日は3回上映。座席数が少なくすぐに満員になってしまうため、早めにスタンバイしておいたほうが良さそうです。

ターミナル

新門司港

それぞれの港のターミナル情報も簡単にご照会します。

こちらが新門司港にあるターミナル。

「裏門司」という通称もあるほどで、観光地にもなっている門司港レトロから見ると完全に逆サイドにあります。

今回は家族に送ってもらいましたが、JR小倉駅と門司駅から送迎バスも出ています。

詳細は▼からどうぞ。

のりば・アクセス - 東京九州フェリー

広々とした待合室。一番奥のカウンターにコンセントがあります。

軽食コーナーもあり。22時までの営業です。

お土産売り場にはお菓子からアパレルまで様々な商品が並びます。

23時まで営業しているため、ゆっくり買い物を楽しめました。

最近北九州でよく見るネジチョコ。その他、北九州のご当地土産もいろいろあります。

チロリアンの初めて見るバージョンがあったので思わず買うてしもうたいね

横須賀港

横須賀港には定刻の20:45に到着。

横須賀中央駅まで徒歩15分ほどのところにあります。

こちらのターミナルにも気になるものがいろいろありました。

横須賀発の航路にも乗ってみたいですね〜

おわりに

2021年に新規就航した大型フェリー。

船内が清潔であることはもちろん、痒いところに手の届く設備、何より乗組員が感じのよい方ばかりで感銘を受けました。

もはや大型フェリーは単なる移動手段を越え、すばらしい時間と経験を提供するサービスになっていると感じます。

フェリー大好き芸人

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おしまい