こんにちは、DEKAEです。
山口県、萩市近郊にひっそりと佇むお寺。実はここ、知る人ぞ知る珍スポットとして、国内外から熱い視線を集めています。
遠路はるばるここを訪れる者が後を絶たないのは、なぜなのでしょうか。
秘密を探るべく、噂のネコ寺・雲林寺に潜入してみました。
雲林寺(ネコ寺)
概要
雲林寺(うんりんじ)は、山口県にある臨済宗南禅寺派の寺院です。禅寺ですね。
お寺が位置するのは萩市北東部、平成の大合併前までは「むつみ村」と呼んでいた地区。
もとは、萩藩開祖の毛利輝元などの菩提寺だった「天樹院」の末寺でした(天樹院は明治維新のころに廃寺になっています)。
毛利輝元の没年は1625年とされていますから、この寺の歴史は17世紀ごろに遡ると考えられますね。
非常に由緒正しきお寺なのですが…この場所を有名たらしめた理由は、ずばり「ネコ」なのです。
雲林寺の最大の特徴は、無数ともいえる木彫りの猫像!後ほどご紹介しますが、その数に圧倒されます。
さらに、仏さまから授与品にいたるまで猫づくしという徹底ぶり。猫好きにとっては文字通りの「聖地」と化しているのです。
しかし、何だか突拍子もないような感じがしますよね。なぜ雲林寺は「ネコ寺」と呼ばれるようになったのでしょう?
その謂れには悲しい歴史が隠されていました。
ここで登場するのが、毛利輝元の家臣・長井元房。彼は主君の逝去に際し、自らも命を絶って殉死します。
天樹院には輝元とその夫人、そして長井元房が共に葬られることになりました。
この長井元房、大変に可愛がっていた猫がいたそう。
猫は元房の死を悲しみ、彼の墓前から離れることがありませんでした。やがて四十九日が過ぎ、猫もまた元房の後を追うように亡くなったのです。
以来、辺りで夜な夜な猫の鳴き声が聞こえるようになりました。哀れに思った僧が猫を供養したことから、この界隈は「猫町」と呼ばれた――と言われています。
※参照:萩市観光協会「ぶらり萩あるき」
雲林寺は、そんな不思議な縁を今に伝えていたわけですね。
アクセス
場所はこちらです。
萩の中心地から山路を抜けて、自家用車等であれば30分ほどで到着します(無料駐車場あり)。
バスや二輪車で来るといいことがあるみたいですよ☆
路線バスなんて、月に何本出とるん?というレベルだと思いますけどね←
バイクや自転車で来るのは良さそう。山口県はグッドなツーリングスポットが沢山ありますよ~。
さて、今回は自家用車で訪れたDEKAE。車を停めて早速お寺の入口に向かいます。
おっ、いきなり狛犬ならぬ狛猫のお出迎えです。
入口の門から並々ならぬ雰囲気です。中に入ったらどうなっちゃうんでしょう。
なぜこんなド真ん中に一休さんが?と思ってましたが、そういえば臨済宗の和尚さんでしたね…
境内
境内に入っての印象は…まぁ猫です。縁側にこれでもか!と並ぶ木彫りの猫の数々。
お地蔵さんっぽい猫もありますが、なんていうか…バラエティ豊かなお姿で楽しいです。
もはや猫だけでは飽き足らず、お侍さんまで登場してくる始末ですよ。
天使と妖怪が隣り合わせに並ぶ寺なんて、世界中探してもここだけじゃないでしょうか。
あら…?どこかでお見かけしたことがあるような方たちですが…
除夜の鐘もつくんでしょうか。
絵馬…というか絵猫?
これ、最初から猫の顔が描いてあるわけではなく、顔は自分で描かなければならないのです。
皆さんお上手です。絵画のセンスが壊滅的な私、ここに自作の猫を連ねる勇気はちょっと出ない。
もしや妖怪ポストっ!?私にもついに見える日がきたかっ!
…と思ったら、少々違いました。彼の世にいる方に手紙を届けてくれるポストのようです。
お寺の中に専用のレターセットがあります。
お寺内部の猫
靴を脱いで中に入ると、看板猫の一匹アウアウくんがお出迎えしてくれました。今回私が会えたのはこの子だけ。
ま~よ~肥えちょる立派な体格。大人しくて可愛かったです。
猫関連の書籍が山ほど並んでおり、猫研究家ならずっといられそうです。
この本棚、地域史や民俗学に関する書籍も充実しており、私も惹かれるものが多々ありました。
そして!奥に進んでいくと、恐るべき猫まみれ空間が広がります。
月を模したものでしょうか。
ドライほおずきが良い感じです。ほおずきの種は猫には毒らしいですが…
猫みくじは引いていませんが、なんかかわいかったですよ。
人間みたいに仰向けに寝る子猫が話題になったこともありましたね。
げっめっちゃ恐いけど!
…えっ?w
どうしちゃったんですか、この顔?wwwww
素晴らしすぎて、もうこの方と延々と自撮りしてました←
帰ってから気付いたのですが、なで地蔵だったそうです。あまりの神々しさに触れることができなかったけれど…なで心地は滑らかで良さそうですね。
雲林寺の猫像は、チェーンソーアーティストの林隆雄さん(山口市阿東町在住)が制作しているそうです。ちょっと調べたら凄い人であった
一つ一つの作品が素晴らしいのですが、いかんせん数が多すぎて圧が強い(笑)しかもぎっちり並べてあるのでお腹いっぱいになります。
立派なギャラリーに、しかるべき間隔を空けてディスプレイした状態でじっくり眺めたい感じ。
猫かぶり
実は、こちらのお寺で非常に楽しみにしていたことがあったんです。
それが「猫かぶり」というアクティビティ。
「普段から猫かぶってるのに、これ以上かぶる必要あるの?」というツッコミはさておき、文字通り木彫りの猫をすっぽりかぶることができるんです!
きゃっ/// ありました…!
こんなに種類豊富だなんて!ひどい二重顎の猫にするか、化け猫みたいなのにするか、迷ってしまいます。
…と、二匹の猫が何かの案内をじっと見つめていることに気付きました。
何を熱心に読んでいるのかニャ?
えっ
そう、訪れたのは2020年2月。折しも新型コロナウイルスの絶頂期で、感染拡大防止のため猫かぶり体験ができなくなっていたのです…。
まぁこの時期ってノロとかインフルとかいろいろありますし…賢明な判断だと思います…よ…。
とりあえず持ってみました。
せめてかぶっている風に顔の前まで持っていきたかったのですが…重すぎて無理www
これをかぶるって相当しんどいのでは?しかも夏なんかにかぶった日にゃーもうめっちゃ蒸れて辛そう。
お寺ですし、これも修行の一環なのかもしれませんね。←
お茶の接待
雲林寺さんでは、お参りに来た方にお茶とお茶請けを出してくれるそうですが、こちらもコロナウイルスの影響で取りやめとなっていました。
休憩室にも大量の猫(の像)がいるほか、おもちゃやぬいぐるみで遊べるようになっています。
▲猫タワーにもパズルにもなるという優れもの
お子さんと一緒でも楽しめそうです。
周辺の観光ガイドも充実していますので、静かな空間で今後の旅程を考えるのもいいのではないでしょうか。
著名人
各界の著名人も猫を愛でに来寺されているようです。
打首獄門同好会さん、ヤバいTシャツ屋さん、火野正平さん、中川翔子さんなど錚々たるメンバーのサインがありました。
同好会とヤバTはライブツアーで山口県に来た際に立ち寄ったみたい。
彼らへの連絡ノートなるものもあり、コメントが書けるようになっていましたw
こちらの世界地図では、訪れた方の出身国が一目瞭然。南アメリカやアフリカからも…!?
まぁ、信憑性のほどは定かではありません。海のど真ん中に貼ってあるのは「○○諸島」とか「○○連邦」みたいな国だと思いますが、本当にそんなとこから来てんの?w
グッズ
お守り他、いろいろなグッズも売られています。
デザインもかなり凝っていて、思わずニヤリとしてしまうものばかり。般若心経をネコのイラストで表現した手ぬぐいとかね…なかなかの商売上手ですよ←
私もお土産にポストカードセットをひとつ購入しました。
もうとち狂ってるとしか思えない
おわりに
萩市の山あいの、シュールな猫寺のご紹介でした。
宮沢賢治なんかがこのお寺に来たら、可愛い童話を書いてくれそうな気がします。
アクセスの拠点となる萩は、歴史のかほり漂う美しい城下町です。猫に癒された後は、古い町並みに癒されてみてはいかがでしょう。
大人気の元乃隅神社も遠くありませんので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
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おしまい