南太平洋にぽっこりと浮かぶ島国、ツバル。
地球温暖化の影響により世界で最初に消滅する国と言われています。
そんな国の小さな郵便局が、世界の切手収集家垂涎の地であることをご存じでしょうか。
ツバルへ
Talofa(こんにちは)!Dekaeです。
ついに実現してしまいました…。
私のバケツリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)のひとつ、ツバル旅行です!!
もともとこの国が「沈みゆく国」と呼ばれていることに興味を持ち、失われてしまう前にこの目で見てみたいと思っていた私。
アクセスできるのは事実上フィジーからのみ。かつ週2便しか飛行機が出ていないという厳しい条件で、なかなか好機が訪れませんでした。
そんな折、2023年のゴールデンウィークの日取りがツバル訪問にうってつけであることが判明!
一生に一度のタイミングかもしれないと思い、燃油代の高騰にもかかわらずチケットを購入してしまいました!涙目
ツバルと切手
太平洋の小さな離島で目立った産業がなく、資源にも恵まれないツバル。国の運営のほとんどを他国からの支援に頼っている状況です。
当然、観光客をもてなすような余裕もなく「世界で3番目に訪れる人が少ない国」などと言われる始末(2011年のUN調べ)。
そこでツバル政府は、「切手」を観光資源にするという奇策に打って出ます。
そうやってとにかく夥しい種類の切手を発行し、世界中の切手収集家からの注目を集めることに成功したのです。
私は一介のポストクロッサーであって、そこまでの郵便ヲタクというわけでもないのですが…
ツバルを訪れる前にこの趣味に出会っていて本当にラッキーだったと思います。
ツバルの郵便局
2023年5月某日、ツバルの首都フナフティに到着ーー。
宿にチェックインするや否や、この島唯一の郵便局に向かいました。
おお…ここが世界中のフィラヲタ憧れの地…。LTDということは民営化してるのかな?
8時から16時の営業になってますが、一度9時ごろ行ったときは普通に閉まってました。
10時ごろ再訪するとようやく掃除をし始めた様子だったので、まぁそういう時間の感覚なのでしょう…
外にはプライベートボックスのようなものが。
家庭に郵便受けがあるかまでチェックしていませんが、もしや全島民の郵便物がここに留め置かれるのか?
そして一歩中に入るや…ご覧ください。
これ全部切手なんです(泣)切手を集める趣味のない私でもこれはたぎるわ。
もちろん爆買いするつもりで心の準備してきましたが、こんなにあると選べない。次第に呼吸も浅くなり、パニック寸前です。
郵便局の人々は、謎の東洋人が切手を眺めながら荒い息をしていることなどまったくお構いなし。好きなだけ見ていられます。
ようやく局員の一人を捕まえて「切手を大量に買いたいんですけど、いいですか…」と聞くと「欲しいのを紙に書いてくれると助かる」とのこと。
すべての切手シートに番号が振ってあったため、希望するものを書いて担当の方に在庫を探してもらいました。
爆買いした切手
購入した切手ちゃんたちを勝手にご紹介しまーす。
今回の個人的目玉はこれでしょうか…1986年発行、南太平洋フォーラム(現・太平洋諸島フォーラム)の記念切手です。
各国の国旗、地図、経緯と緯度まで!ずっと見ていても飽きません。このまま額縁に入れて飾りたい…
国名ドメイン「.tv」の記念切手。
日本のURLに.jpで終わるものが多いように、ツバルの公式ドメインは.tvだったのですが…
国の資金調達のため、アメリカかどこかのテレビ局に.tvを売り渡してしまったという悲しい過去があります。
せめてレンタルとかにできんかったんか。
よく分からず買ったらクリスマスのデザインでした←
この辺りはクリスマスだろうが常夏なんですねぇ。南十字星が神秘的に描かれていて素敵です。
消防車!ツバルで消防署などついぞ見かけませんでしたが、どこに隠れているのでしょうかっ
第二次世界大戦の切手。南太平洋でも激戦が繰り広げられたんですよね。
あれ…消印済みじゃないコレ?
普通に額面通りの値段で買いましたが、未使用切手としてまだ使えるのかな…それともコレクターしか買わないからあまり気にしてないとか?w
えっこんなの買った覚えない!
あれだけ紙に書いて渡して、さらにタイトルと年と値段まで一緒に確認したのに間違えるのがツバルクオリティwww
まぁ私も支払いのときに確認しなかったのでしょうがないですが。
これも選んでない!どんだけオバマさん好きなのwww
ツバル人ってイスラエルなんて国(?)が存在していることを知ってるんでしょうか?
これも買うつもりはなかったのですが…しかも単価高いし。天体は好きだから良しとしましょう。
ガガーリンさんの切手や戦闘機の切手など、欲しかったやつがけっこう在庫切れ。古いのは再発行なんてしないでしょうね…しくしく
しかしまぁ切手を探すのに時間がかかれば、お釣りを持って来てもらうのにも信じられないぐらい時間がかかります(笑)
ツバルでお急ぎの方はまずいないでしょうが、島時間をごゆっくりお楽しみください。
切手販売担当(?)のお姉さんはお腹が大きかったような…であればこき使ってごめんなさいという気持ち。
翌日に宿泊代を支払ったところで手持ちの現金残高が分かったため、追加で仕入れに出向きました。
持ち帰った切手はそれなりの価値をもつことでしょう←
猫。紋章も添えられて何やら高貴な様子です。
甲殻類の切手。
菱形は珍しい〜!ハガキに貼ると場所をとりそうですが、こうやって並べると魅力的です。
なんか初日には無かったはやぶさの切手が出てきたんだが!無造作に机に積まれていたので思わずひっ掴んでしまいましたよ。
新入荷だったのか!?それにしては少し古いトピックですが…
こういう切手って誰がデザインするんでしょうか。
テレビすらまともに映るとは思えないツバルで、日本の人工衛星がどっかの星から石を持って帰った話など誠にどうでもいいというか、話を聞いてもピンとこないのでは…
オーストラリアの郵便局あたりが企画するのかな〜。取材して来れば良かった!窓口の人たちも誰も知らなそうですけどw
2001年に日本で開催されたPHILANIPPONの記念切手までありました(現在は在庫切れ)。
福岡に来たらしきツバルの少年がデザインされてますが、本人は自分が切手になったことを知っているのかね?
ツバルからエアメールを
切手を仕入れたところで、ポスクロのTravelingモードの出番。ここぞとばかりIDを引きまくります。
引いたのはアメリカ・中国のみでした(笑)
ポスクロで出会い、Instagramで緩く繋がっているスペイン人からのリクエストにもお応え。
南太平洋からは地球で一番ヨーロッパが遠いんですよね〜。果たして何ヶ月かかるのか、そもそも届くのか(笑)見ものです。
エアメールでハガキを送るのは2ドル(豪ドル、2023年5月現在)。日本の倍くらいでしょうか。
海外に送りたい旨を話すと「この切手を貼ってあげましょうか?」と普通の1ドル切手も出してくれたんです。
さすが切手を観光資源としているだけあり、このあたりの案内はスムーズ。
ツバルの切手なんて金のなる木ですから(←)ポスクロ用には普通切手を使い、記念切手はすべて持ち帰ろうか悩んだのですが…
結局購入した記念切手を組み合わせて送ることにしました。地産地消の精神!全然欲しくなかったオバマさんの切手なら遠慮なく使えますからね(笑)
まぁもはやツバルのものなら普通切手すら貴重なまであるが
ちなみにハガキも2種類だけ売ってましたが、いずれもその辺の木の写真をカードにしただけの微妙なデザイン←
自分好みのカードを送りたい場合は持参をおすすめします。
アクセス
場所は現地の人に聞けば分かりますが、一応地図を貼っておきますと…
営業時間は月曜から金曜の8:00~16:00となっていますが、あまりあてになりません。
またツバルの多くの期間が12:30~13:30を昼休憩としていますが、12時半ごろ郵便局に行っても普通に開いていました。
これもその日の状況次第の気がしますが…
注意点
切手は当然額面での販売ですので、大量購入したところでたかが知れています。
ただし注意点として、ツバルでは一切クレジットカードが使えないのと、ATMがひとつもありません(2023年5月現在)。
普通に滞在するだけでもそれなりの豪ドル現金を消費しますので、切手収集家の方は余裕を持って現金をご持参ください。
一応、銀行と空港で主要通貨からの両替は可能なようですが、必ずしも日本円を買い取ってくれるかは不明。あらかじめ両替して行ったほうが確実でしょう。
ツバルはインターネット環境が脆弱ですが、ポスクロ活動に関しては問題ありませんでした。
ネット利用についてはもうひとつの記事もご参照ください。
おわりに
お気に入りだった消防車の切手を貼って実家宛にも投函!もはや届いたらラッキーの精神です。→奇跡的に1ヶ月あまりで届いたw
ツバル国内にポストというものは無く、投函するには郵便局まで出向く必要がありました。
3日滞在して、結局3日とも郵便局に行くことになって局員たちともすっかり顔見知りに(笑)
切手目的でツバルを訪れた方・これから訪れる方がいらっしゃいましたら、ぜひお話聞かせて頂きたく思います。
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おしまい