こんにちは、DEKAEです。
山口県は大小さまざまな島を有していますが、今回ご紹介するのは下関市蓋井島(ふたおいじま)。
響灘にぽっこりと浮かぶ離島です。
蓋井島ってどんなところ?
蓋井島があるのは下関市の吉見(よしみ)地区。
この吉見という場所には二つの漁港があり、海産加工業が盛ん。
このあたりの工場で作られるちくわやかまぼこは弾力があって非常に美味しく、お土産にも喜ばれるのですよ。
また吉見地区には本州最西端の「毘沙門天」と呼ばれる場所もあります。
蓋井島はそんな吉見から船で連絡している離島。面積は2㎢あまりで、2018年現在の人口は90名程という小さな島です。
蓋井島へのアクセス『蓋井丸』
蓋井島ヘの唯一の連絡手段は吉見港から出ている『蓋井丸』。夏期は一日三往復、冬期は一日二往復しています。
▼運行情報はこちらから見られます。
下関市港湾局:連絡船情報:下関市営渡船(蓋井島航路)のページ
午前9時の吉見港の様子です。
この日は6年に一度蓋井島で開催される『山ノ神神事』の日だったため、普段より利用者が多かったみたいです。実家から吉見港まで送ってくれた父が驚いておりました。
まぁ、私もその神事のために行った一人ですけどね。
普段は島民の他に釣り人が利用しているらしく、この日もけっこう乗ってました。それも中高生くらいの若者ばかりだったのです!
私も下関生まれ下関育ちですけど、「今度の休み釣り行こうぜ」なんて会話はついぞしたことも聞いたこともありませんでした…何かうらやましい…
定員80名の小さな船。…とは言え、頑張れば全島民が一度に乗れそうな規模ではあります←
現在の蓋井丸は平成30年3月竣工とのことで、とても綺麗。椅子席だけでなく、靴を脱いでごろごろできるフロアまであって驚きました。
小さい船なのでまぁまぁ揺れるんですが、乗り心地はかなり良いと思います。
トイレもこんなに綺麗ですよ。本州の端っこの離島に向かう唯一の連絡船とはちょっと思えない。
もちろんデッキにも席があります。私はデッキに上って風を感じながら行きました。
んで、手すりにつかまると何かヌメッとした感触…。
ウェッと思って見てみると、塩がこびりついてましたw
船内にはこんな案内も。『山ノ神神事』の期間中は全ての店が休むとのことだったので、今回は弁当持参で行きましたが…これもちょっと気になります。
蓋井島の見どころ
吉見港から蓋井港までは40分弱で到着します。
ここが島の中心というか、多分買い物するところはこのフレッシュマートしかないんじゃないでしょうか。
あ、先ほど「『山ノ神神事』の期間中は全ての店が休む」と書きましたが、フレッシュマートは営業していました。
この向かいに小さな公園があって(公園といっても、すごい小さな遊具とかを置いた手作り感満載のスペース)子どもたちの声が響いていました。
ちなみに学校は小学校がひとつあるのみ。中学・高校生は島外まで通わなければならないんですね~。台風とかくると大変。
ポストクロッサーとしてポストも探してみたものの見つからず。郵便物はどうしてるんでしょう…
少し住宅街の方を散策してみました。これは民宿への入り口です。蓋井島にホテルはありませんが、民宿が数軒あるようです。
写真では分かりにくいですが、このエリアはかなり急な坂にひしめき合うように住宅が連なっていて けっこう凄い光景。
浜のあたりにはもっと平坦な場所がたくさんありますが、ほとんどが田畑。
平地で家は見かけないんですよね~。潮風を避けるための工夫なのか…興味深い。
展望台の案内があるので行ってみましょう。「やまどりの散歩道」の名前よろしく、鳥のさえずりが絶えません。
しかし山というのは明るい時間でも一人で歩いていると怖いですね~。
急に鳥がギャアギャア鳴きながら飛び立ったり、大きな実のようなものがボトッと落ちる音がしたり…
人の話し声とか車のエンジン音のようなものがすごく近くで聞こえたような気がしたけど、誰もいない…なんてこともありました。
山にまつわる怪談や妖怪譚が多いのは必然だなぁと感じます。
展望台(ものすごく狭い上に柵とか何もなくてコワイ)からは、東向きに島の全体が見渡せます。奥に横たわるのが本土ですね。
反対側にぼんやり見えた景色は恐らく対馬のはず。
ここで一服。コップ付水筒のハイキング感ハンパないですね。
ちなみにこの「散歩道」…あまり手入れされていないようで、ほとんど土に埋もれてしまっている階段とかもありましたので、正直おすすめはできません…。
行きはまだしも、帰り道とか滑り落ちずに降りきるイメージが全く湧かない。ほとんど足の踏み場も手すりもないし。
実際スライディングで降りた箇所も数か所。革靴でこんなところ歩いたので靴擦れができましたよ←
山道を滑り降りたあとはお目当ての『山ノ神神事』を見て、海沿いで昼食をとることに。
やっぱおにぎり弁当ですよねっ。私は海苔がパリッとしてなくて しなしなになったおにぎり派です、圧倒的に。
この島には砂浜ってものはないみたいです。ゴツゴツした岩に座っていただきました…
朝鮮半島が近いことを感じさせます。
昼食を食べ終わってこの浜辺から中心部まで歩いていたら、車に乗ったお兄さんに「浜まで行くんなら送るよ」と声をかけられました。
あまりにも思いがけないことに一瞬「え」と固まりましたが、辛うじて「いいんですか?」と二の句を継ぎました。
「じゃあ後ろに乗り」と言って荷台に乗せてもらいました。これは島だからこそ許されるやつですねw
超親切っ!この乗合スタイルはこの島では一般的なようで、おばあさんがよその車の荷台に「よっこらせ」と乗り、つかまり立ちで運ばれていくのも見かけました。
短い時間ながらめっちゃ楽しかったです。
蓋井島の釣りスポット
恥ずかしながら釣りには全く詳しくないのですが、蓋井島って山口県の中でも釣りにはすごくいい場所らしいですね。
この島の釣り人は港の波止場に集中していました。
釣りのために来た人たちは、帰りの船の合図(汽笛)が鳴るまでの半日中ずっとここにいたようです。テントまで持参しており準備万端。
人の釣果を勝手に公開してアレですが、けっこう釣れてますね。
波止場には鳥のフンがこれでもかというほど落ちてます…
私はそんな人々を尻目に『ポテトチップス チキンチキンごぼう味』に舌鼓を打っておりました。
これ、山口県の学校給食のメニューから着想を得て開発された限定味なんですって。私が子供の頃はこんなメニュー無かったですけど。
潮風でボロボロになった車が趣ありますねぇ。この島の車にはデフォルトでナンバープレートが付いていません。
あ、そういえばアワビやサザエは獲ることを禁ずと書いた看板があちこちに立ってました。アワビなんて獲れるんでしょうか。
エミュー牧場
なお、この島にはエミュー牧場があります。
こんにちは。
意外と大量にいました。
なぜオーストラリアの鳥がここに…というのは誰もが抱く疑問ですが、どうやらここで飼育して油(エミューオイル)をとっているとかいう話です。
直接島民に聞いたわけじゃないので判然としませんが…
猫コレクション
離島によくあるように、この蓋井島にもネコがたくさん。
▲違うタイミングで撮ったけど同じネコかな?この子だけはすごく人懐っこく、カメラを向ける私に近づいてきて足元にすりすりして行きました。
▲片目が潰れてギャング然としたネコ。奥の箱にも数匹入ってます。
▲石垣の影からジッ
▲これちょっとポストカードっぽく撮れてますよね!(自画自賛)
めっちゃ警戒されてますけど
おわりに
今回、実に20年ぶり二度目の蓋井島訪問でした。
20年前は父が仕事のため蓋井島に行く用事があったため、お手伝いついでに付いて行ったんですよね~。
もう記憶も曖昧ですが、多分島の様子はあの頃と何も変わってなかったと思います。
そんなことを考えながら、15時の便で吉見港に戻ります。
帰るときには島民の方がお見送りしてくれました。
本土から日帰りで遊びに来ていた小さい子たちに向けて、島で仲良くなった子たちが手を振りにきてくれたようです。
ということで私を見送ってくれている訳じゃないのは明明白白ですけれども、旅の記念にお手振り返ししてみました♡
私が目撃した幻の『山ノ神』神事はこちらです。
おしまい