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東京ステーションギャラリーの吉村芳生展でポストカード仕入れてきた

こんにちは、DEKAEです。

東京ステーションギャラリーで開催していた『吉村芳生 超絶技巧を超えて』展を観に行ってまいりました。

で、美術館と言えばやっぱりポストカードですよね…!

吉村芳生

この「新聞に自画像」の絵は何となく見覚えがあったのですが、まさかその画家が私と同じく山口県出身だったとは!

吉村芳生は山口県防府市生まれ。晩年は同じく山口県の徳地(とくぢ)という場所で暮らします。

この徳地っていうところがまた渋くてですねぇ。私小学校の時 課外授業で行ったのですが、雷が落ちまくって屋外活動が中止になったり熊が出たりと、そういう野趣あふれる土地なわけです。

吉村の画業は版画から入り、やがてモノクロの鉛筆画へ。徳地に移ったころから色鉛筆画を手がけるようになったとのことです。

彼の鉛筆画の最大の特徴は、まず写真を撮ってからそれを忠実に模写するという点。それだけでも十分「写真にしか見えない」驚異的なテクニックなんですが、だんだん偏執的な手法に向かっていきます。

それは写真を大きく引き伸ばして2.5mm四方の方眼を引いていき、それぞれのマス目をピクロスのように埋めていくというもの。

マス目に1から10までの数字を濃度別に割り当てます。そのマス一つ一つに斜線を引き、1から10までの濃さを表現するというのです。

会場で作業工程の解説が配布されていました。

題材はLeeのジーンズを模写した作品。

写真を方眼紙に仕立て、濃さに応じて1から10までを割り振っていきます。

全てのマスに斜線が引かれているのがお分かりいただけますでしょうか。

この作品群を見た人が皆一様に「うわぁ…」と若干引き気味なのが面白かったです。

これもやり方が色々あって、鉛筆で描くだけだったり版画的な方法だったり…

ちなみに画家本人は自らの画業について「誰でもできる単純作業」と語っていたそうです。また写真をひたすら模写するというアプローチは、ある意味で徹底したリアリズムとも言えるとの解説でした。

確かに手順自体は機械的なものですが、それを全て人一人の手で行うとなると…気が遠くなります。

最後の展示は「新聞に自画像」のコーナー。

これも新聞をそのまま模写してその上にさらに自画像を描いたもの(!)と、朝刊に直接自画像を描き込んでいるものがあります。

この展覧会の最初の展示が、1年間毎日撮った自分の写真を模写した自画像で、最後の展示が1年間毎日朝刊に自画像を描き込んだものという恐ろしい構成。

ただ自画像を描くのではなく、写真を現像して写す作業になるため、1年分を書き上げるのに9年かかったそう。それもう人相変わっちゃう。

さらに、1年間のパリ留学中にフランスの新聞に毎日自画像を書いたという素敵な展示も。これは写真ではなく、鏡で見た自分の顔を書いた珍しい作品群です。

これはパリの展覧会に出品されたそうですが、さぞシュールだったでしょうね。

ミュージアムショップでポストカード選び

さぁポストカードの仕入れじゃ!と勇んでショップに入りましたが、一番欲しかった新聞×自画像のカードは1枚たりとも置いていなくて撃沈…

考えてみたら新聞の著作権とかの問題があるので そりゃそうですよね。

まぁ、新聞がなくても美しいカードを買えたので満足です。

徳地に移ってからカラー作品を手がけるようになったとのことですが、この地に色鮮やかなコスモスや藤が咲き乱れていたことも吉村の意識を変えたのではないかと言われています。

というか、絵具ではなく鉛筆というのが改めて凄まじい。

この靴と車も全て前述のピクロス技法で描かれています。極めてリアルなのにザラついて見えるのはそういう理由から。

いや~これを喜んでくれるポスクロメンバーにいつ出会えるか楽しみですね~。

他にもショップオリジナルのポストカードたちが恐るべき趣味の良さ。

ありそうで なかなか見かけなかった東京駅のジオラマ。かわいい

路線図と駅員さんの仕事シリーズ。これJapanese Cultureを紹介するうえで大変有用ですよね。かわいい

しかし吉村芳生の絵葉書が1枚100円なのに対して他のカードの方が高かったけど、それでいいんでしょうか?w

これだけでなく東京ステーションギャラリー限定の文房具が充実しててですね…しかもすっごい可愛いんですよ、Rollbahnコラボした東京駅舎の絵柄の冬限定ノートとか。

あとは新幹線のマスキングテープやシールなど、けっこうポストクロッサー感涙の空間だと思います。

おわりに

しかしこの東京ステーションギャラリー大変商売上手で、入館料を払わないとミュージアムショップに入れないのですよ。

「せっかくだから」勢のついで買いと「やっぱりあれも欲しい」勢のリピート入館を促す仕組みができていると感じました。

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おしまい